医療系経営コンサルタントの仕事内容と社会的役割
最終更新日:2024/07/26
作成日:2022/05/13
病院や介護施設、福祉施設のコンサルティングを主に扱う経営コンサルタントを「医療系経営コンサルタント」と呼びます。病院や介護施設、福祉施設なども、事業である以上、赤字経営では病院も介護施設も福祉施設も潰れかねません。そうなれば大勢の人が医療・福祉難民となるため、医療系経営コンサルタントは大きな社会的役割も担っています。医療系経営コンサルタントについて詳しくご紹介しましょう。
目次
■一般的なコンサルと医療系経営コンサルの違い
(1)医療系経営コンサルタントとは?
(2)開業や運営のためのアドバイスを行なう
■医療系経営コンサルタントの主な仕事内容
(1)職員の採用と育成
(2)PEST分析を使用した経営環境分析
(3)3C分析をした経営環境分析
(4)財務診断
(5)業務プロセスの改善
(6)患者満足度の向上策
(7)ITツールやDX施策の導入
■医療経営コンサルタントのやりがい
(1)医療現場の改善に貢献できる
(2)多様なスキルを活かせる
(3)社会貢献度の高さ
(4)多くの人々と協力して成果を上げる喜び
■医療系経営コンサルタントに向いている人、向いていない人
(1)根気強さ
(2)勉強への熱心さ
(3)コミュニケーション能力の高さ
(4)柔軟な思考性
(5)プレッシャーへの強さ
(6)変化を嫌う人は向いていない
■ 医療系経営コンサルタントになるために必要な資格やスキルとは
(1)医業経営コンサルタント
(2)情報化認定コンサルタント
(3)医療経営士
■まとめ
一般的なコンサルと医療系経営コンサルの違い
(1)医療系経営コンサルタントとは?
医療系経営コンサルタントは、主に病院や医療法人の経営に対するコンサルティングを行ない、経営課題を解決して健全経営を目指します。「病院の経営」と聞いて違和感を感じる人もいるかもしれませんが、経営状態が悪化してしまっている病院や介護施設、福祉施設はけっして少なくありません。
一般企業とは違い、病院や介護施設、福祉施設にはいわゆる経営のプロがいないこともしばしば。そのため外部へ経営に関する助言を求めることも多いのです。
助言を求められるのは、主に「医業経営コンサルタント」。もしくは、医療系に精通した医療系経営コンサルタントです。ちなみに、「医業経営コンサルタント」は協会から認定された資格保有者のみ名乗れるものですが、「医療系経営コンサルタント」を名乗るための規定は特にありません。医業経営コンサルタントの資格に関しては後述します。
さて、保険制度が適用されるため、医療系の施設を「事業」と捉えない人も多いのですが、公的なものを除く病院や介護や福祉施設のほとんどはビジネスです。そのため、経営が悪化すれば施設をたたむ必要もあります。この点は一般的なビジネスと何ら違いがありません。
(2)開業や運営のためのアドバイスを行なう
医療系の仕事も、利益を出すという点では一般的な事業と変わりありません。開業や運営の方法に悩みを抱くという点も同様でしょう。
・開業資金が足りない
・コストを削減させたい
・集客を伸ばしたい
一般企業の悩みのようですが、これらの悩みは医療系施設にも存在しています。
支援がなければ開業できない施設も少なくありません。だから、開業支援を求めている施設に支援の求め方をアドバイスしたり、開業後の運営をアドバイスしたりします。福祉施設や介護施設にもまったく同じことが言えるでしょう。
特に福祉施設や介護施設では支援を求めているところも多く、また人手不足という別の大きな問題も抱えています。コンサルタントが人材確保のためにプロジェクトを展開することもあるでしょう。
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医療系経営コンサルタントの主な仕事内容
(1)職員の採用と育成
介護施設や福祉施設では、社会的な問題にもなっているように慢性的な人員不足に悩まされているところも少なくありません。また、人員不足から現存する職員に無理な働き方を強いてしまい、新たな人離れのきっかけを生み出してしまうこともあるようです。人材不足による業務のひっ迫がこのような悪循環を起こしてしまうのです。
