コンサルタント志望の人向けに解説!必要な11の資格とは
最終更新日:2023/11/28
作成日:2021/08/17
コンサルタントとは、クライアントの課題を見つけて解決策を提示したり、具体的な行動の実践をサポートする職業です。
携わる分野に応じて、「ITコンサルタント」「経営コンサルタント」「AIコンサルタント」など、さまざまな種類が存在します。
クライアントがコンサルタントに仕事を依頼する背景には、「その領域のエキスパートに相談することで問題を解決し、業績を改善したい」などの期待があると考えられます。
ゆえにコンサルタントには専門的な知見に加えて、問題分析力やコミュニケーション能力など全般的に高いスキルが必要とされます。
備えている力やパフォーマンスの高さを示す指標のひとつとして「資格」があります。クライアントから信頼されるコンサルタントになるために、持っていると効果的な資格をご紹介します。
目次
■コンサルタントにおすすめの資格11選
(1)MBA
(2)キャリアコンサルタント
(3)PMP
(4)中小企業診断士
(5)ファイナンシャルプランナー
(6)社会保険労務士
(7)行政書士
(8)税理士
(9)証券アナリスト
(10)公認会計士
(11)司法書士
■コンサルタントが所持していると便利な資格7選
(1)CIA
(2)弁理士
(3)労働衛生コンサルタント
(4)DCプランナー
(5)TOEIC
(6)英語検定
(7)簿記
コンサルタントにおすすめの資格11選
クライアントのニーズを満たすため、コンサルタントには多岐に渡るスキルが求められます。資格取得は、コンサルタントがスキルアップするための効率的な方法の1つでしょう。
次からはコンサルタントにおすすめの資格を11種類ご紹介します。資格を取得することでコンサルタントとしての能力を向上させるだけではなく、クライアントに自分が持つスキルをアピールし、ビジネスチャンスにつなげるきっかけになるかもしれません。
(1)MBA
MBAとは「Master of Business Administration」の略で、経営学の修士資格のことです。MBAの学位を修得するためには、大学院に進学して2年間の専門課程を修了する必要があります(※1)。
MBAコースを設置している学校は、ビジネススクールとも呼ばれます。ビジネススクールの体系的に整えられたカリキュラムを通して、高度で実践的なビジネススキルを身に付けられるでしょう。
仕事の都合で通学できない場合は、オンラインの授業を用意しているスクールもあるため、自分に合った学習方法が選択できます。
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(2)キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、労働者の職業選択・職業能力の向上といった相談に応じ、アドバイスすることを生業とする人のことを指します。
名称独占の国家資格であるため、キャリアコンサルタントを名乗るには、国家試験に合格した後にキャリアコンサルタント名簿に登録されなければなりません(※2)。
キャリアコンサルタントは守秘義務や信用失墜行為の禁止が課されており、社会的信頼度の高い資格の1つでしょう。
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(3)PMP
PMPとは「Project Management Professional」の略で、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定する国際資格です。
プロジェクトマネジメントに携わる人は、期日のある業務計画(プロジェクト)の遂行を最初から最後まで管理して、プロジェクト成功のために全体をコントロールすることが求められます。
PMPは、プロジェクトマネジメントに関する知識のほか、実務力も問われる実践的な資格です。1度合格すれば永久に保持できる資格と異なり、3年ごとの更新が必要なため、常に学び続ける姿勢が求められるでしょう(※3)。
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(4)中小企業診断士
中小企業診断士とは、「中小企業支援法第12条」に基づいて制定されている国家資格です(※4)。主な仕事の内容は、中小企業が抱える経営上の課題を明らかにして、業績改善のためのアドバイスを提供することです。
