【フリーランス初心者】未経験やスキル・資格なしなら何からはじめる?おすすめの仕事や副業とは?
作成日:2022/09/30
フリーランス未経験者からするとフリーランスになるのは、ハードルが高いことのように捉えがちです。しかし、実際には「スキルなし」「資格なし」「実績なし」といったフリーランス初心者向けの案件もあります。今回は、フリーランスになるには何から始めたらいいか、おすすめの仕事や職種、仕事の選び方と獲得方法などを紹介します。
目次
■フリーランス初心者に必要な「フリーランスの基礎知識」
(1)フリーランスの定義とは?
(2)フリーランスと個人事業主・自営業の違い
■未経験者は要確認!フリーランスのメリット・デメリット
(1)フリーランスのメリット
(2)フリーランスのデメリット
■資格なし・スキルなしのフリーランス初心者におすすめの仕事
(1)ブロガー
(2)ライター
(3)営業代行
(4)バックオフィス
■資格やスキルがあればフリーランス初心者におすすめの仕事
(1)エンジニア
(2)コーダー
(3)プログラマー
(4)デザイナー
(5)コンサルタント
■フリーランス初心者でも譲れない仕事を選ぶ基準
(1)興味がある分野
(2)資格なし・スキルなしでも得意分野
(3)実績として発表できる
(4)納得できる報酬額
■フリーランス初心者が仕事を獲得する方法
(1)知人経由で受注
(2)フリーランスと仕事のマッチングプラットフォームを活用
■フリーランス初心者が意識すべきこと
(1)納期を守る
(2)レスポンスの速さ
(3)レギュレーション・ルールを読み込む
(4)契約終了後も時折連絡を
■フリーランス初心者は何から始める?
(1)開業届を提出
(2)副業から始めるのがおすすめ
(3)同じ業種のつながりを大切に
(4)フリーランス向けサービスを活用
フリーランス初心者に必要な「フリーランスの基礎知識」
「フリーランス」という言葉の響きに憧れを持つ人が多いですが「フリーランスとは何か」と聞かれてわかりやすく答えられる人は、ほとんどいません。フリーランス初心者向けにフリーランスの定義や同義語のように使われる「個人事業主」「自営業」の違いを説明します。
(1)フリーランスの定義とは?
フリーランスを簡単に説明すると「個人で仕事を請け負う働き方」のことです。
会社員との大きな違いは、フリーランスは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶのが一般的で、企業や団体との雇用契約がないため「労働基準法」などの法律が適用されません。つまり、フリーランスは勤務時間や勤務場所などの面で自由度が高いものの、最低賃金や残業時間などの法律上のルールが適用外なため、自分で目を光らせておかないと不利な条件で契約させられる危険性もあります。また、確定申告をはじめ、税金や保険(控除)などの手続きも自分で行う必要があります。
内閣府や中小企業庁では、フリーランスとは以下の条件を満たすものと定義づけています。
①自身で事業等を営んでいる
②従業員を雇用していない
③実店舗を持たない
④農林漁業従事者ではない
※法人の経営者を含む
(2)フリーランスと個人事業主・自営業の違い
フリーランスとは個人事業主と同義語と誤解されがちですが、個人事業主とは開業届を提出して、個人で何らかの事業を行う人のことや税務区分を指します。フリーランスであっても事業所を法人化している場合もあり、その場合は法人事業主です。
もう一つ、フリーランスと意味が似た単語として、よく使われるのが自営業です。自営業も自分で事業を行う人のことです。自営業とフリーランスの呼び分け方については、さまざまな見解がありますが、自営業は、飲食店などの実店舗を持つ人を指すのが一般的で、フリーランスは他の会社から仕事を請け負うという働き方です。内閣府などもフリーランスとは「実店舗を持たない」と定義づけています。
