組織のフェーズに合わせて変化させる、“コミュニケーション”の在り方
オフィスでの『席替え』。席の移動によって得られるものは使い勝手などの物理的な部分だけではありません。コミュニケーションに、大きな変化を与えます。
今週席替えを行なったのですが、今まで営業チームと同じフロアにいた経営企画部が別フロアに移動することになりました。みらいワークスの恵比寿のオフィスは現在3フロアを借りているのですが、フロアが分かれるとコミュニケーションが薄くなったり、なんとなく雰囲気がわからなかったり、全体会議などで皆が移動しようとするとエレベーター渋滞が起きたりするので、無理やり1フロアにまとめるような形で席を決めていました。しかし、やはり人口過密でそろそろ限界という事で、今回のフロアを分ける席移動となりました。
新しい人が入社すると会社の空気が変わったりしますが、同じように席替えも雰囲気を変えることになります。仕事をしていると、自分のチームだけでなく他のさまざまなチームと連携する必要がありますね。興味深いのは、席配置が仕事に与える影響。同じ仕事をしてるはずなのに、席配置によって進め方、進み方が違ったりするのは面白いなと思います。
だからこそ、席替えや席配置は「なんとなく」ではなく、目的を持って、戦略的に行なう必要があります。近い場所に座っているとなんとなく仕事ぶりもわかったりするので、その時々でどのチームの近くに座ろうかな、と考えたりすることもあります。またある2つのチームの連携を強化したい時には、その2チームを同じ島(みらいワークス6Fオフィスは、大きなテーブル4つと小さなテーブルを置いていて、そのひと固まりが島のようになっています)に配置する、といった事もあります。目的はその時によって異なりますが、『目的をもって変化を起こすこと』、それが重要です。またその変化を受け取る側も、その意図を汲み取ったほうがいいですし、時には言葉で聞いてみてもいいかもしれませんね。
私が新卒で入社した外資系コンサルティング・ファームのアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)では、個人の席がありませんでした。当然のようにデスクはないですし、入社した時唯一用意されたのは、社内の送付物が収められるメールボックスのみで、自分用のロッカーもなく共用のものだけ。思わず「これだけ!?」と突っ込みたくなる状況でしたが、コンサルタントは「クライアント先のプロジェクト・ルームに常駐しっぱなしになるから本社に自分のデスクは必要ない」という事情によるものなので、働き始めると実に理にかなっているなと感じました。が、最初はなんだか不思議な感じでしたね。
今ではフリーデスクを導入する会社も増えてきましたが、17年前に既にそれを導入していたという事で、当時は同級生にその話をした時にびっくりされたこともありました。
働き始めた時から固定した席で働くという感覚を持っていないので、今も席替えをすることに対して、まったく抵抗がありません。それもあってか、みらいワークスではチーム構成の変更や、新しいメンバーが入ってくるたびに席替えをしますし、そのたびに私自身も頻繁に席替えをしています。
席替えは移動するのが多少面倒ではありますが、15分もあれば終わることですし、それによっていい変化が生じるのであれば、積極的にやったほうがいいですよね。あとは、席替えが多いとそのたびにデスクを片付ける必要が出てくるので、極端にデスクがごちゃごちゃになることはない(なる前に強制的に片付けるタイミングがやってくる)という副次的作用もあるかもしれません。私自身も整理整頓は苦手だったのですが、おかげさまでデスクをコンパクトに使う習慣が身についてきた気がします。
今は3フロアに拡張しましたが、今のオフィスに移転してきた5年ほど前は、1フロアに執務スペースと会議室が2つあるレイアウトでした。そうなると会議室で話していることは丸聞こえで、今に比べると社内で起きているさまざまなことが自然と共有される状況でしたので、わざわざ情報共有の時間を取らなくてもいいという利点はあったのかもしれません。組織が大きくなってくると、どのように情報共有をするのか、どうコミュニケーションを設計するのかについてしっかり考えることは、会社運営上とても大切になっていきます。
みらいワークスを創業以来、こういった社内のコミュニケーションを活性化させるための在り方について試行錯誤を繰り返してきましたが、私自身が経験に長けているわけではないので、さまざまな工夫を凝らしてきている会社の方に話を聞いたほうが良いな、と感じました。自分自身が経営をして悩むことは、だいたい誰かが既に通ってきた道です。世の中にある良いアイディアを、これからもみらいワークスの進化の為に活かしていきたいと思います。