地元のお店を応援して地方創生!横浜元町で始まった「SHOP LOCAL」とは

作成日:2018/01/24

 

1日152億円の経済効果も!日本でも始まった「SHOP LOCAL」

地元のお店を応援して地方創生!横浜元町で始まった「SHOP LOCAL」とは_1

大規模なチェーンストアやECが成長する一方で、個人の小規模店舗は厳しい状況に置かれています。そこで注目されているのが、地元の小規模店舗を応援する地方創生プロジェクトです。カード会社のアメリカンエキスプレス(以下「アメックス」と呼びます)が取り組んでいるのが「SHOP SMALL」というプロジェクト。アメリカでは1日に152億円の経済効果を上げるなど、大きな話題になっています。

このプロジェクトの日本版「SHOP LOCAL」が、2017年11月に実施されました。日本で初めて行なわれたのは、横浜市中区にある元町ショッピングストリートでした。

SHOP LOCALの目的とは?

地元の小規模店の利用促進によって地元の活性化につなげるというもの。もちろん店舗の利用が進めば経済効果が生まれますが、それだけが目的ではありません。

アメックスが行なった調査では、地元への好意度と地元の個人店には相関がありました。つまり地元のお店の利用が増えれば、それだけ地元への愛着が増すということ。また同じ調査によると、地元のお店を通じて人付き合いが活発になり、コミュニケーション促進効果もあるということもわかっています。SHOP LOCALでは、地元のお店の応援を通じて地域全体を盛り上げよう!というのが狙いです。

SHOP LOCALの具体的な内容とは?

横浜元町で行なわれたSHOP LOCALでは、アメリカンエキスプレスカード所有者向けに、地元店舗の利用時にキャッシュバックするキャンペーンを実施。ほかにも無料ロンドンバスの運行無料コーヒースタンドサービスなど、元町ショッピングストリートに集客するイベントを開催しました。あわせてSNSを使ったプロモーションも実施。SNSでの応援メッセージが目標件数に達すると横浜市にベンチを設置、というような応援する気持ちを共有する企画もありました。

SHOP LOCALが横浜で開催された理由とは?

実はアメックスが1917年に日本で開業した際、横浜市中区にオフィスを構えていました。創業地である横浜の地方創生に取り組みたい、という想いがあったのかもしれません。また、横浜市民の地元意識も影響していると考えられます。アメックスが横浜市民に行なったアンケート調査では、以下のような結果になりました。

・横浜市民であることに誇りを感じる 76%

・地元横浜を盛り上げたいと思う 75%

横浜市民はプライドが高いともよく言われます。出身地を聞かれると「神奈川県」ではなく「横浜」と答える人がほとんど、という話がテレビで話題になることも。横浜というエリアに誇りを持っている人が多いことがわかります。

地元のお店を応援したい風土がすでにあることも、横浜がSHOP LOCALの場所として選ばれた理由ではないでしょうか。なお、元町ショッピングストリートは150年以上の歴史があり、現在も約400店舗がある横浜市内で有数の商店街です。

出典:「地元の個人店に関する調査 NOVEMBER 2017」(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.発行)

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アメリカでは「SHOP SMALL」として定着、オバマ元大統領も支援

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このSHOP LOCAL、アメリカでは「SHOP SMALL」という名称で2010年からアメックスが始め、すでに定着しています。毎年11月下旬にプロモーションが行なわれるのは、アメリカでは感謝祭後からクリスマスまでの時期が1年で最も買い物客が多い、という理由です。アメリカでは特に感謝祭直後の土曜日を「スモールビジネスサタデー」と呼び、小規模店舗で買い物をするように呼び掛けています。アメックスだけではなく、さまざまなサポーターがいるのが特徴。大企業もこの時期は中小企業の応援にまわり、スモールビジネスサタデーを広める活動に参加します。

さらに政府も支援に取り組んでいます。なんとオバマ元大統領も大統領時代、ツイッターでハッシュタグ(#SmallBusinessSaturday)をつけてツイートしています。オバマ元大統領は、SHOP SMALLを自ら実行したこともあります。家族を連れて地元の書店で買いものをした様子は、アメリカで大きく報道されました。

 

小規模店舗の応援が地域コミュニティの活性化につながる

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日本は地元に根差す個人の小規模店舗は厳しい状況にあり、ユーザーの減少に伴い店舗数も減ってきています。

アメックスが全国の消費者1,000名に行なったアンケートでも、その状況がうかがえます。チェーン店を週1回以上利用する人が75%だったのに対し、地元の個人店を利用する人は29%にとどまりました。地元の個人店を利用しない理由としては「値段が高いから」「閉店してしまったから」「品揃えやサービスに不満を感じたから」という回答が上位にきています。

大規模なチェーンストアが低価格で豊富な品ぞろえができる一方、個人の店舗ではどうしても限りがあります。また後継者がいないことや、近隣にショッピングモールができた影響などで閉店につながるケースも。2018年「景気は引き続き上向き」という報道はあるものの、地元の個人店舗については景況感はなかなか感じられないようです。

 

ITを活用した小規模商店向けソリューションサービスも増えている

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個人の店舗が抱える課題のひとつが、効率的なシステムの導入が難しいこと。費用がかかることもありますが、ITシステムに不慣れな経営者が対応できないという問題もあるようです。

ただ、最近では個人の店舗でも利用できるITを活用したソリューションサービスが出てきています。こうしたサービスが今後スモールビジネスを後押しする可能性も高く、大きな期待が寄せられています。

1)タブレット端末がレジになる、0円から利用できる「エアレジ」

POSレジの導入には従来大きな投資が必要でしたが、今ではiPadなどのタブレット端末を利用したレジシステムが登場。個人のお店でも利用できるようになりました。

例えばリクルート社が提供している「エアレジ」基本的な機能はアプリ無料提供されています(連動するレシートプリンターやドロワーなどの周辺機器は別売)。クレジットカード決済ができるオプションも用意されています。エアレジでは売上管理や在庫管理、会計ソフトとの連動もできるため、個人店舗の経理業務の効率化にもつながります。

2)無料で使える予約管理システム「RESERVA」

ヨガ教室などのスクールビジネスや、理容・美容ビジネスを行なう方にとって、予約管理は大きな悩み。現在では小規模店舗向けの予約管理システムも登場しています。

「RESERVA」というサービスは、Webからユーザーが直接予約申し込みができるシステムを簡単に導入できます。一部制約はあるものの、無料で使えるプランも用意されています。電話での予約受付だけでは、少人数で運営する店舗にとって大きな負担。予約管理システムを導入できれば、業務効率化と合わせて営業時間外でも対応できるメリットもあります。

 

 

アメックスがはじめた地元の店舗を応援するプロジェクト「SHOP SMALL」。アメリカではすでに定着したこのプロジェクトを、日本では「SHOP LOCAL」として横浜元町で2017年にスタートさせました。アメックスでは今後他の都市にも展開し、将来ハロウィンほどの市場規模を生み出したいという狙いを持っているそうです。

日本では今後人口減少に伴い、地方都市の経済は衰退するという声もあります。つまり地元の個人の店舗にとっては、さらに厳しい状況が待っているということになります。アメリカで実績を積んだSHOP LOCALがこれから日本で定着するか、注目したいところです。一方、ITを活用した個人店舗向けサービスは少しずつ普及している状況もあります。今後こうしたITを活用した地方創生プロジェクトが全国各地で増えてくるかもしれません。コンサルタントにとっても新たなビジネスチャンスになる可能性を秘めています。

みらいワークスでは。今後も地方創生に注目して役立つ情報をお伝えしてまいります!

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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