出典:内閣官房/公正取引委員会/中小企業庁/厚生労働省 フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
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未経験者は要確認!フリーランスのメリット・デメリット
フリーランスという働き方については、良いイメージばかりが先行している風潮があるでしょう。フリーランスという働き方には、メリット・デメリットがあり、安易に会社を辞めてフリーランスになるのはおすすめできません。しかし、過剰にフリーランスになるのを怖がるのも得策とはいえないものです。フリーランスのメリット・デメリットを整理しましょう。
(1)フリーランスのメリット
自分で事業や参画する案件を選択できることはフリーランスのメリットです。自分で責任が取れる範囲で得意分野や興味のある仕事に取り組めます。
フリーランスには「出社の必要がない」「好きな時間帯に働ける」といったイメージがあります。しかし、クライアント企業が常勤型の働き方を望む場合、こうした自由な働き方は難しい傾向です。特に、フリーコンサルタント.jpの登録者のようなハイパフォーマンス人材には、各プロジェクトにしっかり寄り添った働き方を望む企業も少なくありません。
ただし、フリーランスには、契約の際に就業時間や就業場所について、自分の意向を交渉する自由があります。介護や育児中、並行して他の業務や資格取得などにも挑戦したい人は、コアタイム・繁忙期は企業の希望に沿って稼働することを条件に、それ以外の勤務時間や場所は比較的自由という契約も多いです。
また、フリーランスへの報酬は、会社員時代と比べると高い金額が設定されている場合がほとんどです。「フリーランスになったことで年収が倍以上になった」という人も少なくありません。
(2)フリーランスのデメリット
フリーランスで働くデメリットとしてよく指摘されるのが、税金・保険の高さです。住民税や個人事業税、健康保険・国民年金保険などの支払いを考えると、会社員時代と同じ生活レベルをキープするには、会社員の年収に比べて1.5倍以上の収入が必要だといわれています。
また、手続きに知識や時間が必要なこともデメリットの一つといえるでしょう。特に、来年施行されるインボイス制度をめぐっては、収入の金額に関わらず多くのフリーランス人材が不安を感じています。
多くのフリーランスは「安定した仕事量が今後も継続できるか」という不安も抱えています。会社員と違い、フリーランスには労働法が適用されず失業保険加入が認められていません。突然仕事がなくなるという事態も起こりえます。こうした事態に陥らないために、参画中の案件に没頭しすぎて体を壊したり、普段から営業活動に力を入れる必要があったりといった悩みも耳にします。
同時にフリーランス人材は、収入の見通しが立ちづらいことからローンやカードの審査に通りにくい面もデメリットとしてあげられています。
フリーランスに多い職種
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2022」
フリーランス人材が活躍しているのは、どのような職種が多いのでしょうか?一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した「フリーランス白書 2022」を参考にフリーランスに多い職種をランキング形式にすると、上位5位の職種は下記のとおりです。
1位 クリエイティブ・Web・フォト系 20.2%
2位 エンジニア/技術開発 17.2%
3位 通訳・翻訳系 11.1%
4位 出版/メディア系 9.5%
5位 コンサルティング 8.6%
6位以降は、企画系(マーケティング・広報など。7.2%)映像制作系(4.4%)・事務/バックオフィス(3.2%)と続きます。多くのアートや動画や執筆業などクリエイティブな事業は、フリーランス人材が関わるイメージが強いですが、最近は企画系や事務系でもフリーランス人材が活躍しています。