人員不足を解消し、人を定着させるのも医療系経営コンサルタントの主な仕事内容の1つ。たとえば、いくら求人をしても人が集まらないのであれば、求人募集の方法を再度検討したり、人が定着しないのであれば、人事労務管理の観点から職員の待遇や働き方を見直すなどの措置を施します。
他の業種以上に人の定着が重要な業種なので、人事労務管理はとても重要。病院、介護、福祉、どの医療系施設であっても人材こそが施設の最大の財産です。「職員の質」が「施設の質」に直結しやすい業界なので、より心地よく感じてもらえるサービスを提供するためにコンサルタントが職員の研修を行なうこともあるようです。
人手不足が深刻化している医療、介護現場だと、身体への負担が大きくなりすぎてしまい、業界自体を変え、別業種に転職する人もたくさんいます。慢性的な人手不足を解消するのは、なかなか困難と言わざるをえません。働く人たちの努力に頼りながら、課題解決の道を模索するというのが現実的な運営方法のようです。
(2)PEST分析を使用した経営環境分析
他業種のコンサルティングと同じように経営環境分析は重要視されます。たとえば、外部環境分析で使用される有名な「PEST分析」を例にすると、医療系コンサルタントはP、E、S、Tのすべてを重視しなければなりません。
経営環境分析におけるPとは政治的環境要因、法律が変われば医療の現場は大きく変わります。経営環境分析におけるEとは経済的環境要因、医療方法や治療方法も多様化が求められるでしょう。経営環境分析のSの部分は社会的環境要因、高齢化や外国人労働者の増加によって医療現場は大きな影響を受けます。最後に経営環境分析のTである技術的環境要因、医療系移設も最先端の技術が求められることが少なくありません。
このように経営環境分析を駆使して、何をどう変えていくべきなのかをアドバイスするのも医療系経営コンサルタントの大きな仕事の1つです。
(3)3C分析をした経営環境分析
経営環境分析の方法はもちろんPEST分析だけではありません。3C分析で経営環境分析を行い、医療系施設の改革を実施することもあります。
ちなみに「3C分析」とはCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取ったもの。
・顧客のニーズがどこにあるのか
・競合施設との差は何なのか
・自分達の立ち位置はどのようになっているのか
このような経営環境分析を行なうことで、改革するべき箇所が明確に見えてくることもあります。
経営環境分析をする際に、どのような分析方法をするのかは、担当するコンサルタントによってケースバイケース。ここではわかりやすいようにPEST分析と3C分析を取り上げましたが、他の角度から経営環境分析をするコンサルタントももちろん大勢います。
(4)財務診断
医療、介護、福祉、どの施設も事業であることに変わりありません。そのため、財務診断が必要なケースも多いのです。
財務診断とは、クライアントにあたる施設を収益性、安全性、生産性、成長性の4つの角度から診断していくもの。財務診断ではなく、財務分析と呼ばれることもあります。一般企業のコンサルティングでよく使われる手法ですが、医療系施設にも財務診断はマスト。財務診断から改革するべき箇所が見えてくることも少なくありません。
(5)業務プロセスの改善
医療機関や介護施設の業務プロセスを改善することも、医療系経営コンサルタントが求められる重要な役割です。効率的な業務運営は、医療の質を向上させるだけでなく、職員の負担軽減にも繋がります。
医療現場では、患者の診察、治療、リハビリテーション、薬剤の管理、看護、そして事務作業など、多岐にわたる業務が日々行われています。これらの業務が効率的に行われないと、職員に過度な負担がかかり、ひいては患者へのサービスの質が低下してしまう恐れがあります。
コンサルタントは、現状の業務フローを詳細に分析し、ボトルネックとなっている部分を特定します。その上で、業務の手順を見直し、自動化やデジタル化の導入を提案することがあります。例えば、電子カルテの導入や、患者予約システムの最適化、在庫管理の効率化などが考えられます。
業務プロセスの改善により、職員が本来の業務に集中できる環境を整え、医療サービスの質向上を図ることが医療系経営コンサルタントの重要な役割です。
(6)患者満足度の向上策
患者満足度の向上は、医療施設の評判や経営に直結する重要な要素です。医療系経営コンサルタントは、患者満足度を高めるための具体的な施策を提案し、実行支援を行います。
