SNSの最新利用動向(情報通信メディアの利用状況調査)
作成日:2018/04/18
生活に浸透するSNS
FacebookにTwitter、Instagram……こうしたSNSの拡大はとどまるところを知りません。スマートフォンの利用拡大と相まって、日常的なツールとして生活者に浸透してきています。ビジネスを考えるうえでも、SNSの利用状況は無視できないということは言わずもがな。現代のビジネスにおいて、商品やサービスの認知度を高めたり、販売・利用を促進したりといった展開を考えるとき、SNSの存在を前提とする必要があるのです。
また、自分自身の働き方を考えるうえでも、SNSは大きく関わりを持つようになってきています。たとえば、Facebookなどでつながりをもった人間関係を仕事に生かす例は枚挙に暇がありませんし、ビジネス特化型SNS「LinkedIn」を使って転職するケースもあります。将来独立するときや会社を経営するときにも、SNSでの周知・拡散はうまく使えば強力な武器となります。
そんなSNSの世間一般の利用状況は把握しておきたいものです。参考になるのが、総務省が公表する「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」です。
総務省調査でみるSNSの利用
これは、各種情報メディアの利用時間や時間帯、信頼度などを定期的に調べ、その利用実態や変化していく様子を明らかにすることを目的とした調査で、大学教授等との共同研究として2012年から毎年行なわれています。今回は、その5回目となる調査結果「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」から、その動向を見ていきましょう(調査対象:2016年11月から12月にかけて、13歳から69歳までの男女1500人)。
※平成29年度版も発表されています。
※この調査では、Facebook、Twitter、Instagram、mixi、Google+、Mobage、GREEに加えて、コミュニケーションサービスのLINE、動画系サービスのYouTube、ニコニコ動画、Vineといったサービスを「ソーシャルメディア等」として扱っており、ここでも「SNS」として言及します。
この調査で対象とされているのは、SNSなどインターネット上のものばかりではありません。テレビや新聞、ラジオなどの情報通信メディアも対象となっているため、そうした既存メディアとの利用状況の違いを合わせて確認できるのも大きなポイントです。
高い年代にも伸びるLINE
SNS全体の利用動向をみていくと、Facebook、Twitter、mixi、Mobage、GREE、LINEの6つのSNSのうち、いずれか1つ以上を利用しているという回答は、10代から60代までの全年代を通して71.2%でした。前年の66.5%に比べて4.7ポイント増と以前ほどの勢いには欠けるものの、堅調な伸びを示しています。なかでも50代から60代では、伸び率が10ポイント超増えており、高い年代の方までSNSの利用が浸透しつつあることを示しています。
SNS別にみると、このなかで最も利用されているのはLINEで、これは調査開始以来変わっていません。全年代通しての利用率も67.0%と、2位のFacebook(32.3%)を大きく引き離していますし、利用率の伸びも前年比6.4ポイント増。年代別でも、動画サービスという側面の強いYouTubeを除けば、LINEが最も使われています。
ちなみに、スマートフォン利用者のうちでSNSを利用しているという方の割合は全年代で93.6%で、スマートフォンとSNSの利用がより密接な関係ににあることがわかります。平日のSNSの平均利用時間も10代から40代を中心に増加しており、コミュニケーションのツールとしてのSNSという存在は確実に生活に浸透しているといえるでしょう。
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年代で異なる利用傾向
先にふれたように、LINEは年代別にみても多くの方が利用している傾向であるのに対して、FacebookやTwitterは年代ごとに利用傾向が異なる特徴があります。
Facebookは、全世代の利用率が32.3%。そのなかでは、20代の利用率が54.8%、30代の利用率が51.7%とそれぞれ高くなっていますが、20代の利用率は前年に比べて下がっています。10代の利用率も18.6%と低く、若年層の取り込みに難航している様子がうかがえます。インターネットでも、Facebookの利用者層の年代が比較的高く、そのなかで若者が困惑するような投稿をするユーザーを「Facebookおじさん」といった言葉で称されることがあり、そういった状況を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
反対に、若年層で利用率の高さが目立つのがTwitterです。全年代の利用率は27.5%ですが、10代は61.4%、20代では59.9%。20代の利用率は、今回の調査で初めてFacebookを上回っています。情報の拡散力も高く、引き続き人気が高いサービスといえます。
そして、全年代での利用率が前年比で6.2ポイント上昇したのが、Instagramです。全年代で20.5%、特に増加しているのが10代から30代です。いずれも5割には届かないものの、20代の利用率は45.2%であり、Facebookの54.8%やTwitterの59.9%に次ぐ存在です。“インスタ映え”という言葉が目立つようになったことからも、その急速な成長が実感できるでしょう。
ちなみに、この調査では、各SNSを見る・書き込む・投稿するのいずれか1つ以上の行動をとっていることを「利用」としています。このうち「書き込む・投稿する」という使い方に限ると、多かったのはLINE、Facebook、Twitter、Instagramと続き、この傾向は前年と同じでした。
スマートフォンの利用普及も手伝って、インターネットの利用はすっかり日常の“インフラ”になりました。そして、コミュニケーションツールとして活用されるSNSも同様です。いまや、50代や60代といった高い年齢層の方もLINEを使っていることは珍しくなく、FacebookやTwitterも社会に広く使われています。そのなかで、急伸するInstagramの存在感は非常に大きいといえます。FacebookやTwitterなどのSNSがテキストをベースとするのに対し、写真や動画がメインのInstagramは、若い層、特に女性の生活に大きな影響力をもっています。
自分のビジネスがどのような層をターゲットとし、そのターゲットがどのようなSNSを活用しているかといった動向は、サービスの構築やマーケティングには不可欠の情報です。最新の動向は確認してインプットしておきましょう。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)
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