フルスタックエンジニアとは?やめとけと言われる理由や役立つ資格を紹介
最終更新日:2024/12/27
作成日:2024/12/27
・「フルスタックエンジニアとはどういった職種なのかな」
・「フルスタックエンジニアについて詳しく知りたい」
このように考えていませんか?
フルスタックエンジニアの概要を把握して、エンジニア職の選択肢を増やせば、新しいキャリアが開けるかもしれません
本記事では、以下の項目を順に解説します。
- ・フルスタックエンジニアの仕事内容や年収を理解
- ・フルスタックエンジニアのメリットデメリット両方を把握
- ・フルスタックエンジニアの資格やキャリアパスを把握
フルスタックエンジニアに少しでも興味がある方や、キャリアのイメージを掴みたい方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
■フルスタックエンジニアとは
フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアの年収相場
■フルスタックエンジニアに就くメリット
市場価値が向上する
マルチタスク能力が身に付く
キャリアアップの道が開きやすい
■フルスタックエンジニアがやめとけ・いらないと言われる理由
器用貧乏になり専門性に欠ける
フルスタックエンジニアが不要なプロジェクトがある
■フルスタックエンジニアに役立つ資格
応用情報技術者試験
システムアーキテクト試験
プロジェクトマネージャー試験
■フルスタックエンジニアのキャリアパス
アーキテクト
マネージャー
フリーランス
フルスタックエンジニアとは
フルスタックエンジニアとは、ITシステム開発において複数の技術に精通しており、一気通貫で開発や運用ができるエンジニアを指しています。
具体的に持っている技術や知識について明確な定義はありませんが、フロントエンド、バックエンド、インフラなどの全てのポジションを1人で担当できるエンジニアのことを言うのが一般的です。
ここからは、フルスタックエンジニアについてさらに具体的に把握するために、仕事内容と年収について解説します。
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フルスタックエンジニアの仕事内容
まずはフルスタックエンジニアの仕事内容について、以下の4項目から解説します。
- ・フロントエンド開発
- ・バックエンド開発
- ・インフラやサーバーの構築・保守
- ・アプリ開発
フロントエンド開発
フロントエンド開発とは、アプリやWebサイトのユーザーの目に触れる部分を開発することです。主にHTMLやCSS、JavaScriptを用いて、操作しやすいUIを作成したり操作に必要な機能を実装したりします。
フォントやメニュー、グラフィックなどが正常に機能するか確認する作業も重要です。近年はスマートフォンの急激な普及により、より使いやすいUIの提供が求められています。
フロントエンド開発は、Webサイトのデザインから始まります。見た目の良さや必要な機能の搭載について、開発チーム内でブラッシュアップさせながらより良いデザインに整えていきます。
その後、HTML、CSSそしてJavaScriptのコーディングとテストを進めていきます。Webサイトがリリースできる品質になるまで、何度も修正を加えていきます。
バックエンド開発
フロントエンド開発と対照的な役割を担うのが、バックエンド開発です。バックエンド開発とは、Webサイトのユーザーの目に触れない部分、つまりサーバー側のデータ処理などを開発することです。
例えばECサイトで商品を購入する際、ユーザーは個人情報を入力します。その際に入力した個人情報や購入商品を記録し、次に利用する際に呼び出してくれる機能を実装するのがバックエンドの仕事です。
バックエンド開発では、主にJava、Python、Rubyなどのプログラミング言語を用います。
開発時は、一般的にバックエンドとフロントエンドが綿密にコミュニケーションを取る必要がありますが、フルスタックエンジニアが案件に参画すればやり取りの手間が省けます。
フルスタックエンジニア単体だと、クライアントとのコミュニケーションがスムーズに行うことができる点も魅力です。
インフラやサーバーの構築・保守
フルスタックエンジニアは、バックエンド開発の一部とされるインフラ構築・保守も担当することがあります。本来はインフラエンジニアの仕事とされていますが、フルスタックエンジニアの業務範囲が広がっています。システム開発においてクラウドを利用することが増え、インフラ構築が比較的スムーズにできるようになったためです。
