ピッチイベントとは?意味・目的・参加するメリットを解説
最終更新日:2026/01/18
作成日:2016/10/21
ピッチイベントとは、スタートアップの起業家などが、投資家や事業会社といった聴衆に向けて、自社の事業計画やサービス内容を短時間でプレゼンテーションするイベントのことです。
一般的なプレゼンテーションとは異なり、資金調達や事業提携といった具体的なアクションにつなげるのを目的としている点が大きな特徴です。
この記事では、ピッチイベントの基本的な意味や目的を整理したうえで、参加するメリットや代表的なピッチイベントの例、成功するためのポイントについて解説します。
目次
■ピッチイベントに参加する目的と得られるメリット
(1)資金調達につながる可能性がある
(2)事業提携・協業パートナーと出会える
(3)サービスや事業の認知度向上・PRにつながる
■ピッチイベントを主催する側の目的とメリット
(1)有望なスタートアップや事業アイデアを発掘できる
(2)エコシステム形成やブランド価値向上につながる
■ピッチイベントで評価されるポイントと成功のコツ
(1)話すのが苦手な場合は動画やデモを効果的に活用する
(2)実績・数値・根拠を具体的に示す
(3)繰り返し練習し、制限時間内で伝える力を磨く
■代表的なピッチイベントの例
(1)Pitch2Tokyo
(2)SusHi Tech Challenge(SusHi Tech Tokyo)
(3)IVS LaunchPad(Infinity Ventures Summit)
ピッチとは何か?プレゼンテーションとの違いを整理

ピッチとは、スタートアップの起業家などが投資家や事業提携先の候補に対し、ごく短い時間で自社の事業内容や成長性を端的に伝え、出資や協業といった意思決定を促すための手法です。
野球の投手が打者に向かって投球するように、限られた時間の中で要点を的確に投げ込むことから「ピッチ」と呼ばれています。
一般的なプレゼンテーションが、時間をかけて情報を共有し、理解や納得を深めるのを目的とするのに対し、ピッチは数分程度の短時間で相手の関心を引き、次のアクションにつなげる点を最大の目的としています。
そのため、ピッチでは詳細な説明よりも、事業の強みや市場性、将来性といった判断材料となるポイントをいかに簡潔に伝えられるかが重要になります。
ピッチイベントに参加する目的と得られるメリット

ピッチイベントへの参加は、スタートアップや新規事業担当者にとって、事業成長を加速させるさまざまなチャンスを得られる貴重な機会です。
最大の目的である資金調達だけでなく、大企業との事業提携や協業の可能性、さらにはメディア露出によるPR効果など、得られるメリットは多岐にわたります。
では、ピッチイベントに参加することで、具体的にどのようなメリットが期待できるのか。ここからは、代表的なポイントを一つずつ見ていきましょう。
資金調達につながる可能性がある
ピッチイベントは、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家といった資金提供者と出会うための絶好の機会です。多くの投資家は、将来性のある投資先を効率的に探す目的でイベントに参加しており、登壇者のピッチに注目しています。
イベントでの発表が高く評価されれば、その後の個別面談やデューデリジェンスへと進み、具体的な出資契約につながる可能性があります。
特に、事業を立ち上げたばかりのシード期やアーリーステージのスタートアップにとって、ピッチイベントは事業拡大に不可欠な資金を獲得するための重要なステップとなります。
事業提携・協業パートナーと出会える
ピッチイベントの参加者は投資家だけではありません。自社の事業とシナジーのある協業先を探している大手企業や中堅企業の新規事業開発担当者なども多く参加しています。
自社の技術やサービス、ビジネスモデルを効果的にアピールすることで、こうした企業の担当者の目に留まり、販売提携や共同開発、技術提供といった具体的な事業連携につながるケースがあります。
スタートアップが単独では接点を持ちにくい企業とのネットワークを構築できる点も、ピッチイベントならではの大きな魅力です。
サービスや事業の認知度向上・PRにつながる
ピッチイベントは、多くの参加者や審査員、メディア関係者が集まる場で自社の事業を発表できるため、それ自体が高いPR効果を持ちます。
注目を集めるピッチができれば、ウェブメディアや新聞、雑誌などに取り上げられたり、参加者によってSNSで情報が拡散されたりする可能性もあります。
その結果、サービスやプロダクトの認知度が高まり、将来の顧客や採用候補者へのアピールにつながることも少なくありません。
仮に資金調達や事業提携に直結しなかった場合でも、広報活動の観点から大きな価値を持つ点は、ピッチイベントに参加する重要なメリットと言えるでしょう。
☆あわせて読みたい
『質問力を高めるメリットとは?コミュニケーションを変える鍛え方のコツ』
ピッチイベントを主催する側の目的とメリット

