「必要な無駄」とは?リモートワークを続けて見えてきたもの
みらいワークスらしい「新しい働き方」の創造に向かって。
コロナ禍において、世の中に急速にリモート文化が浸透しました。
皆様の環境ではいかがでしょうか?
リモート導入が余儀なくされた最初の頃、朝のニュースで見たオンライン結婚式が非常に興味深いと思った記憶があります。リアルで執り行なう結婚式と比べむしろ良いと思った点があり、それは披露宴中にチャット機能を使い、リアルタイムで参列者がお祝いの言葉を書き込めること。臨場感が増すというか、コミュニケーションの新しい在り方が生まれていると感じ、大変おもしろいなと思いました。
さて、みらいワークスでも、リモートワークを中心とした勤務形態を導入してから半年以上が経ちます。毎週月曜日に会社全体でリモート朝礼を行ない、その中で私からも話をさせてもらっています。
最近では、会社の皆さんにも知っておいてもらいたい時事について取り上げ、「〇〇の割合はどれだと思うか?」などの簡単な質問をすることもあります。チャット機能を使って、その場でクイズ番組のように答えを書き込んでもらい、正しい情報を共有するという方法も取り入れるようになりました。一体感が生まれるこの方法は、リアルとは違う価値の出し方としてオンラインコミュニケーションの中で活用していきたいと思います。
しかしながら、やはり人数が多くなればなるほど画面を通して全員の顔を見ることは難しくなってしまいますね。「顔を見ながら話せない」というのは双方向のコミュニケーションの弊害として大きなマイナス点だと感じます。
弊社では、社内が密にならないように基準を設け、それに沿って各自出社日を設けています。私も週に何日かオフィスに出向いていますが、そのたびメンバーと「本物を見るのは久しぶり!」なんていう会話が繰り広げられたりしています。
リモートワークを導入して強く実感したことは「偶発的な会話はどうやっても生まれない」ということ。
例えばオフィスにいるときであれば、飲み物を取りに行ったりお手洗いに行くなどのちょっとした動作の中でも会話が生まれます。発見だったのは、そのような何気ない会話から情報を得ることが、自分で認識していた以上に多かったということでした。
部長メンバーとのコミュニケーションを通して会社全体を把握しており、その「面」での情報収集方法は組織としてはスタンダードな方法です。
しかし私の場合は、それ以外に「点」の情報(=メンバーとの何気ない会話)を数多く集めて、「面」情報と「点」情報をつなぎ合わせることによって会社を把握していたのだと気づき、それも自分なりの新しい発見でした。
「点」情報のもとである自然な会話というものは、当然オンラインではなかなか生まれにくいものですよね。特に私に対しては、オンラインで「ちょっといいですか?」と雑談しに来るのは難しいのかもしれません。私としては大歓迎なのですが…(笑)
しかし、リモートワーク導入初期こそ「点」情報が得にくかったですが、今では会社全体を把握できるよう徐々に改善されています。「今こういう状況なんだな」とわかる情報も入ってくるようになり、部長たちに対する私のコミュニケーションも変わってきました。
偶発的な意図しないコミュニケーションや、計画しない形での情報のやりとりは、誰かの知見や視界に大きな影響を与えるのだと、リモートワークを通して学んだことのひとつです。そう考えると、部を超えて偶発的なコミュニケーションが生まれる場というものを仕掛けていかなければならないとのだと実感します。
また、誰かに何かを相談しようと思った時、日頃から仲が良い人の方が聞きやすい場合が大半です。聞きやすい相手が増えたほうが、仕事がしやすいのは間違いありません。
普段からいろいろな人とコミュニケーションを取り、何かあった時に相談できるよう環境を整えておくことも、チームワークを発揮する上では大変重要なこと。組織で働くためにはぜひ取り組んで欲しいと思っています。
さらに会社の中で舵を切っていこうと思ったら、チームを超えた情報収集が必要ですね。1人ひとりがチームを超えてコミュニケーションを取り、会社の状況を能動的に把握しに行くということも必要なことなのではないかと思います。
また、コミュニケーションにも深く関係する「主体性」に関しては、私は「わからないことを質問する」という行動も主体性の重要な要素だと思っています。何かに対して腹落ちしていない状態なのにもかかわらず、質問せずにそのまま受け流してしまうのは、主体性を欠いている行動といえるのではないでしょうか。
説明を聞くだけという受け身の姿勢ではなく、不明な点を自ら確認するという能動的な姿勢が、オンラインの環境下においては大変重要な意味を持つのです。
営業でのコミュニケーションと言えば、懇親会の在り方も大きく変わろうとしていますね。これまでは、懇親会を通して親睦を深めたり、業界の情報を得たり、商談を獲得することが当たり前でした。
しかし新型コロナウイルスによって、懇親会という営業スタイル自体が見直され始めています。懇親会は、顔を合わせてコミュニケーションを取れる大切な機会ではありますが、状況的に控えることを余儀なくされました。そしてその中でも仕事が進んだという結果から、「懇親会は必要不可欠ではない」「無駄もあるのでは?」という世間の声も上がるようになりました。
前述したように、個人的にはふとしたやり取りの中にパズルの重要なピースが眠っていることもあると感じるので、効率化に寄り過ぎてしまうのはどうなのだろうかと思う部分もあり、なかなか難しい問題だと感じています。
リモートワークによって見えてきた「無駄」は排除すべき、しかしながら「必要な無駄」や偶発的な出来事を生む仕組みは必要。矛盾していますが、働く環境が変化している中、改めて取捨選択に取り組んで行かなければならないのでしょう。
このコロナ禍において、誰しもが答えのない中で前進することを求められています。皆様の中にも、課題が見えてきてそれをどう解決するか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
われわれも、一人ひとりが新しい働き方に対する哲学や考え方を自分なりに持ち、会社の力を高め進化していかねばならないと思います。その積み重ねの先にあるのは、きっと「みらいワークスらしさのある新しい働き方」のはずです。