フルスタックエンジニアは、サーバーやデータベースの構築・保守の仕事も担当します。データベースの構築は、情報を取り出すスピードの確保や、バックアップの仕組みを整理するために専門知識を要します。
アプリ開発
アプリ開発とは、Webブラウザで利用するアプリや、スマートフォンの端末向けのアプリなどを開発することです。これらのアプリ開発は制作物によって使用するプログラミング言語が異なり、エンジニアが分かれているケースもあります。
Webブラウザで利用するアプリはPHPやRuby、Javaなどを使用します。スマートフォン向けのアプリは、Androidの場合はJavaやKotlin、C#などを使用し、iPhoneのOS「iOS」の場合はSwiftやObjective-Cを使用します。
フルスタックエンジニアの年収相場
フルスタックエンジニアは企業やプロジェクトによって業務内容が大幅に異なるため、年収相場を測るのは困難です。
しかし、業務の範囲は、バックエンドエンジニアやインフラエンジニアなどと共通しています。それぞれのエンジニア職種の年収をまとめました。
- ・フロントエンドエンジニア:402万円
- ・インフラエンジニア:490万円
- ・データベースエンジニア:597万円
- ・アプリエンジニア:518万円
参考:求人ボックス年収ナビ
フルスタックエンジニアは複数のエンジニア職種の役割を担えるスキルを持っているため、上記のエンジニア職種よりも平均年収が高いと考えられます。
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フルスタックエンジニアに就くメリット
ここからは、フルスタックエンジニアに就くメリットとして、以下の3点を解説します。
- ・市場価値が向上する
- ・マルチタスク能力が身に付く
- ・キャリアアップの道が開きやすい
市場価値が向上する
フルスタックエンジニアになれば、エンジニアとしての市場価値が向上します。幅広い技術力があることで、プロジェクト全体を正確に見渡せるのがフルスタックエンジニアの強みです。それゆえに、バックエンドの処理性能とUIの両方に配慮した精度の高いシステム開発が期待でき、年収アップやキャリアアップにつながります。
フルスタックエンジニアが多くの企業で求められているのは、プロジェクトでの開発スピードが向上するためです。通常複数のエンジニアが関わる業務を1人でこなすことができ、引継ぎの時間を省略できます。企業の立場に立つと、知識の幅が広い人材の方が市場価値が高くなる理由が分かります。
マルチタスク能力が身に付く
フルスタックエンジニアとして業務を行うことで、マルチタスク能力が身に付くメリットがあります。フルスタックエンジニアは、バックエンドやフロントエンドなどの領域を同時に担当しなければなりません。複雑な環境構築やコーディングに頭を整理しながら取り組むため、現場での市場価値が向上するでしょう。
特に中小企業やスタートアップ企業では人件費削減のために、分業制にせず幅広い業務を担当できる人材を求めています。フルスタックエンジニアは1人でバックエンド、フロントエンド、サーバーなどの業務をこなせるため、採用に有利に働くでしょう。
キャリアアップの道が開きやすい
フルスタックエンジニアは、キャリアアップの道が開きやすいでしょう。これは、業務の幅が広いため、他のエンジニアよりも経験値が高いためです。
プロジェクトの全体像を見渡すことができ、それぞれの業務のポジションを理解することができるでしょう。将来的に、プロジェクトマネージャーを目指すことも可能です。
フルスタックエンジニアがやめとけ・いらないと言われる理由
フルスタックエンジニアはメリットばかりでなく、「やめとけ」「いらない」という声も耳にします。デメリットがどういった内容なのか、以下の2点から詳しく確認していきましょう。
- ・器用貧乏になり専門性に欠ける
- ・フルスタックエンジニアが不要なプロジェクトがある
器用貧乏になり専門性に欠ける
フルスタックエンジニアは担当領域が広いがゆえに、「器用貧乏になる」という声があります。器用貧乏という言葉には、「1つの領域を極めることができない」といったネガティブな意味が込められています。それゆえにフルスタックエンジニアが得意な領域を作り、面接でアピールすれば高年収・高評価につながる可能性があります。
フルスタックエンジニアが企業で活躍するためには、自分自身の振る舞いが重要となります。器用で何でもこなせるがゆえに「数多くの依頼を受けてしまう」「自分が担当でなくても引き受けてしまう」などの行動によって、本来の業務が疎かになる可能性があるので、気を付けましょう。
フルスタックエンジニアが不要なプロジェクトがある
