無料グループウェアのサイボウズLiveが終了発表!クラウドサービスの今後は?
作成日:2017/11/10
「サイボウズLive」がサービス終了を発表
サイボウズLiveとは、2010年にサービスを開始した無料グループウェア。さまざまな機能を利用できるクラウドサービスです。
無料グループウェアとして高い人気を誇る「サイボウズLive」ですが、残念ながら、2019年4月15日でサービスを終了することが正式に発表されました。プロジェクトの情報共有などに「サイボウズLive」をよく使うというフリーランスの方も多いのではないでしょうか?
<サイボウズLiveの主な機能>
ここで、主な機能についておさらいしましょう。
・掲示板
・ToDo管理
・スケジュール管理
・ファイル共有(1グループにつき1GBまで)
サイボウズLiveは豊富な機能とともに使いやすさも評判が高く、2017年8月には利用者数が200万人を突破しています。フリーランスや複数企業のメンバーが参加するプロジェクトにて、特に利用されるケースが多かったようです。
サイボウズLiveのサービス理由として、運営元であるサイボウズ社では「システムの老朽化によりサービスの継続に追加投資が必要なものの、まずは有料サービスへ投資を集中させるため」と説明しています。サービス終了日の1年以上前にアナウンスが出ることは極めて異例です。利用者数が200万人と膨大なことから、影響の大きさを懸念した判断のようです。
「引き続き無料のサービスを使い続けたい」と考えるフリーランスの方も多いかもしれません。終了するまでまだ時間はありますが、できるだけ早く代替サービスについて情報収集しておきたいところです。
そこでサイボウズLiveの代替候補とともに、知っておきたい無料クラウドサービスの動向やメリットデメリットをまとめました!
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無料クラウドサービスは有料化が進む
実はサイボウズLiveに限らず、無料だったクラウドサービスが有料化する動きは増えてきています。例えば、請求書の作成・発行・送付ができるクラウドサービス「Misoca」(ミソカ)。Misocaはもともと無料プランが標準で、フリーランスや中小企業向けに人気の高いクラウドサービスでした。
ところが2017年5月に料金体系が変更され、有料プランが標準となりました。無料プランも残ってはいますが、機能がかなり限定されています。(Misocaのケースでは、運営企業が株式会社弥生に買収されたということも背景にあるようです)
Webクリッピングなどができる人気のクラウドサービス「Evernote」も、無料プランを大きく見直した事例です。Evernoteは、2016年8月に提供プランを大きく変更しました。変更後も無料プランは残りましたが、同時に利用できる端末が2台までに制限されました。(変更前は制限なし)これは実質有料化とも言われており、無料プランユーザーの中には他の無料サービスに乗り換えた方もいたようです。
クラウドサービス全体に「ライトユーザーを無料プランで取り込み、上位の有料プランで収益を上げる」という従来のビジネスモデルから脱却する動きが進んでいるようです。
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サイボウズLiveから乗り換えるには?
