セルフ型アンケートサービスでネットリサーチがサクッとできる!
2017/08/14
自分でアンケート設定と集計ができるセルフ型アンケートサービスとは
フリーのコンサルタントとしてさまざまな案件に関わる中で、「ちょっとした消費者調査をしたい」というケースもありますよね。大手のリサーチ会社に依頼すると、確かに信頼できる専門スタッフが対応してくれるなどのメリットがあります。その一方で結果が出るまでに時間がかかってしまいます。またフリーコンサルタントの方の場合、調査にかかる費用も気になるところですよね。結局時間やコストを考えると使いづらいというケースもあります。
そこで最近注目を集めているのが、従来よりも手軽にアンケート調査ができる「セルフ型アンケートサービス」です。今回はコンサルティング業務にも役立つ、セルフ型アンケートについてメリットなどをご紹介します!
セルフ型アンケートサービスとは名前の通り、アンケートの設問作成から集計まで一連の調査をほとんど自分で行なうネットリサーチサービス。インターネット上でアンケートの設定から回答・集計データの閲覧やダウンロードまでができます。なお自分で行なうと言っても、簡単に操作できるシステムがほとんどです。
例えばアンケート回答画面を作る場合、Web管理画面から聞きたい設問を設定していけばOK。HTMLやプログラミングの知識がない方でも大丈夫です。回答が集まった後もシステムで自動的に集計されますので、おおまかな結果についてはすぐに見ることができます。
☆あわせて読みたい
『フリーランス人材の悩みとは?業務委託の雇用形態とメリットデメリットを解説』
セルフ型アンケートサービスのメリットは「低コスト」と「スピード」
メリット1.低コスト
セルフ型アンケートサービスが人気を集めている理由は、まず一般のアンケート調査と比べて低コストでできる点。従来のアンケートサービスとセルフ型アンケートリサーチサービス、かかるコストはどのくらい違うか見てみましょう。
ネットリサーチ大手のマクロミル社では、両方のサービスを提供しています。そこで2つのサービスでコストを比較してみました。
例)サンプル300人に10問のアンケートを実施した場合
・従来のアンケートサービス「QuickMill」の場合 16万円
・セルフ型アンケートリサーチサービス「Questant」の場合 3万円(※別途利用料が年間29,800円かかります)
セルフ型のほうが、利用料を含めても約10万円安くなります!もちろん回答するモニター集団も違いますし、サポート体制などにも違いがあります。とはいえセルフ型アンケートサービスのほうが断然おトクですね。
メリット2.結果が出るまでが早い
従来のアンケートサービスの場合、まず申し込み後に調査方法や内容について業者と何度かやりとりしてからスタートします。そのため開始までどうしても時間がかかります。さらに、アンケートの回答が集まった後も、業者が集計をまとめるのに時間がかかるケースもあるでしょう。
セルフ型であれば、短い場合1日で結果が出ることも!設問設定も基本的にすべて自分で行ないますので、やりとりをする時間も短縮できます。集計も自動的に行なわれますし、回答状況をリアルタイムでチェックできるものもあります。
セルフ型アンケートシステムには2タイプある
今ではセルフ型アンケートサービスの種類も増えてきました。セルフ型アンケートサービスを選ぶときには、まず大きく2つのタイプに分かれることを知っておきましょう。
A.リサーチ対象を自分で用意するタイプ
外部のモニター集団を必要とせず、自社でモニターを集めるタイプ。回答してくれるユーザー情報をすでに所有している企業・団体向けです。例えば通信会社が契約者に対して満足度などの調査をするときに使います。
B.リサーチ対象も外部に委託するタイプ
回答してくれるユーザーを集めるところから外部に依頼するタイプ。リサーチ会社が集めたモニター集団に調査を行ないます。一般消費者へのリサーチなど、市場調査を行なうときはこちらが向いています。
セルフ型アンケートサービスを選ぶときは、まずどちらのタイプを使うべきか検討しておくとスムーズです。(両方できるものもあります)それぞれのタイプで代表的なものをご紹介します。
無料プランもあって気軽にスタートできる「クエスタント」
リサーチ対象を自分で用意するセルフ型アンケートサービスで現在最も知名度が高いのがネットリサーチ大手のマクロミル社によるセルフ型アンケートサービス「クエスタント」です。