まず、患者の意見を収集するためのアンケート調査を実施し、その結果を分析します。どの部分で患者が不満を感じているのか、どのサービスが高く評価されているのかを把握することが重要です。このデータに基づいて、改善点を特定し、具体的なアクションプランを立案します。
例えば、待ち時間の短縮や、診療・看護の質向上、施設内の清潔さの維持、職員の接遇態度の改善などが挙げられます。また、患者に対する情報提供の充実や、個別対応の強化も重要です。患者が安心して医療サービスを受けられる環境を整えることができます。
患者満足度を向上させることは、リピーターの増加や口コミによる新規患者の獲得につながり、施設全体の成長に寄与します。
(7)ITツールやDX施策の導入
現代の医療現場では、ITツールやデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が不可欠です。医療系経営コンサルタントは、これらの最新技術を活用し、業務の効率化と質の向上を図るための施策を提案し、実行支援を行います。
まず、現場のニーズを把握し、最適なITツールやシステムを選定します。例えば、電子カルテシステム、患者管理システム、在庫管理システム、遠隔診療ツールなどが考えられます。これらのシステムを導入することで、業務の効率化と情報の一元管理が可能となり、医療サービスの質が向上します。
さらに、DX施策として、データ分析を活用した医療サービスの最適化や、AIを用いた診断支援システムの導入など、先端技術を積極的に取り入れます。診療の精度が向上し、患者への対応が迅速化されるだけでなく、職員の負担軽減にもつながります。
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医療経営コンサルタントのやりがい
(1)医療現場の改善に貢献できる
医療系経営コンサルタントとしてのやりがいの一つは、医療現場の改善に直接貢献できることです。医療施設や介護施設の経営や業務プロセスの課題を解決し、効率化や質の向上を図ることで、患者や利用者により良いサービスを提供できるようになります。
具体的には、診療の待ち時間を短縮したり、患者への対応を改善したりすることで、患者満足度を高めることができます。また、職員の働きやすい環境を整えることで、離職率の低下や職員のモチベーション向上にも繋がります。こうした成果を目にすることで、コンサルタント自身も大きな達成感を得ることができます。
(2)多様なスキルを活かせる
医療系経営コンサルタントの仕事は、多岐にわたるスキルを活かすことができる点でもやりがいがあります。経営戦略の立案や財務分析、人事労務管理、ITツールの導入支援など、幅広い分野での知識と経験が求められます。
特に、医療業界特有の知識やスキルが必要となるため、常に学び続ける姿勢が重要です。新しい知識や技術を取り入れ、それを実際の業務に応用することで、自身のスキルを磨き続けることができます。このように、成長し続けることができる環境で働くことは、大きなやりがいとなるでしょう。
(3)社会貢献度の高さ
医療系経営コンサルタントの仕事は、社会的な意義が非常に高いです。医療や介護の現場は、社会全体の健康と福祉を支える重要な役割を担っています。コンサルタントとして、これらの現場の運営を支援することで、地域社会全体の医療サービスの向上に貢献できます。
特に、高齢化社会が進む現代において、医療や介護のニーズはますます高まっています。こうした背景の中で、医療系経営コンサルタントとしての役割はますます重要となり、自身の仕事が社会に与える影響を実感することができるでしょう。
(4)多くの人々と協力して成果を上げる喜び
医療系経営コンサルタントは、多くの関係者と協力してプロジェクトを進めます。医療機関の経営者やスタッフ、行政機関、他の専門家など、さまざまな人々と連携しながら、共通の目標に向かって取り組むことが求められます。
このような環境で働くことで、チームワークの重要性を実感し、多くの人々と協力して成果を上げる喜びを味わうことができます。プロジェクトが成功したときの達成感や、共に働いた仲間との絆は、医療系経営コンサルタントとしての大きなやりがいとなるでしょう。
医療系経営コンサルタントに向いている人、向いていない人
(1)根気強さ