特に事務系には、フリーランス初心者や特別なスキルなし・資格なしといった人でも活躍できる仕事があるようです。こうした求人を見つけたら、応募してみるとよいでしょう。
出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2022」
資格なし・スキルなしのフリーランス初心者におすすめの仕事
フリーランスは、資格やスキルがないと選べない働き方と思われがちですが、実際にはどんな人でも挑戦できる働き方です。たとえば、どのような職種からフリーランス活動を始める人が多いのか、見ていきましょう。
(1)ブロガー
日記や自分の趣味を発信するためにブログを運営している人もいるでしょう。ブログに一工夫することで報酬を得ている人もいます。方法としては、アフィリエイトと呼ばれる商品広告やアドセンスというバナー広告を張る権利を得て、ブログからマネタイズさせるのが一般的で初心者でも挑戦しやすいです。
ブログ内で発表する漫画やイラストから、大手メディアへの転載や新たな仕事の受注などに発展するケースもあります。同じように、ブログの内容や文章が認められてライターとしての仕事につなげる人やブログ読者を対象にしたサロンを作るといった収益方法もあります。
一部では、一時に比べ影響力が減少したと噂されるブログですが、現在もポートフォリオ代わりに使うフリーランス人材や、自社の仕事を発注できそうな人材を見つけるために日々チェックする企業もあります。そのため、フリーランス活動を始める人には、ブログ開設とSNSへの連動は鉄板だともいわれています。
(2)ライター
文章の執筆に抵抗がない人にはライターもおすすめの職種です。文章を書く、という点では、ブロガーと似ていますが、企業などからの依頼を受けて何かしらの文章を書いて報酬を得るのがライターです。ライターの案件は、オンライン上で仕事の発注・受注ができるプラットフォームや求人サイトなどで仕事を見つけるのが早道といえます。「初心者歓迎」「初心者OK」といったライター募集広告があればチャレンジしてみましょう。
ライターの収入は、当人の力量やスキルによって大きな差があります。執筆物を提供する媒体は、Webメディア・広告・出版物・雑誌・本と多岐に渡りますが、ライター本人のネームバリューや媒体の運営元によっても報酬が異なります。
また、報酬の換算方法にも特徴があります。時給で報酬が決まる場合もありますが、プロジェクトや1文字単位で報酬が支払われるのが一般的です。企画や構成・取材・文字お越しなどもライターの仕事の範疇とする企業もあり、作業量や難易度によっても報酬に差があるでしょう。
(3)営業代行
フリーランスとして初心者で、これといった資格やスキルなしといった人でも、営業やマーケティングの経験がある人は、営業代行の仕事もおすすめです。2020年初頭から続く、コロナ禍以降、自社のスタッフで営業部隊を作るより、フリーランス人材と営業代行契約する企業が増えてきました。
従来通り、企業に成り代わって訪問営業する案件もありますが、商談のすべてをオンラインで完結させる案件もあります。報酬は成果報酬型が多く、交通費などの経費が掛かる場合は経費を見込んだ報酬が設定されていることがほとんどなので注意しましょう。
また、より初心者や女性向けの仕事としてコールスタッフなどインサイドセールス部門の営業代行の案件も増えています。家事・育児・介護などのスキマ時間だけ働けるといった条件の案件もあります。電話やメール上での一般的なビジネスマナーは求められますが、資格やスキルを問わない案件も多いため、実績を積んだ後、単価や難易度が高い案件を目指すのもよいでしょう。
(4)バックオフィス
経理や人事・総務といったバックオフィスの一部をBPO、つまり外部委託する企業も増えています。先に紹介した「フリーランス白書2022」でも主要事業を「事務/バックオフィス系」「人事/人材系」と回答したフリーランスが全体の6%近いという結果が出ています。
