東証マザーズ上場を経て、これまでを振り返る。そしてみらいへの新たな決意。
皆さまの支えがあってここまで来られたこと。感謝の気持ちと“あの頃”を忘れずに、これからも日本のみらいを元気します!
一週間前の2017年12月19日、みらいワークスは東証マザーズへ上場しました。
これもひとえに、ご登録プロフェッショナルの方々、クライアントの皆様、株主様を中心としたステークホルダーの皆様、そしてみらいワークスのメンバーのおかげです。今回のIPOへのプロセスを経て改めて感じたこと、それは“みらいワークスは想像以上に多くの方々に支えられている”ということでした。
みらいワークスのプラットフォームにご登録いただいている6,000名を超えるプロ人材の方々のバックグラウンドは多種多様です。例えば出身業界を見てみても、外資系コンサルティング会社、金融業界、サービス業、Webサービス、通信、ベンチャー、ヘルスケア、官公庁、製造メーカーなどなど、実に多岐に渡っています。
そして手段は異なりますが、その6,000名の方々の中にも「日本を元気にしよう」という志を持っている“同志”が多くいらっしゃるのです。そのような方々の挑戦を支える社会インフラを我々が創り上げることにより、日本を元気にする。それがみらいワークスのミッションなのです。
10年前、私は「日本を元気に」という志だけを持って起業しました。「日本を元気に」というテーマは決まっていましたが、具体的にどのようにして・・・というHOWの部分は全くありませんでした。それもあり、起業した当初は、一人の独立コンサルタントとしてコンサルティングで資金を得ながらさまざまな業界に入り込んでマーケットを調べたり、新規事業を試してみては失敗する、ということを繰り返していました。
1円で株式会社が設立出来るようになったこと、PC1台あればビジネスが立ち上げられるようになったこと、大企業のリストラ断行など企業が雇用者を守ってくれないという時代になったことなどの環境の変化から、日本の働き方が変化してきたのもこの頃のことです。しかし変化の兆しが見えても、当時は個人として独立している人を支える社会インフラはまだまだ整備されていない状況で、全てを自らの手で何とかしなければならない、そんな時代でした。
また起業した翌年にはリーマンショックが訪れ、最悪の経済状況へ。起業するとはこんなに大変なことなのかと思いながら、仕事もまったくなく時間を持て余すことも多かったので、独立した仲間と昼からカフェに入りびたり、お酒を片手に「何のビジネスやろうかー」なんて話をよくしていました。その頃がとても懐かしく思い出されます。
そのような中でも、営業やネットワーキングなどを地道にすすめることで徐々に仕事の引き合いが増えてきまして、自分がやりきれない仕事については周りで仕事を探している友人に紹介する機会が増えてきました。
そのようなことを繰り返している中で、「ひとりのコンサルタントとしてクライアントから感謝されることも嬉しい。でも、それ以上にまわりの方々に仕事の機会を提供して“ありがとう”と言われることのほうが嬉しいものなのだな」と感じるようになりました。「ありがとう」と言われる仕事は、やっている自分も気持ちよく仕事ができますし、社会的にも意味がある仕事なのではないか? そんなことを自問自答しながらこれを続けていた時、ふとある考えにたどり着いたのです。
ー 日本でフリーランスとして働く人は着々と増えている中、そのための社会インフラが全然整っていない。自分自身も1人のフリーランスだが、その自分をサポートしてくれる社会の仕組みがない。であるならば、自分自身でそのプラットフォームを創るべきでないか ―
そんな思いを描くようになりました。
そして私は、戦略コンサルタントとして仕事をしていたにも関わらず、市場規模や競争優位性といった新規事業の定番アプローチを無視して、自分の感情と、社会的な意義だけでビジネスを立上げ始めたのです。
8年ほど前には、とても印象に残るプロジェクトがありました(プロジェクトと言いながら、提案活動だけで受注できなかったのですが・・・)。
とあるフィンテック系ビジネスについて、アメリカの企業が日本でのビジネス展開についての戦略策定についてのRFPを出しており、それを受注するために独立コンサルタント8名でチームを組んで、米国の会社に対して提案活動を行ないました。振り返ってみてもそこで集まった8人のメンバーは素晴らしい方々ばかりでして、このメンバーでプロジェクトをやったら面白いことになるな、そう感じるようなチームでした。
一方で、自分が個人コンサルタントとして戦っていくならば、こんな人たちと戦うのか、これはかなわないな・・・といった感情も芽生えたのです。
その頃から、「自分より優秀なコンサルタントなんて世の中にいくらでもいる。であれば、むしろこういった方々に機会を提供するほうが、日本を元気にすることに繋がるのでは?」ということを考えるようになりました。またそのRFPの中で使われていた“エコシステム”という言葉を強烈に覚えていて、プロフェッショナル人材が活躍するエコシステムとはどんなものなのだろうか?そのようなことに考えを巡らせる機会も増えていきました。
このようなことがありながらも、手探りで進めていた今のビジネスモデルの原型が着々と形になりビジネスとしての芽が出てきたので、“みらいワークス”を新たに設立し、組織化してビジネス展開するに至りました。
みらいワークス創業当初は、マンションの一階で扉をあけたらいきなりテーブルが置いてあるようなオフィスでした。あの時期からジョインして会社を支えてくれているメンバーには大変感謝していますし、私には見えないところで数えきれないような苦労を掛けさせたのだろうなと思うと、言葉にできない気持ちがわいてきます。ベンチャーを経営していればいろいろなことが起きて当然ではあるのですが、それでも「こんなことまで起きるのか!!」と思わずのけ反ってしまいそうなさまざまな困難を経て、このIPOの日を迎えました。
10年前のまだ芽が出ていない個人プロフェッショナルであった自分自身をサポートしてくれる、そんな社会の仕組みを自らの手で創りたい。振り返ってみると、そんな想いを当時から抱き始めたことが、今も自分を走らせる原動力になっているのかもしれません。
しかし、みらいワークスという社名や我々のビジネスモデルはまだまだ世の中には知られていないのが現状です。また、経済産業省の資料によりますと、日本でフリーランサーとして活動している人は1000万人を越えたそうですが、世間にはまだまだその実態が知られておらず、また不安定であるといったネガティブな印象を持っている人も少なくはありません。このような環境の中、我々は、フリーランスとして活動するプロ人材の方々の働き方を世の中に広めるミッションを担っております。
東証マザーズへの上場は通過点。今まさに「“プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステム”を創造する」というビジョンの実現に向けたスタート地点に立ったつもりで、一人でも多くのプロフェッショナル人材の方々へ挑戦の機会を提供して参る所存です。
会社が益々成長する中、私自身まだまだ未熟者です。自分自身がこれからも経験を積んで学ばなければならぬことも多いと認識しています。この先も周りの方々に支えていただくことも多いとは思いますが、引き続きよろしくお願い致します。
さて、本年の2月にスタートしたこのブログ。年内の更新は今回がラストです。日々の活動を通して感じたことや思いを、ブログという手段で皆さまにお伝えしてまいりました。この空間は、自分の想いを振り返って整理し、次へのヒントを見つける有益な時間になったようにも感じています。お読みいただいたことに感謝申し上げるとともに、来年も引き続きお付き合いくださることを願って、いったん筆をおきます。本年は本当にありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。