ブロックチェーンが世界を変えるかもしれない?
作成日:2017/03/13
世の中を変えるかもしれない技術 ブロックチェーン
一部では「インターネットの誕生に匹敵する革新的技術」と評される「ブロックチェーン技術」。皆さんはどの程度ご存知ですか?
“ブロックチェーン”と聞くと「ビットコインに使われている技術のことだよね?」というくらいの理解の方が多いのではないでしょうか?たしかにブロックチェーン技術はビットコインの流れのもとFinTechの括りの中でしばしば語られることがありますが、決して仮想通貨の技術、ひいては昨今のFinTechと呼ばれる金融システム革新の範疇におさまる技術ではなさそうです。
ある識者は、現在のブロックチェーンの状況を「数十年前のインターネットの状況のようだ」と称しています。インターネットの黎明期には、ベンチャー企業が次々に立ち上がり、当時はインターネットを使ったビジネスを「e-ビジネス」と特別な言い方をしていましたが、今となってみれば、インターネットを無視して良いビジネスなど存在しないと言っていいほどまでに普及し、あらゆる産業に大きな影響を及ぼしました。ブロックチェーンもそれに類する流れを歩むのではないかと一部では言われており、かつてのインターネットがそうであったように、ブロックチェーン技術を用いることで、私たちの経済活動そのものを大きく変える可能性があると考えられています。
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ブロックチェーンとは?
そもそもブロックチェーン技術とは、仮想通貨“ビットコイン”を支える中核技術として、その考案者である「ナカモト・サトシ」氏によって考案され、発表された技術です。
ブロックチェーンの技術の中身そのものに関しての詳しい説明はここでは割愛させていただきますが、簡単に言うならば、いわゆる中央管理サーバーを置かずに信頼性・信憑性のある合意に達するための分散型のコンピューターネットワーク技術のことを指します。セントラルなサーバーを設けずに分散型ネットワークを用いて、ネットワーク参加者で台帳を共有するため、参加者すべてのコンピューターが止まらない限りは、システムダウンすることはないという一つの特徴を備えています。
また、セキュリティという観点では、一般的な中央管理の場合、データが一か所に存在しているためそこへの攻撃を許してしまうとすべてのデータが危険にさらされることになり、そのためのバックアップ体制も含めて、大規模な費用が発生してしまいます。しかし、ブロックチェーンの場合は、すべてのコンピューターで同一の取引台帳を共有・監視し合っているため、特定の人によるシステムのハッキングを防止でき、不正が起きづらく、セキュリティに大きな対策をとらなくてもよい、という特徴もあります。
当初、暗号通貨を流通させる分散データストアとして始まったこのブロックチェーン技術は、その後、世界中からのネットワーク参加者によってアイデアと仕組みが検討されるようになり、現在、これらブロックチェーンの特徴を、仮想通貨流通以外の分野にも応用しようとする試みがさまざまな企業で始まっています。
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ブロックチェーンの活用方法
では、ブロックチェーン技術は仮想通貨の基盤以外にどのような使い方ができるのでしょうか?
ブロックチェーンの仕組みでは、ネットワーク空間において唯一のIDを発行することになります。このIDそのものを用い、①改ざん・不正されにくい、②システムダウンしない、という2つの特徴を活かして、既存の紙で発行されているような各種申請や証明書を無くす仕組みに応用できると言われています。
例えば、住民票の移動に際して提出を求められる転出届などは、今までは一度紙を出力し、それを転居先の自治体に持ち込むことによって登録を行なっていましたが、ブロックチェーンを使えば、IDの提示のみで転出記録の参照が可能になります。
また、「選挙」においては、各投票会場に投票所を設けて、個人の投票権利を確認するための投票用紙を一人一人確認しなければなりませんでしたが、“不正されていない”、“改ざんできない”という前提においては、ブロックチェーン上のIDを用いることでより正確な投票ができる仕組みが作れるかもしれないとも言われています。
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ブロックチェーンに関するコンサルティングファームの動き
また、コンサルティング業界に目を移してみると、アクセンチュアは2016年3月、ブロックチェーン技術の導入支援に特化した専門チームの発足と、ブロックチェーン技術に関する研究開発を行うDigital Asset Holdings社との提携を発表しました。国際的会計コンサルティングファームのKPMGは、2016年9月にブロックチェーン技術を用いた銀行・金融サポートツールの提供を開始したことを発表するとともに、約80人のブロックチェーン担当者をアサインし、今後の注力分野として動いているようです。デロイトトーマツコンサルティングは、2015年12月に設立された「ブロックチェーン研究会」や2016年4月に改組された「日本ブロックチェーン協会」に積極的に参画し、同じく参加メンバーである大手金融機関とブロックチェーン技術の研究を推進するとともに、ブロックチェーン技術の普及に努めています。
更には、2016年5月にPwCコンサルティングがビットコイン決済サービス“coincheck”を開発運営しているレジュプレス株式会社と提携し、ブロックチェーンを活用した企業間送金の実証実験を開始したことを発表するなど、各コンサルティングファームもブロックチェーンの動きには大きく注目していることがうかがえます。
いかがでしたでしょうか?このようにブロックチェーンは、その技術特性である利便性や安全性によって、今までの仕組みを根底から覆し、経済活動そのものを変えていく重要な基盤となる可能性がある技術であり、今後の進展がとても楽しみな技術の一つと言えます。ご興味を持たれた方は一度、調べてみてはいかがでしょうか?
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)