こうした業務でも、一般的な社会人経験があれば、特に尖った資格やスキルがなくても案件を獲得できる可能性が高いです。WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft officeソフトの実務経験などがあるとなおよいでしょう。
報酬は成果物に対して支払われる場合もありますが、派遣社員のように時給制の場合もあります。地方に住んでいても都市部の大企業でのBPOを請け負うことも可能なため、キャリアアップにもつながるでしょう。
資格やスキルがあればフリーランス初心者におすすめの仕事
フリーランスとしては初心者でも、スクールやセミナー・資格取得の勉強を通じて、資格やスキルがある場合にフリーランスとして活躍しやすい職種もあります。こうした職種で案件を獲得するには人脈やスクール・資格制度を運営する団体から仕事を紹介してもらうのも一つの方法ですが、職種に適したマッチングエージェントへ登録し、案件獲得に向けてサポートを受けるのもよいでしょう。
(1)エンジニア
エンジニアはフリーランスという働き方にとても親和性の高い職業です。フリーランスのエンジニア向けの案件は、在宅型もありますが、プロジェクト現場での常駐が求められるケースもあります。案件の規模によって収入に差がでますが、プロジェクトへの稼働率や成果によって報酬が決定する場合もあります。
企業に所属するエンジニアの平均年収は400万~1000万円くらいだといわれています。一方、フリーランスエンジニアの平均年収は700万円以上といわれており、エンジニアはフリーランスのほうが会社員より圧倒的に収入面では有利といえるでしょう。
また、フリーランスエンジニア向けの案件には、プロジェクト全体を通して業務にあたるものもあれば、特定の部分の業務を切り出して参画できる案件もあります。案件の内容や契約形態を選べるといった自由度の高さもフリーランスになるエンジニアが多い理由の一つでしょう。
(2)コーダー
コーダーはエンジニアに似たイメージがある職業ですが、WebページのコーディングをするIT人材をコーダーと呼ぶことが多いです。仕事の幅は割と限定的ですが、案件の量が多いので積み上げられれば、それなりの収入が見込めます。
HTMLやCSSといった言語をマスターしていることがコーダーを名乗る条件ですが、今後もさまざまな言語の習得が必要になったり場合によっては、デザインや設定についての知識も必要とされたりするでしょう。
フリーランスコーダーの報酬は、IT系フリーランスの中では低めで、平均すると200万~500万円程度ともいわれています。凡庸性が高いので、いくつもの案件を並行しやすいのが魅力かもしれません。
(3)プログラマー
前提として、プログラマ―とエンジニア・コーダーの違いは分かりにくいものです。先述した通り、エンジニアはシステム設計をする職種、プログラマーは、プログラミング言語と呼ばれる言語を用いて、エンジニアが設計したシステムをプログラミングするのが仕事です。システムのコーディングもプログラマーの仕事ですが、コーダーというとWebコーディングを担う職種なので、対象が異なるというと分かりやすいでしょう。
あくまで一般論ですが、プログラマーの報酬は、エンジニアとコーダーの中間程度が目安になるでしょう。JavaやPerl、PHPなどのプログラミング言語取得が必須とされ、今後も新たな言語の取得が求められると予想されています。
多くの企業が腕の良いプログラマーを求めていますが、育成や雇用にはそれなりの経費がかかるため、フリーランスプログラマーに発注するケースが多いです。そのため、一定数のフリーランスプログラマーが安定的に案件を獲得できている反面、ITトレンドなどの情報を自ら掴みに行く姿勢や新しい言語の獲得など自己研鑽の継続が求められます。
(4)デザイナー
クリエイティブ職の代表的な職種といえばデザイナーですが、分野は多岐にわたります。以前は、紙媒体やグラフィックデザイナー、服飾系、プロダクト系のデザインを請け負うフリーランスデザイナーが多い傾向でした。