サイボウズLiveの終了発表にて、サイボウズ社は以下のように今後の方針を明記しています。
・データをCSVなどの形式でエクスポートできるツールを提供予定。
・サイボウズの有料版(例えば「サイボウズOffice」)の優待は検討中。
・サイボウズの有料版への移行ツールの提供予定はなし。
終了まで時間があるためかもしれませんが、有料版への移行について具体的なことは2017年11月時点ではまだ発表していません。
一方、他社のグループウェアはサイボウズLive終了発表後、すでに乗り換え検討ユーザー向けに情報発信しているところもあります。約200万人というサイボウズLive利用者を自社のユーザーに取り込めるチャンスととらえ、積極的にサポートする方針のようです。
サポートを表明している代替候補となる2つのサービスをご紹介します。
(1)Chatwork
ビジネスチャットとして人気の高いチャットワーク。無料プランも用意されており、5GBまでストレージ容量を利用できます(ただし広告が表示されるなどの制約もあります)。「ビジネスが加速するクラウド会議室」というキャッチコピーの通り、掲示板のように参加者同士でメッセージがやりとりできるチャット機能が充実しています。
ほかにも、タスク管理やファイル共有機能なども、無料プランで利用できます。ただしチャットワークはあくまでビジネスチャットがメインなので、スケジュール管理機能はなく、サイボウズLiveと比べるとプロジェクト管理機能はやや弱い印象です。とはいえサイボウズLive終了後もやはり無料のグループウェアを使いたい、という方にとっては検討したいサービスではないでしょうか。チャットワーク側も、すでにサイボウズLiveユーザーへデータのインポートができる移行ツールの提供予定を発表しています。
なお無料グループウェアとしては他に「aipo」などもありますが、サイボウズLiveへの対応は2017年10月時点ではまだ表明していません。
(2)Backlog
プロジェクト管理ツールとして評判も急上昇のグループウェアが「Backlog」です。コンサルタントの方の中には、既に使ったことのある方も多いかもしれません。社内外のメンバーでプロジェクト管理する用途に特化しているので、ファイル共有やタスク管理のほか、ガントチャートでプロジェクトの進捗状況を可視化する機能などもそろっています。
Backlogも、いち早くサイボウズLiveのデータインポートツールの開発提供を表明しています。ただしBacklogは無料お試し期間はあるものの、基本的には有料プランが標準(月額2,000円~)。「有料でもいいからプロジェクトに管理に特化したグループウェアを検討したい」という方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
無料ツールのメリットデメリットを知っておく
サイボウズLiveはやはり「無料で使える」という点が評判でした。ただし無料サービスには、もちろんメリットだけではなくデメリットもあります。今後代替えのグループウェアを検討する中で、あらためて無料グループウェアのメリットとデメリットを認識しておきましょう。
・無料グループウェアのメリット
予算を気にせず開設できるので、気軽に利用できるのが大きなメリット。フリーランスの強い味方と言えます。小規模なプロジェクトでも気軽に開設できますし、プロジェクトが正式に始まる前の段階の情報共有ツールとして利用できます。無料であれば、プロジェクトのメンバーや目的によって有料サービスと組み合わせることもできます。サイボウズLiveでも、例えば「掲示板だけ使う」「ファイル共有機能だけ使う」という使い方をするケースもあったようです。
・無料グループウェアのデメリット
最も気になるのが、サービスの安定性。例えば急なシステムトラブルやサーバーの不具合により、サービスが利用できない期間があっても無料サービスですので原則として補償はありません。致命的なタイミングでたまたまこうしたトラブルが起こってしまうと、プロジェクトの進行に大きな影響が出る可能性もあります。また、データが消えてしまうリスクもあります。有料サービスでは数日間分のデータのバックアップを自動で取るサービスもありますが、無料のグループウェアではこうした措置はありません。
セキュリティも気にしておきたい問題。大手企業などは情報漏洩などのリスクに備えて、無料クラウドサービスの利用を禁止しているところもあります。プロジェクトメンバーにこうした企業の方がいれば、必然的に無料サービスは使えなくなります。
サイボウズLiveの終了に伴い、代替えサービスの検討は早めに検討したいところ。サイボウズLive終了後も、引き続き無料クラウドサービスに乗り換えたいと思うフリーランスの方も多いと思います。とはいえ、無料サービスもご紹介したようにメリットだけではなく、安定性やセキュリティなどのデメリットがあります。
サイボウズLiveに限らず、「Evernote」や「Misoca」など有料化を進めるクラウドサービスも増えている状況です。この動きは今後も進むことが予想され、無料のクラウドサービスだけに依存するのはややリスクがあると言えます。
代替えグループウェアとしては、サイボウズLiveからのデータ移行ツールを提供予定のChatwork(無料・有料)やBacklog(有料)などが有力な候補。ただし、検討するときは無料プランだけにこだわらず、機能やセキュリティなども踏まえた上で有料プランも含めて検討していきましょう!
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)
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