不動産投資「REIT」がフリーランス向きな理由とは

作成日:2018/06/11

 

フリーランスは不動産投資に向いている?

不動産投資の新しい形「REIT」がフリーランス向きな理由とは_1

 

フリーランスは、会社員と違いまとまった退職金はありませんし、年金も基本的には国民年金のみ。そのため20代・30代のうちから、将来のために資産運用を考えている方も多いのではないでしょうか。今は銀行の定期預金も超低金利という時代。そこでアパートやマンションを購入して家賃収入を得る不動産投資が人気を集めています。安定した家賃収入が得られるという点が、大きなポイントのようです。

 

一方でフリーランスの場合、不動産投資ローンを組みづらいという課題もあるようです。また不動産投資には、どうしてもまとまった資金が必要となる反面、事業資金としてできるだけ現金を手元に置いておきたいという事情もフリーランスにはあるでしょう。

 

ところが今では新しい不動産投資のスタイルもあります。現在、注目されているのがREIT(リート)フリーランスの方にとっても、REITにはメリットがたくさんあるのです!

☆あわせて読みたい

『フリーランス人材の悩みとは?業務委託の雇用形態とメリットデメリットを解説』

『【フリーランス入門ガイド】定義や個人事業主との違いとは?増えすぎた理由は?おすすめの仕事や獲得方法とは? 』

『フリーコンサルタントは副業でも稼げる?単価・種類・注意点を解説!』

 

 

REITとは、不動産投資信託のこと

不動産投資の新しい形「REIT」がフリーランス向きな理由とは_2

 

REIT(リート)とは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の頭文字をとったもの。REITでは専門の投資法人が投資家から資金を集め、ビルやマンションなどの不動産を運用するもの。その賃貸収入の利益から、分配金を投資家へ還元します。

 

日本では、2001年の法改正により市場が開設されました。日本版REITは、J-REIT(ジェイリート)と呼ばれています。株式と同じように証券取引所に上場しているので、株券と同じように証券会社経由で売買できます。

■一般的な不動産投資とREITの違い

REITでは投資家から集めた資金をもとに複数の不動産を購入し、賃貸物件として運用します。中にはオフィスビルや住宅など、タイプの違う不動産を組み合わせているREITもあります。そのため1つの不動産を運用するよりも、リスクが分散されるというメリットがあります。

 

また、REITでは、不動産のプロフェッショナルが所有する不動産の運用・管理をすべて行ないます。投資家は、資金を提供するのみでOK。一般的な不動産投資では建物のリフォームやメンテナンス、入居者募集などの業務が発生しますが、こうした業務は一切不要です。

 

最近では個人投資家を増やしたいREITも多く、10万円程度で購入できるところも増えています。一般的な不動産投資と比べて少額から始められるというのもメリットのひとつ。株式と同じように売買ができるため、すぐに現金化できるというのも一般的な不動産投資に比べて運用しやすい点です。

 

また、一般的な不動産投資では、確定申告にて減価償却費の計算などの手間がかかります。フリーランスとしては事業用の確定申告だけでも手間がかかるので、さらに不動産投資で確定申告の手間がかかるのは困りますよね。でもREITを取引する証券口座を「源泉徴収あり・特定口座」にしておけば、毎年の確定申告は原則として不要です。こうした点もフリーランス向きと言えるのではないでしょうか?

■株式投資と比べて、配当金(REITでは分配金)が高い傾向

REIT投資法人には、法律により税制面の優遇があります。利益の90%以上を配当として投資家に還元するなどの条件にあてはまれば、法人税がかかりません。そのため、REITは一般的な上場企業の配当よりも高いという傾向があります。なお、REITでは配当金のことを分配金と呼びます。

 

例えば j-reit.jpサイトの「マーケット概況」によると、2018年4月時点のJ-REIT平均分配金利回りは4.06%(※銘柄によって異なります)。同時期で東証1部の株式では、配当利回りが1.48%J-REITの平均利回りが高いことがわかります。

 