最近のフリーランス業界の主流として、Webデザイナー、ゲームデザイナー、UI/UXデザイナーといったITに特化したデザイナーの活躍が目覚ましいです。スクールで学んだりIT系企業で実績があるデザイナーは、フリーランスとして活動を始めるのに追い風がふいている状況です。
特に、さまざまなサイトやアプリをカスタマビリティを念頭にデザインするUI/UXデザイナーは注目を集めています。今後もフリーランスのUI/UXデザイナーは引く手あまたの状況が続くとみられ、コーダーやWebデザイナーなどから転向する人材も増えるとみられています。
(5)コンサルタント
近年、フリーランスのコンサルタントを求める企業が急増しています。要因として「多くのコンサルタントを束ねるSIerやコンサルティングファームなどでも専門分野に特化したコンサルタントの育成に苦労しているから」だといわれています。
特に、IT系プロジェクトのPMOコンサルタント、SAPコンサルタント、ITコンサルタントなどは常に募集がある状況です。フリーランスとしては初心者でもコンサルタントとしての実績があれば、報酬が高額でチャレンジングな案件に参画できるチャンスがあります。
一般的に大手ベンダーなどに所属する会社員コンサルタントの年収は400万円~、SIer・コンサルティングファームに所属するコンサルタントの年収は600万円~が相場といわれていますが、フリーランスのコンサルタントへの報酬は100%稼働と仮定して80万~130万程度提示されることが多く、特に専門性の高いSAPコンサルタントでは月額報酬230万円といった案件もあります。
プロジェクトへの関わり方や工程、勤務形態などは案件によってばらつきがあるので一概にはいえませんが、コンサルタントこそフリーランスとして独立したほうが、自由度も報酬も満足できる仕事に出会える可能性が高いです。
フリーランス初心者でも譲れない仕事を選ぶ基準
経験を活かしてフリーランスになる人がほとんどですが、中には今までのキャリアと全く別の職種で独立・起業を目指す人もいます。フリーランスになるためのスキルを教えるスクールなども開講されているので、どの職種でフリーランスを目指すか迷いがある人は、参考にしてみるのもよいでしょう。ほかにもフリーランスとして活動する職種を選ぶ時に基準となる事柄を紹介します。
(1)興味がある分野
フリーランス初心者には、まずフリーランスとしての働き方に慣れるため、初心者・未経験者OKとされる案件に応募するのがおすすめです。しかし、案件自体の業務内容やクライアント企業の業界に興味が持てないようでは、求められる水準の任務が遂行できなかったり長続きしなかったりするものです。興味を持てるポイントが、職種や案件にあるかどうか、しっかり見極めて引き受けましょう。
(2)資格なし・スキルなしでも得意分野
資格やスキルがない初心者でも挑戦しやすい職種をいくつか先述しましたが、不得意な分野の仕事はおすすめできません。たとえば、文章の読み書きに抵抗があるのに、ライターを目指したり、パソコンでの作業が不得意なのにバックオフィス系の案件に応募したりしても、業務が遂行できない可能性があります。自分の趣味や特技、経験を活かせる仕事を選びましょう。
(3)実績として発表できる
初心者のうちこそ、着実に実績を積み上げることが今後のフリーランス生活に関わってくるといえます。ポートフォリオや職経経歴書に載せられない案件は避けた方が無難です。初心者のうちは、人脈などからこうした案件が回ってくる可能性もありますが、実績としてポートフォリオや職務経歴書に掲載してよいか、確認を取りましょう。
(4)納得できる報酬額
どのような職種でもフリーランスとして駆け出しのうちは、高い報酬を獲得するのは難しいものです。しかし、相場からあまりにもかけ離れている安い報酬の案件は断る勇気も必要です。相場を調べ、自分のスキルと照らし合わせて納得できる金額なのかどうか、シビアに判断しましょう。