ピッチイベントは、登壇するスタートアップにとっての成長機会であると同時に、主催者側にとっても明確な目的とメリットを持つ取り組みです。
ベンチャーキャピタルや事業会社などの主催者は、イベントを通じて有望な事業や人材と出会い、自社の投資戦略や新規事業戦略を前進させる機会を得ています。
では、主催者側はピッチイベントを通じて、具体的にどのような価値を得ているのでしょうか。ここからは、代表的な目的とメリットを整理します。
有望なスタートアップや事業アイデアを発掘できる
主催者、特にベンチャーキャピタルや事業会社にとって、ピッチイベントは有望なスタートアップや革新的な事業アイデアを効率よく発掘できる貴重な場です。
自社のネットワークだけでは出会えない多様な分野の起業家が一堂に会するため、将来性のある投資先やM&A候補、協業パートナーを短時間で比較・検討できます。
審査員や運営として関わることで、各社の事業内容や成長性を深く理解し、自社の戦略と親和性の高い企業と早期に関係を構築できる点も、大きなメリットと言えるでしょう。
エコシステム形成やブランド価値向上につながる
ピッチイベントを主催するのは、スタートアップを支援し、イノベーションを後押しする企業としての姿勢を社外に示すことにもつながります。
その結果、先進的で挑戦的な取り組みを行う企業としてのブランドイメージ向上が期待できます。
また、イベントを通じて起業家、投資家、大企業、メンターなどが継続的につながるコミュニティが形成され、新たなビジネスが生まれる「エコシステム」の構築に貢献できます。
その中心的な役割を担うことで、業界内での存在感を高め、将来的なビジネスチャンスを引き寄せる効果も期待できるでしょう。
ピッチイベントで評価されるポイントと成功のコツ

ピッチイベントで高い評価を得るためには、情熱的に語るだけでは不十分です。投資家や審査員は、限られた時間の中で事業の将来性や市場性、チームの実行力を冷静に見極めています。
そのため、彼らが重視する評価ポイントを理解したうえで、事業の魅力を論理的かつ簡潔に伝える準備が欠かせません。
ここでは、ピッチイベントで評価されやすいポイントを踏まえながら、成功につなげるための具体的なコツを紹介します。
話すのが苦手な場合は動画やデモを効果的に活用する
口頭での説明に自信がない場合でも、視覚的なツールを活用することで、事業の魅力を効果的に伝えられます。
プロダクトやサービスの動作を見せるデモンストレーションや、利用シーンをまとめた短い動画は、言葉だけの説明よりも直感的に価値を理解してもらえる手段です。
特に、複雑な技術や新しい概念を扱う事業では、審査員や投資家の理解を助け、印象に残りやすくなります。話術だけに頼らず、補助資料を戦略的に用意すれば、ピッチ全体の説得力を高めることができます。
実績・数値・根拠を具体的に示す
事業のアイデアやビジョンに加えて、その実現可能性を裏付ける客観的なデータを示すことは極めて重要です。投資家は、その事業が本当に成長するかどうかを判断するために、具体的な根拠を求めています。
例えば、市場規模、顧客数や売上、ユーザーの利用状況などを数値で示すと、事業の進捗やポテンシャルが伝わりやすくなります。
さらに、顧客からの評価や競合との差別化ポイントをデータで補足することで、主張の信頼性が高まり、説得力のあるピッチにつながります。
繰り返し練習し、制限時間内で伝える力を磨く
ピッチは3分や5分といった短い制限時間の中で行われるため、内容を整理し、時間内に要点を伝えきるための練習が欠かせません。
スクリプトを作成したら、実際に時間を計りながら何度も声に出して練習することで、話すスピードや構成が洗練されていきます。
可能であれば第三者に聞いてもらい、「専門用語が多すぎないか」「話の流れは分かりやすいか」といった視点でフィードバックを受けると効果的です。
こうした準備を重ねると、本番でも落ち着いて自信を持ってピッチに臨めるようになります。
☆あわせて読みたい
『資料作成代行とは?相場やおすすめの選び方、サービスの種類を解説』
代表的なピッチイベントの例

