日本を元気にするために

作成日:2025年4月30日(水)
更新日:2025年4月30日(水)

インド視察で見た、行動とスピードの重要性

3月に、幹事をしている経済同友会の視察でインドへ行ってまいりました。

インドはトランジットで立ち寄ったことはありましたが、訪問は初めてとなります。

 

 

インドを代表する財閥のタタ・グループやリライアンス・グループの方、モディ首相、そして3名の大臣の方と、経済や人材の話などの意見交換や、日本の自動車メーカーであるスズキの工場の見学をさせていただきました。新しい発見や改めて考えることなど多くの気づきや収穫があった視察となりました。

 

 

現地の方々は、「インドの可能性は大きい」「人口は世界一で、国をあげて教育や人材育成に取り組んでいる」「平均年齢が若く市場としてこれからもっと伸びることは間違いない」ということを一様におっしゃっていました。確かに、インドは街に元気があり、ものすごいエネルギーにあふれている国だと今回の訪問で感じました。

 

 

そして、日本に対しては「とにかく何かしらの形で“アクション”してほしい」「行動しない、スピードが遅いのが日本」とおっしゃいました。どういうことかと言うと、日本から多くの方が視察に来て「検討します」と話してくれても、その後は何もない。さまざまな提案をしてくれるけれど何も起こらない、ということです。

 

 

しかし、他国から視察では、その場でアクションが起きて決定することもあるそうで、そういう点で日本は行動しない、というお話でした。やや納得してしまう部分もありながら、しかし、もし日本がスピード感を持って行動した場合には、それなりの優位性になるはずであると感じました。

 

ベンチャー企業の強みの一つはスピードだと思うので、質よりもスピードを上げることは、一番わかりやすく競争力を上げることであろうと思います。

 

 

 

 

また、自動車メーカーのスズキの工場見学では、生産ラインの作り方など、日本の製造業のすごさを改めて感じました。日本においては、完成度が100%の品質を求められます。これはつまり100個あったら1個の不良品も許されない、そのような高い品質管理であるわけです。

 

 

しかしながら、インドだと同じ会社でも99%でOKということになるそうです。99%なのか100%なのか、最後の1%を満たす品質を上げるためのさまざまな試みのために、その分のコストも時間もかかります。高品質への期待というものは日本の製造業の強さではありますが、そこを求めすぎると時間とコストがかさむという現実。

 

 

これがどうあるべきなのかということを考えさせられました。時間やコストをかけてでも絶対的な品質を求めるような場面と、程よいレベルで良いと言うあんばいが、日本のビジネスでも起きていると思います。

 

 

 

 

また、このことはシステム作りでも同じことが言えます。
例えば、基幹システムのSAPを導入する時、全ての業務を入れ込むためには、カスタマイズの開発が必要で時間もコストもかかります。しかし必要頻度が低いものも全てを入れ込もうとしているために、高いコストになったり余計な時間もかかってしまいます。

 

 

高い品質というのが日本の良さである一方、それによって過剰な部分が増えているということも現実だと考えさせられました。

 

 

また、モディ首相や3名の大臣の方々との意見交換では、みなさん自分の言葉でインドがどうあるべきかをお話しされていて大変印象的でした。

 

 

それぞれが、それぞれのビジョンを持っておられて、しっかりと国をけん引しているのはすごいなと思いました。言葉が通じなくても、自分の言葉で語っているかどうかは相手にしっかりと伝わるものです。と同時に、日本の政治家の方はここまで熱く国に対するビジョンを語っているかな・・・と考えました。

 

 

みらいワークスで働くみんなにも、会社や自分の仕事について、自分の考えや言葉で話せるように意識する、ということを日頃から話しています。自分の中で確固たるものとして語ることができるかどうか。それが相手の気持ちを動かすことになると思います。ささいなことであっても自分の考えに基づいて話すこと。字幕を読んでいるような感覚では、カタコトになってしまいますし、そこに“想い”は乗ってきません。

 

この一人ひとりの言葉が持つ力は、組織全体の変革へと繋がっていくと考えています。

 

 

 

 

以前、日本のタタ・グループ統括のCIOや、グループ会社のCHROの方と全社のデジタルの取り組みについて意見交換をさせてもらったことがあります。

 

 

タタ・グループは全世界で約100万人の従業員がいて、そのうち60万人がIT・DXコンサル会社のタタ・コンサルタンシー・サービシーズに所属しています。つまり、グループ全体で6割がデジタル人材となります。これらのデジタル人材が、製造業や半導体、自動車会社に出向や転籍をし、その企業のDXを推進しています。これにより、デジタルに精通する人が会社の中に沢山いる状態が作られる。つまり、人的資源の交流を通じて世の中のDXを推進しているという話を伺いました。

 

これは、人材の流動性が低い日本の大企業ではなかなか難しいことです。

 

 

しかし、今回の視察で、みらいワークスのビジネスモデルは、外部から人材を導入し交流を図ることで、企業文化を変革していくという点で価値がある。単にプロジェクトを進めるだけでなく、人材の流通を促し、企業文化を作る役割も担っているのではないかと改めて感じました。

 

 

海外でのビジネスの視察は久しぶりのことでしたが、非常に多くの気づきがありました。

 

 

そして改めて感じたことは、日本はもっと組織が変わっていかないといけない時期であるということや、みらいワークスが行っている多くのサービスは、一つ一つの組織を変えていくような仕事であるということです。

 

 

みらいワークスの従業員ひとりひとりが日々、“行動”と“スピード”を意識し、企業文化を変革していくことで、一緒に日本を元気にしていきたい。そう強く思う次第です。