フリーランス初心者が仕事を獲得する方法
フリーランス初心者にとって、仕事を獲得するのは簡単なことではありません。初めは単発の契約や相場から少し安い報酬額でも実績作りと捉えて、取り組んでみましょう。実績を作り、安定的に案件が確保できるようになるまでは、一般的な案件獲得方法を試してみましょう。フリーランス初心者でも仕事を獲得しやすい方法やプラットフォーム・サイトを紹介します。
(1)知人経由で受注
現在、活躍するフリーランス人材が駆け出しのころに仕事を受注した方法として、一番耳にするのが知人や友人などを通じて仕事を紹介してもらう方法です。これまで培った人脈ネットワークをフル活用しましょう。
周囲に「フリーランスになりたい」「仕事を探している」といったことを伝えておけば、意外なところから仕事を紹介してもらえることもあります。また、自分がフリーランスとして活動したい業種に関するセミナーや交流会に顔を出してつながり作りに励むのもおすすめです。
(2)フリーランスと仕事のマッチングプラットフォームを活用
多くのフリーランス人材がスタートアップ時期は、ランサーズやクラウドワークスなどのプラットフォームで案件を受注しています。初心者OKとする案件が多く、ほとんどは、ライティングやコンサルティング・マーケター・営業アシスタントなどオンラインで完結する仕事です。
報酬の支払い形態は、時間数単位やプロジェクト単位、文字単位など案件によって異なります。初めは、フリーランス初心者向けの簡単な案件に応募するのがおすすめです。応募と納品を繰り返すと評価が上がり、仕事のオファーが増えてくるでしょう。
また、ココナラやタイムチケットなど、時間単位で仕事を獲得するプラットフォームも増えています。いずれも、ポートフォリオやプロフィールでクライアントの興味を引くような工夫が必要です。こうしたプラットフォームは、利用手数料もそれなりにかかりますが、セルフブランディングを明確にし、実績が蓄積されると報酬単価が大きく跳ね上がる可能性があります。
参照:ランサーズ
参照:クラウドワークス
参照:ココナラ
参照:タイムチケット
(3)フリーランス向けのお仕事サイトやアプリ
フリーランスとしては未経験者や初心者でも、実績と技術があるフリーランス人材は、フリーランス向けのお仕事サイトを活用するのがおすすめです。特にIT系フリーランスは需要が高く、「Midworks」や「レバテックフリーランス」など、IT系フリーランス向けの求人サイトが増えています。
また、女性に特化したフリーランス向けサイトとして「Waris」や「ママワークス」なども知られています。どちらも時間や場所にとらわれない働き方と女性の社会進出を応援するサイトですが、Warisはプロ人材の副業向け案件などの扱いが多く、ママワークスの方がフリーランス初心者や育児・介護中など労働時間に制限がある人でも挑戦しやすい案件が多い傾向です。
また、LINEが運営する「LINEバイト」やドコモが運営する「dジョブ」などのアプリで業務委託の案件を見つける人も増えています。ただし、お仕事紹介系のアプリはまさしく玉石混交です。中には悪質なアプリもあるので、大手運営のアプリの使用がおすすめです。
参照:Midworks
参照:レバテックフリーランス
参照:Waris
参照:ママワークス
参照:LINEバイト
参照:dジョブ
フリーランス初心者が意識すべきこと
フリーランスと会社員では、契約前から案件終了まで仕事をする中で、注意が必要な部分が異なる場合があります。多くがビジネスマナーとして当然とされ、教えてもらった経験がないこともあるでしょう。フリーランス初心者が案件開始前から意識すべきことを紹介します。
(1)契約内容の確認
フリーランス人材向けの契約では「業務委託契約」という言葉がよく用いられます。ところが、民法上では「業務委託契約」と呼ばれる契約は存在しません。民法上の契約は「請負」「委任(準委任)」「雇用」の3種類で、一般的に業務委託契約と呼ばれるのは「請負」と「委任(準委任)」の2種です。