医療系経営コンサルタントの仕事は、結果が出るまでに時間がかかることが多く、根気強さや忍耐強さが求められます。すぐに一定の結果が出るのは開業支援くらいのもの。他の分野のコンサルティングでは中長期に渡ったコンサルティング業務を担当します。そのため、1人のコンサルタントが複数のクライアントを掛け持ちするケースも多いようです。
(2)勉強への熱心さ
医療系経営コンサルタントの仕事では、普通に日常を送っている分にはあまり耳にしない「専門用語」を頻繁に耳にするようになります。コンサルティングを行なうのであれば、当然のことですが専門用語の理解は必須です。
クライアントとの信頼関係構築のためにも、知らない言葉を理解しておく努力は怠らないようにしたいものです。どのような改革を行なうのであっても、医療現場における知識や情報は最低限必要です。勉強熱心でなければ務まらない職業と言えるでしょう。
クライアントから信頼を寄せられるために有効なことのひとつに、やはり資格の取得によって第三者から「医療系経営のための知識がある」と認定されることでしょう。次の項目で、医療系経営コンサルタントになるために必要な資格について詳しく紹介します。
(3)コミュニケーション能力の高さ
医療系経営コンサルタントの仕事では、多くの関係者と連携を取りながらプロジェクトを進めていく必要があります。そのため、医療現場の職員、経営陣、行政関係者など、さまざまな立場の人々と円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。
コンサルタントは、クライアントの問題点を正確に把握し、それに対する解決策を提案する役割を担っています。その実現のためには、相手の話をしっかりと聞き、的確な質問をする能力が不可欠です。また、提案内容をわかりやすく説明し、クライアントが納得できるように説得する力も必要です。
特に、医療現場では専門的な知識や用語が多いため、これらを正確に理解し、適切に伝える能力が欠かせません。コミュニケーション能力が高い人は、信頼関係を築きやすく、クライアントからの信頼を得やすいでしょう。
(4)柔軟な思考性
医療系経営コンサルタントの仕事では、予期せぬ問題や変化に柔軟に対応する能力が求められます。医療現場は日々変化しており、常に最新の情報や技術が導入されています。そのため、固定観念にとらわれず、柔軟な思考で対応することが重要です。
また、クライアントごとに異なる課題や状況に対応するため、幅広い視野と多角的なアプローチが求められます。新しいアイデアや解決策を積極的に提案し、変化に対応できる人は、医療系経営コンサルタントに向いていると言えるでしょう。
(5)プレッシャーへの強さ
医療系経営コンサルタントの仕事は、クライアントの経営改善や業務効率化を支援する重要な役割を担っています。そのため、常に高いプレッシャーがかかることが少なくありません。プレッシャーに強く、冷静に状況を判断し、適切な対応ができる人は、この職業に向いているでしょう。
特に、緊急性の高い課題や重大な経営問題に直面することもあります。その際、冷静に対処し、的確なアドバイスを提供できる能力が求められます。プレッシャーを前向きなエネルギーに変えて、クライアントの期待に応えられる人は、医療系経営コンサルタントとして成功しやすいでしょう。
(6)変化を嫌う人は向いていない
医療系経営コンサルタントの仕事は、日々の業務がルーチンワークにとどまらず、常に新しい課題や変化に対応することが求められます。そのため、変化を嫌い、固定的な業務に慣れ親しんだ人には向いていないかもしれません。
新しい技術の導入や、法律の改正、社会的な変化に柔軟に対応し、適切な対策を講じることが重要です。変化に対して前向きに取り組み、常に新しい知識を吸収しようとする姿勢が求められます。
医療系経営コンサルタントになるために必要な資格やスキルとは
(1)医業経営コンサルタント
当コラムの前半部分で少し触れましたが、医業経営コンサルタントという資格があります。医業経営コンサルタントの資格は、公益社団法人日本経営コンサルタント協会が発行している資格で、取得するためには講座を受講して2回の試験をパスする必要があります。資格を認定された後も継続研修を受ける義務があり、取得を検討するのであれば、準備も取得後の見通しも立てた上で挑むべきでしょう。