REITは不動産という資産があるため、分配金の大きな変動が少ないという特徴もあります。この点も、フリーランスとしては安心できる点だと思われます。

 

 

REITにはさまざまな種類がある

不動産投資の新しい形「REIT」がフリーランス向きな理由とは_3

 

現在日本の市場で購入できるJ-REITは約50銘柄。大きく分けて一つのジャンルに特化した特化型と、複数ジャンルの不動産を扱う複合型に分かれます。

 

特化型は、オフィスビルや住宅に特化したREITが主流ですが、商業施設や物流施設に特化したタイプのREITも。最近ではホテル特化型もあり、例えばさまざまなリゾート施設を手掛ける星野リゾートのREITは2013年に上場しました。

 

複数のジャンルの不動産を組み合わせた複合型REITは、よりリスクが分散されるというのが大きなメリット。例えば、オフィスビルは賃貸収入は高いのですが、テナントの入れ替わりが多いというリスクがあります。一方住宅は入居者が長期契約となるケースは多いものの、オフィスビルよりは賃貸収入が低い傾向があります。

 

複合型のREITは、さまざまな不動産を運用することで安定した収益を目指しています。REITをはじめるときはまずそれぞれの投資法人がどんな不動産を扱っているかチェックしておきましょう!

 

 

フリーランスがREITで不動産投資をはじめるコツとは

不動産投資の新しい形「REIT」がフリーランス向きな理由とは_4

 

一般的な不動産投資と比べてさまざまなメリットがあるREIT。ただしあくまで投資ですので、もちろんリスクもあります。フリーランスの方がいきなり多額の資金をREITに投資すると、事業に影響が及ぶ可能性がありますので要注意。まずは無理のない範囲で、少額から始めて様子を見るのがよいでしょう。

 

あわせてREITで不動産投資をする際に知っておきたいコツを3つご紹介します。

(1)REIT銘柄を選ぶときのポイント

またREITにはご紹介したように日本国内だけでも約50銘柄あり、今後、新しい投資法人が上場することも予想されます。REITを選ぶ際にはどんな不動産を扱っているかをチェックするほかにも、投資口価格利回りはおさえておきたいところ。あわせて信用度も重要。どんなスポンサー企業がついているか、信用格付けランクなども確認しながら比較しましょう!

(2)NISAもうまく活用すれば分配金が非課税に

2014年から始まった「NISA(ニーサ)」は、株や投資信託の運用益・配当金を一定の条件にあてはまれば非課税になるという制度。REITも株式と同じくNISA口座で運用すれば、分配金を非課税にすることも可能です。

(3)REITのデメリットも知っておく

さまざまなメリットがあるREITですが、デメリットも知っておきましょう。基本的には株式と同じように価格が日々変動しますので、購入したときの価格を下回るリスクは知っておきましょう。また、日銀の金融政策による影響を受けやすいという問題もあります。現在J-REIT市場をけん引しているのは、日銀です。

 

日銀では金融緩和政策の一環としてREITを買い入れしており、現在日本のREIT相場は比較的安定している(大きな値崩れがしにくい)と言われています。

 

ただし日銀の政策がいつまで続くかはわかりません。日銀の大きな方向転換により、REIT市場に大きな変動がある可能性も。すべての投資資金をREITにつぎ込むのではなく、他の投資も組み合わせていく必要がありそうです。

 

 

 

不動産投資というと従来はマンションやアパートを購入し、家賃収入を目指すというのが主流でした。こうした不動産投資も引き続き人気はありますが、資金が必要ですし、建物の維持費が意外と高かったり、家賃が思った以上に下落してしまったりという問題もあります。

 

一方で、投資法人を通じて不動産投資ができるREITなら「10万円台から始められる」「建物管理などの業務が不要」「すぐに現金化できる」など、フリーランスの方にとってさまざまなメリットがあります。資産運用のひとつとして、REITについてまずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか?

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

コンサル登録遷移バナー

 

◇こちらの記事もオススメです◇

「2018年1月からスタート! 新制度「つみたてNISA」とは