まず、請負契約とは「約束した期日までに完成した物を納品すること」で完了する契約。請負契約の場合は、請け負った業務を完成させることが義務ですが、納品状態や納期遅れに関する判断の詳細は契約内容により異なります。
一方、委任契約とは「約束した業務を約束した期間行うこと」で完了する契約です。成果の可否や優劣は関係なく、あくまでも行った業務に対して報酬が支払われます。万が一、発注側の望むレベルに到達できなかったとしても、契約違反にはなりません。委任と準委任の違いは、業務内容が法律行為か否かによります。
結果の責任を問われる請負契約で契約するのか、結果を問われない委任契約(準委任契約)で契約をするかは、とても重要です。フリーランスの場合、できる限り請負契約は避け、委任契約(準委任契約)を心掛けるのが一般的です。
クライアントの期待に応える成果があれば、業務委託料の支払いで揉めることは、まずありません。しかし、結果について話し合いになった場合には、契約書の内容はその判断の基準になるため、契約内容に請負契約・委任契約のどちらが書かれているか、必ずチェックしましょう。
(2)納期を守る
当たり前のことのように聞こえますが、フリーランスは受注した仕事の成果はもちろん、納期を死守する姿勢が求められます。特に、初心者のうちは肝に銘じて仕事に取り組みましょう。
資格やスキル・実績が伴う、ベテランフリーランスでも納期を守れない人は契約を継続してもらえないことがあります。初心者でも仕事に真摯に取り組み、納期をしっかり守る人は重宝されます。
やむにやまれぬ理由で納期がどうしても遅れることもあるでしょう。そんなときは、なるべく早く受注先に相談するのが鉄則です。
(3)レスポンスの速さ
フリーランスになると受注先との連絡ツールに、メールやチャットツールなどを使用する機会が増えるものです。信頼関係が出来上がっていない内から、レスポンスがまばらだと、社会人としてのマナーにかけていると誤解されることがあります。フリーランス初心者のうちは特に迅速なレスポンスを心掛けましょう。
メールが連絡手段のケースでは返信に熟考が必要な場合やすぐに返信できない場合は「連絡へのお礼」と「後程改めて返信する」旨を送って、一両日中に改めて返信するのがよいでしょう。チャットツールの場合も同じですが、取り急ぎ「連絡内容を読んだ」と先方に伝わるようにリアクションボタンだけでも押しておきましょう。
(4)レギュレーション・ルールを読み込む
同じ仕事でも、受注先や案件によってレギュレーションが異なるものです。フリーランス初心者のうちは、特にレギュレーションをよく読み込み、ルールに沿った任務を遂行するよう心がけましょう。
レギュレーションについて、意見を求められた場合は別ですが、初心者のうちから「前職ではこうだった」「こうしたほうがいい」といった自分の考えを伝えるのは避けた方がよいです。フリーランス初心者や職種自体が未経験の場合、耳を傾けてもらえることは少ないと心得ましょう。
自分なりのルールが通用するのは、フリーランス活動の成果が上がった後です。受注先のルールに沿って粛々と任務を遂行する方が、信頼や感謝につながるでしょう。
(5)契約終了後も時折連絡を
企業とフリーランスの契約は有期契約であることが大前提です。そのため、案件ごと、もしくは一定期間ごとに一旦契約が終了します。
なんの落ち度もなくても、それ以降契約が続かない場合もあるでしょう。受注先にも事情があったり、スポット的な案件だったりするものです。あまり深く捉えず、その後も関係性を継続できるように心がけるのが得策です。契約終了時こそ、新規の案件があるときに、また声をかけてもらえるような関係性を築くチャンスです。
具体的には、季節の変わり目や自然災害が起こった際などに体調を気遣うメッセージを送ったり、ポートフォリオを更新した時に送りなおしたり、といった方法がよいでしょう。
フリーランス初心者は何から始める?