医業経営コンサルタントの資格を得るために必要な講座には50,000円、一次試験に10,000円、二次試験に15,000円の費用がそれぞれ必要です。2つの試験は一次試験が年に1回、二次試験が年に2回とあまり頻繁には開催されていません。合格率は共に70%前後と他の資格に比べれば高めですが、やはり資格を取得するためには努力と時間、そしてお金も必要です。その分、医業経営コンサルタントの資格は、医療施設からの信頼を得るための大きな支えとなるでしょう。
医療系経営のコンサルティングの仕事を請け負うためには、医業経営コンサルタントの資格取得はやはり検討すべきなのではないでしょうか。
なお、医業経営コンサルタントの資格を取得すると公益社団法人日本経営コンサルタント協会から認定登録をされます。認定登録をされた人は、公益社団法人日本経営コンサルタント協会のHPに都道府県別に名前を載せてもらえます。登録されている人数はけっして多くはありませんから、認定登録をされてHPに自分の名前を載せてもらえれば、仕事を得るチャンスを広げることになります。
2019年2月現在、認定登録されている資格所得者の人数は東京都こそ約470人ですが、人口の多い神奈川県や北海道でも50人から70人程度。20人程度しか登録されていない都道府県も多くあります。競合が少ないのがよくわかります。なお、認定登録されるためには登録料に80,000円、1年間継続する毎に120,000円の費用が発生するため、それなりに大きなランニングコストが発生する資格だということも覚えておきたいポイントです。
(2)情報化認定コンサルタント
情報化認定コンサルタントとは資格の名前であり、医業経営コンサルタントの資格を保有するものだけが受験資格を与えられるものです。医業経営コンサルタントの資格と同じように公益社団法人日本経営コンサルタント協会が発行しています。主に医療機関の経営に有効な情報化を学ぶため、より現代的なコンサルティング方法を取得しているコンサルタントとして協会から認定されます。
医療現場や福祉や介護の施設を、情報化社会と密接な繋がりがあるとは考えにくいかもしれません。しかし、どの業界も日進月歩。やはり情報社会に対応する必要はあります。医業経営コンサルタントの資格だけではなく情報化認定コンサルタントの資格も持っている人のほうがニーズが高いのは言うまでもありません。
(3)医療経営士
医業経営コンサルタントとは別に、医療経営士という資格もあります。両者を比較すると、医療経営士のほうが取得しやすい資格と言えそうです。1級から3級まであり、段階的に受験することも可能。また、資格を維持するための費用も医業経営コンサルタントに比べると低コストです。
3級の受験費用は8,640円、2級は15,400円、1級は50,000円です。2級を受験するためには3級資格取得者であることが条件になり、1級を受験するためには2級取得者であることが条件になります。そのため、1級取得のためにはするためには最低でも3回の受験が必要となります。
ちなみに、医療経営士の資格を取得するための試験の合格率は3級で50%程度、2級で20%から30%程度。1級は受験者が少ないためにあまり参考になりませんが、だいたい50%程度が合格しているようです。
合格率こそ医業経営コンサルタントより低いですが、費用面から考えると医療経営士の方が受験のハードルが少し低い資格だと考えられます。
※上記は2019年1月時点調べです。各資格の取得を検討される方は、ご自身でより詳しい内容をお調べください。
高齢化社会は今後もますます深刻な問題になると予測されています。そのため、病院はもちろん介護施設や福祉施設の需要は、今後さらに高まるでしょう。それならば、医療系経営コンサルタントの需要も同じように高まると考えるのが自然。まさに、これからの職業と言えそうです。
医業経営コンサルタントの資格や医療経営士の資格が身を助けてくれる可能性は高いですし、コンサルティング業の中でも社会的な貢献度も高い仕事なのでやりがいは十分にあります。医療系経営コンサルタントの仕事に興味がある人は、まずは資格取得のために行動を起こすと良いでしょう。何の資格も持たず経験もなければクライアントからの依頼を得るのは困難なので、まずは独学で医療経営士3級を取得するのが現実的な道だと考えられます。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)