機能は制限されていますが無料プランもあり、気軽に操作性などを試すことができます。有料プランも1回あたりの課金ではなく、月額制または年額制なので、何度もアンケートを実施したい方はおトクではないでしょうか。なお、途中からプランの変更もできるので、状況にあわせてプラン見直しも可能です。
個人でも申し込みはできますのでフリーコンサルタントの方でも利用できます。(請求書払いなど一部のサービスは法人限定となります)クエスタントはアンケートとして使うだけではなく、キャンペーンやセミナーなどの申し込みフォームとしても使えます。さまざまな設問テンプレートが用意されているので、幅広く利用できそうです。
基本的には自社で集めたモニターに対してリサーチするためのサービスですが、オプションとして、提携している外部モニター(GMOリサーチ)の会員へリサーチするプランもあります。普段は自社で集めたモニターに対するリサーチがほとんどで、たまに一般消費者に聞きたいという企業に向いています。
ただし、クエスタントではプランによっては電話サポートがついていないのでご注意ください。まずは無料プランで操作を試してみて、社内で活用できそうかチェックしてみましょう。
リサーチ対象モニターを自分で用意するタイプは、他にもアメリカ発祥の「Survay Monkey」などがあります。SurvayMonkeyは、個人利用も可能ですが、無印良品や全日空などの企業に採用されている話題のセルフ型アンケートサービスです。
☆あわせて読みたい
『【PMOとは】PMとの違い(仕事内容・意味・職種)と向いている人、業務に必要な資格・スキルセットを解説!』
『【フリーコンサル PMO】年収は?必要なスキルや資格は?つまらない?メリット・デメリットも解説』
140万人以上のモニターに調査ができる「ファストアスク」
自社でモニターを集める必要がなく、外部のモニター集団へ調査できるタイプで有名なのが、ジャストシステム社による「ファストアスク」です。ファストアスクはセルフ型でありながら、140万人以上のアクティブモニターに対して調査することができます。調査対象を性別・年齢・子どもの有無など7つの基本属性で絞り込むこともOK。調査目的に近いモニターだけに調査することが可能です。なお、基本属性以外は事前調査(有料)をすれば、絞り込みは可能です。
通常セルフ型アンケートでは、設問の設定はすべて利用者側で行なうのが基本。ところがファストアスクは「設問ロジックに不備がないか?」「質問文がわかりやすいか?」などをスタッフがチェックしてくれるのも、大きな特徴です。
料金は1回あたりの課金で、回答サンプル数と設問数によって変わります。例えば300サンプルで10問のアンケートを実施した場合は、約3万円。利用実績に応じた割引制度もあります。ただしファストアスクは法人向けサービスのため、フリーランスなど個人で申し込むことは現在できません。もし、フリーコンサルタントの方が使う場合、クライアント企業側で申し込みをしてもらう必要がありますので注意しましょう。
セルフ型アンケートサービスは大きく2タイプにわかれますが、どちらも低コストでスピーディーに調査ができるのが大きなメリット。コンサルティングに活用できるデータ収集の効率アップ・コスト削減につながる可能性もあります。
ただし、セルフ型ならではの注意点もあります。設定自体の操作は簡単ですが、そもそもアンケート自体の設計も自分で行なわなければなりません。調査目的に沿った設計ができていないとせっかくリサーチしても結果が使えない、ということになりかねません。
集計についても基本的なデータは自動集計されますが、より詳しく分析したいときは自分で作業を行なう必要があります。多くのセルフ型アンケートサービスでは、元データをダウンロードする機能がありますので、基本的には自分でExcelなどを使って集計します。ただしデータのフォーマットなどがサービスによってそれぞれ違います。慣れるまではちょっと面倒と感じるかもしれません。
設計や分析も含めて自分で行なうことをふまえると、複雑で大掛かりなリサーチよりシンプルな設問で小規模なリサーチに向いていると言えそうです。ぜひこうしたことも事前にチェックしたうえで、セルフ型アンケートサービスを活用してコンサルティングにお役立てください!
※本記事でご紹介した各サービスの名称・価格・サービス内容については、2017年8月時点のものです。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)