「フリーランスになる!」と心に誓っても、具体的にどのような行動に移せばよいのか、よくわからない人もいるでしょう。下記、5つの項目は、どのような職種でフリーランスを目指す人にも共通して必要な動きです。参考にしてフリーランス生活をスタートさせましょう。
(1)開業届を提出
フリーランス、つまり個人事業主になるには、税務署への開業届の提出が必須です。開業届は「個人事業の開業・廃業等届出書」が正式名称です。事業開始日から1ヶ月以内の提出が原則ですが、もし忘れてしまったり諸事情により提出が遅れたりしても特に罰則はありません。
開業届の申請には下記が必要です。加えて、使用したい屋号も考えておくとよいでしょう。
・個人事業の開業届出・廃業届出書(税務署で入手できます)
・印鑑
・個人番号が分かるもの
・本人確認書類
また、開業届の他にも、確定申告時に青色申告をするのであれば「青色申告承認申請書」が必要です。新規開業の場合は、事業開始日から2ヶ月以内に提出する必要があります。青色申告にすると、手間は増えますが、最大65万円の特別控除や事業にかかる費用を経費として申告できるなど節税効果があります。
白色申告であれば、こうした手間は不要です。青色申告承認申請には下記が必要です。すべて税務署で入手できます。
・青色申告承認申請書
・所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
・青色専従者給与に関する届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
(2)副業から始めるのがおすすめ
フリーランスとして独立・起業を目指すなら、まずは主要事業としたい仕事を副業として請け負い、実績を作るのがおすすめです。スキルの向上やフリーランスになった際の人脈につながります。
収入を増やす手だてにもなるので、生活費は所属企業の給与、起業資金は副業での報酬をあてるなどするのもよいでしょう。副業での収入をこのように割り振ると経営者感覚も身につきます。
(3)同じ業種のつながりを大切に
フリーランス初心者のうちは、周りに同じ仕事をしている人が少ないかもしれません。しかし、活動を続けるうちに自然と同じ業種のつながりが広がっていくものです。フリーランスは時に孤独なものです。こうしたつながりから、さまざまな情報を得たり、切磋琢磨しあったりできるので大切にしましょう。
もともとの知り合いやセミナー・フリーランスの団体などからつながりを作るのもよいですが、SNSで同じような立場のフリーランスの人とつながるのもおすすめです。
(4)フリーランス向けサービスを活用
フリーランス人材の急増に伴い、面倒な確定申告や税務の手続きに活用できるサービスが増えてきました。「freee」「Money forward」「弥生会計」などが代表的です。無料版を試して使いやすいサービスを選んだり、料金とサービス内容で選んだりするのが良いでしょう。
また、フリーランス人材と仕事を仲介するプラットフォームにも登録しましょう。ランサーズやクラウドワークスはもちろん、経歴によっては初心者でも、フリーランス向けのマッチングエージェントから仕事を得られる場合もあります。登録と面談だけでも済ませておきましょう。
参照:freee
参照:Money forward
参照:弥生会計
(5)初めから本業にするなら保険・年金の手続きを
日本は国民皆保険制度です。よほどの理由がない限り、国民全員が社会保険や国民健康保険に加入しなければなりません。副業期間を挟まず、会社を辞めてすぐにフリーランスとして独立するなら、健康保険や年金の手続きを済ませましょう。現在、家族の扶養に入っている人や学生は、家族と相談して個人で健康保険や年金に加入した方がよいか話し合うことが重要です。
フリーランスの多くが国民健康保険組合に加入しています。医療機関での医療費の支払い額に大きな差はありませんが、会社員時代と同じ収入でも厚生年金組合に比べて国民健康保険のほうが支払い額が高くなるケースがほとんどです。家族が扶養になれないなどのデメリットもあります。
しかし、近年フリーランスの組合やコミュニティが運営する社会保険に加入できるなどのサービスが増えてきました。それぞれのサービスに会員費や年収などの加入条件があるため、気になる人は調べてみるとよいでしょう。
また、以前はフリーランス人材は雇用保険に加入できなかったのですが、令和3年9月より、労働災害に対する特別加入が認められるようになりました。労働中の事故やケガに対しては、会社員や公務員などと同じく、保障が受けられるようになったのです。特に、ケガの心配がない職種でも仕事で移動中の事故などに備えて加入しておくのが得策でしょう。
活躍中のフリーランスも初めは初心者
フリーランスは、特殊な技術を持った人にしか選べない働き方だと思われがちですが、実際は、「資格なし・スキルなし・初心者OK」という案件で実績を積み、現在大きな案件で活躍している人もいます。
現在活躍するフリーランスも初心者だったのです。まずは踏み出すことが大切です。本記事の内容を参考にフリーランスデビューに向けて準備を始めましょう。
(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)