厳しい言葉こそ、レベルアップできるチャンス
プロフェッショナルとして、常に高い水準で仕事をし続けるために
少し前になりますが、株式会社リコーの5代目社長である桜井正光さんのお別れの会に参列させていただきました。
桜井さんは、経済同友会の代表幹事もされていましたが、私が入会する前にすでに代表幹事はお辞めになっていて、私にとって雲の上のような存在の方でした。
桜井さんのお話を聞く中で興味深く思ったことは、「リコーはどのようにしてグローバルで戦っていくか?」という会社の戦略について、
「我々は日本人をお客様にしています。日本人は世界で一番厳しいお客様です。その厳しい日本人の方にサービスやプロダクトを磨いてもらっている。それによって製品が世界一になっていくはずである。これが世界で戦う戦略です。」
というお話をされていました。
確かに、日本人が期待するサービスレベルは、世界的に見たらとても基準が高いと私も感じています。特に、海外旅行に行く際にそのように思うことが多いです。過剰な依頼に応えることは、生産性が下がるため、それに見合うきちんとした対価をもらうべきなのではないかと思ったこともあります。
しかし、厳しい目で見てもらっているからこそ磨かれていくような観点があるということに気が付き、みらいワークスのさまざまなサービスに関しても、そのような側面があると感じました。
例えば、BtoCのビジネスにおいては、高品質なサービスを求めてはいけないと思います。特に、安くて早い!というようなお店にそのような期待をすることは違うのではないかと思います。しかし、日本人の顧客はそれでも期待している側面があるような気がしますし、サービス提供者がそれに応えている場合もあり、バランスの悪さを感じる部分もあります。
しかし、BtoBのビジネスにおいてはどうでしょうか。
みらいワークスは、さまざまなBtoBのビジネスを行なっています。クライアントやプロフェッショナル人材の中には厳しい方もいます。しかし、担当者にとっても、会社にとっても、厳しいことを言ってくださるクライアントやプロフェッショナル人材がいるからこそ成長していくものですし、そのような環境は、逆にチャンスに溢れている状況かもしれません。苦労や大変な時こそ、それをきちんとこなしていくことで一段レベルアップできるのです。
高い水準を求められることは、自分たちの基準を上げられるチャンスであるということを認識しておきたいものです。お互いがプロフェッショナルとして仕事をする上では、その高い水準で仕事をするということです。お互いがお互いに高い水準を求めることは、とても重要なことで、見方を変えたら我々を鍛えてもらっているかもしれません。
そして、相手もプロフェッショナルとして勇気を持って厳しい言葉を発しているかもしれません。そのような言葉を真摯に受け止めることができる人でありたいですし、従業員全員にもそう感じて欲しいと思っています。周りにいるステークスホルダーの方々の一言一言によって、我々が支えられている。その感覚を忘れないでいてほしいと思います。
みらいワークスの行動指針“みらイズム”には「挑戦」「主体性」「チームワーク」「変化」「持続的な関係」の5つがあります。
その中の「持続的な関係」とは、長い時間の経過の中で、何があっても真摯に誠意を持って向き合えるということです。その繰り返しによって長い関係というものは生まれてくるものだと考えています。
持続的な関係を持ち続けること、自分が相手に誠意を持って伝えること、そして相手から厳しい言葉をいただいた時には、真摯に受け止めること。そのような姿勢を忘れずに、一人一人が、そして会社全体がレベルアップしていきたいと、桜井さんの言葉から改めて再認識しました。