企業がフルスタックエンジニアを求めていない場合、その時点で採用候補からはじかれてしまいます。
特に大企業は分業制になっているケースが多く、作業環境が明確に構築されていることが一般的です。そういった企業では採用されない可能性があるので、事前に確認してから転職活動を進めましょう。
フルスタックエンジニアに役立つ資格
ここからは、フルスタックエンジニアに役立つ資格を3種類紹介していきます。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格である国家資格です。ITを活用した戦略の立案、システムの要件定義などの知識が身に付き、ユーザーにとって価値の高いシステム構築が可能となります。
合格するには、コンピューターの基礎からデータベース、セキュリティなどの知識が求められます。さらに、プロジェクトマネジメントや経営戦略、法務などの知識も要します。幅広い領域の技術が求められるフルスタックエンジニアにピッタリの資格といえるでしょう。
試験の合格率は令和5年度春期は27.2%、令和6年度春期は23.6%とされていて、決して簡単な試験とは言えません。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、独立行政法人情報処理推進機構が主催する国家資格です。試験の難易度は、4段階のうち最上位であるレベル4に値します。
システムアーキテクト試験に合格すれば、システム開発の上流工程を主導する立場として、的確な分析を行い、ニーズに沿った情報システムのデザインを設計し、システム開発を完成に導くことができます。上流工程を担うエンジニアとしてだけでなく、ビジネスに必要な知識も問われます。
試験の合格率は、令和5年度春期は15.8%、令和6年度春期は15.0%と、難易度は高くなっています。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験も、情報処理推進機構が主催する国家試験です。試験に合格すれば、プロジェクトの環境やチームの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを成功に導くことができるようになります
試験の合格率は、令和5年度春期は13.5%と狭き門となっています。フルスタックエンジニアでの経験を活かして、将来的にプロジェクトマネージャーを目指す方は、ぜひ取得を検討してみてください。
フルスタックエンジニアのキャリアパス
ここからはフルスタックエンジニアのキャリアパスを、以下の3種類から解説します。
- ・アーキテクト
- ・マネージャー
- ・フリーランス
ぜひ今後のキャリアの参考にしてみてください。
アーキテクト
アーキテクトとは、システム開発の上流工程を担うエンジニアで、プログラマーやシステムエンジニアの上級職と言われます。システム企画や要件定義、設計などのプロジェクトの初期段階から中心メンバーとして案件に参加します。
ITストラテジストやプロジェクトマネージャーと綿密に連携し、プロジェクトを構築していく重要な役割を担います。
マネージャー
フルスタックエンジニアのキャリアパスのひとつに、エンジニアリングマネージャーがあげられます。エンジニアリングマネージャーとは、技術職のメンバーを中心に指導や管理を行うポジションです。エンジニアの育成や採用、技術面などに対して指揮を取っていきます。
他には、プロジェクトマネージャーのキャリアパスもあります。プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の管理を行うポジションで、スケジュールやリソース、予算、リスクなどを管理する役割を担います。プロジェクトの幅広い領域を担うフルスタックエンジニアのキャリアパスに適しています。
フリーランス
フルスタックエンジニアが実務経験を積んだ後は、フリーランスとして独立する選択肢があります。一気通貫で業務をこなしてきた経験は、フリーランスになって役立てることができます。
フルスタックエンジニアは1人で幅広い領域を担当できるため、顧客にとってコミュニケーションコストと人件費を減らすことにつながります。
まとめ
フルスタックエンジニアは、フロントエンド、バックエンド、インフラ、サーバーなどの幅広い領域を担当できるエンジニアです。フルスタックエンジニアはプロジェクトの全体像が見渡せたり市場価値が上がったりする魅力がある一方で、器用貧乏と言われることもしばしば。自分の得意な領域を作り、転職や案件の選考でアピールすることが重要です。
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