日本国内では、スタートアップの成長を後押しするため、さまざまなピッチイベントが開催されています。
イベントごとに規模や特徴、対象とするスタートアップのステージは異なるため、自社の事業フェーズや目的に合ったイベントを選ぶのが重要です。
ここでは、特に知名度が高く、多くの起業家が登竜門として目指す代表的なピッチイベントを紹介します。いずれも、事業を大きく前進させるきっかけとなり得るイベントです。
Pitch2Tokyo
Pitch2Tokyoは、東京を起点に世界へ挑戦するスタートアップを支援する国際的なピッチイベントです。国内外の起業家が登壇し、投資家や事業会社、グローバルなスタートアップ関係者に向けて、自社のビジョンや事業内容を発表します。
イベントの概要としては、地域予選を経て選抜されたスタートアップがピッチを行い、評価の高い企業には海外ネットワークとの接点や、国際舞台での発信機会が提供されます。
日本市場にとどまらず、海外展開やグローバルな資金調達を視野に入れるスタートアップにとって、有意義な機会となる点が特徴です。
スケジュールは例年、東京での予選イベントが開催され、その後、選出企業が海外プログラムや国際イベントへとつながる流れとなっています。
英語でのピッチや国際的な視点での評価が求められるため、グローバル志向の起業家に特に適したピッチイベントと言えるでしょう。
SusHi Tech Challenge(SusHi Tech Tokyo)
SusHi Tech Challengeは、東京都が主催するグローバルスタートアップイベント「SusHi Tech Tokyo」の中で開催される国際的なピッチコンテストです。
環境・都市・テクノロジーといった社会課題の解決をテーマに、国内外のスタートアップが集い、自社の技術やビジネスモデルを発表します。
イベントの概要としては、書類選考や予選を通過したスタートアップがセミファイナル・ファイナルに進出し、投資家や企業関係者、行政関係者の前でピッチを行います。社会的インパクトと事業性の両立が評価される点が特徴です。
スケジュールは例年、春から初夏にかけて開催される「SusHi Tech Tokyo」の期間中に実施されることが多く、世界各国からスタートアップや支援者が集まります。
社会課題解決型ビジネスやグローバル展開を目指すスタートアップにとって、注目度の高いピッチイベントです。
IVS LaunchPad(Infinity Ventures Summit)
IVS LaunchPadは、日本最大級のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS)」内で開催される、国内屈指の権威を持つピッチイベントです。
特にシード〜アーリーステージのスタートアップを中心に、将来性の高い企業が厳選されて登壇します。
イベントの概要としては、事前審査を通過した限られたスタートアップが、投資家や業界のキーパーソンを前に短時間でピッチを行い、事業の将来性や成長性を競います。
過去には、LaunchPadをきっかけに大きく成長したスタートアップも多く、「登竜門」としての評価が定着しています。
スケジュールは例年、IVSの開催期間中(主に夏頃)に実施され、登壇そのものがスタートアップの信頼性向上につながる点も特徴です。
資金調達や事業提携を本格的に目指すフェーズのスタートアップにとって、有力なピッチイベントと言えるでしょう。
まとめ

ピッチイベントは、スタートアップの起業家だけでなく、新規事業に関わるビジネスパーソンや、将来独立・フリーランスを視野に入れる方にとっても、自身の可能性を広げる貴重な機会です。
短時間で事業やアイデアを伝える力を磨くことで、資金調達や事業提携につながるだけでなく、人脈の拡大や自身の市場価値を客観的に見つめ直すきっかけにもなります。
また、ピッチイベントで求められる「論理的に整理して伝える力」や「実績・数値をもとに価値を示す力」は、コンサルタントやフリーランスとして活躍するうえでも欠かせないスキルです。
こうした場で得た経験や評価は、今後のキャリア選択において大きな武器となるでしょう。
キャリアの幅を広げたい方や、次のステージに進む準備を始めたい方は、こうした機会を活かしながら、自分に合った働き方を具体的に検討してみてはいかがでしょうか。
→→転職を検討中の方はコンサルネクストで無料登録
→→フリーランスの方はこちらからコンサル登録
(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)
◇おすすめ記事◇
「プレゼン力を鍛えるには?必要なスキルと鍛え方5選・失敗例も紹介」