コンサルタントは「物事を俯瞰的・多面的に分析する力」「クライアントの話を正しく聴くヒアリング力」「相手に説得的に働きかけるコミュニケーション力」が必要です。
中小企業診断士の資格を取得することで、必要なスキルを有するコンサルタントとしてキャリアアップできることが期待できます。
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(5)ファイナンシャルプランナー
税金・投資・相続・老後など、生活するうえでお金にかかわる問題は枚挙にいとまがありません。ファイナルシャルプランナーの仕事は、お金に関するエキスパートとして、個々人が抱える金銭的な悩みを解決するためにアドバイスすることです。
ファイナンシャルプランナーの資格は、民間資格の「CFP認定者」「AFP認定者」と、国家資格の「FP技能士」の3種類あります(※5)。
ファイナンシャルプランナーの知識は、コンサルタントとしてのスキルアップだけではなく、自分自身の生活にも役立てられるでしょう。
(6)社会保険労務士
社会保険労務士とは、労働に関する各種法律や社会保険を扱う専門家で、社会保険労務士法に基づき制定されている国家資格(※6)。労働法や社会保険に関する書類の作成・提出の代行は社会保険労務士にしか許されていない独占業務です。
社会保険労務士の仕事にはコンサルティングも含まれています。企業に対しては労働トラブルなどの労働に関する問題、個人に対しては労働に関する相談のほか、年金に伴う相談にも対応できる、活躍の幅が広い資格と言えるでしょう。
(7)行政書士
行政書士は行政書士法に基づく国家資格で、法律を扱うプロフェッショナルとして、国民と官公庁のかけ橋となることができます(※7)。
行政書士は法律関連の書類作成業務のほか、官公庁への書類提出手続きの代行や法律の知識を活かしたコンサルティング業務など、さまざまなエリアで活躍できるのが特徴と言えるでしょう。
特に企業に対するコンサルティングでは、会社の立ち上げから設立後の事業展開に関する課題まで、法律の知識を用いてバックアップすることが可能です。
(8)税理士
税理士は、税務と会計に関する業務に従事するスペシャリストです。税理士の資格は国家資格で、「税務代行」「税務書類作成」「税務相談」の3つを独占業務としています。
税理士試験の合格率は10~20%と難易度が高めですが、税務・会計はビジネスに必須の業務であるため、資格取得によってコンサルタントとして大きく飛躍できるでしょう(※8)。
(9)証券アナリスト
証券アナリストは、企業や市場などの投資価値について、専門知識を駆使して分析・評価する金融のスペシャリストです。
証券アナリストは民間団体が実施する検定試験の1つで、国家資格とは異なります。しかし金融業界でその知名度は高く、試験に合格することで、高度な知識・分析力を用いて金融業界の動向を読み取る専門家であるとアピールできるでしょう。
(10)公認会計士
公認会計士は会計・監査の専門家で、「監査業務」を独占業務とする国家資格です。公認会計士には、法廷監査を含む監査業務以外に、会計・監査の専門知識を活かした経営コンサルタントとしてのキャリアパスも存在しています。
公認会計士の受験資格は特になく、門戸が広く開かれていると言えます。試験はマークシートの「短答式」と記述の「論文式」があり、両方に合格する必要があります。
公認会計士を名乗るには「日本公認会計士協会」に名簿登録する必要がありますが、登録には試験合格のほか「2年以上の実務経験」または「通常3年間の実務補習講習と修了考査合格」が求められます(※9)。
(11)司法書士
司法書士は国家資格の1つで「不動産や法人の登記」「裁判所や検察庁に提出する書類作成」「民事に関する法的相談」などを主な業務としています(※10)。
司法書士試験は法律に関する高度な知識が問われることから、合格難易度の高い試験の1つと言えるでしょう。筆記試験合格後は口述試験も控えているため、しっかりとした事前準備が必要です。
コンサルタントが所持していると便利な資格7選
コンサルタントとして活躍の場を広げるには、幅広い知識と多角的な分析力を備えていることが重要です。
知識の幅を広げてスキルを向上させるため、コンサルタントが持っていると有利な資格をご紹介します。
(1)CIA
CIAは「Certified Internal Auditor」の略で、日本語では「公認内部監査人」と呼ばれます。CIAはアメリカに本部を置く「内部監査協会(IIA)」の日本支部が実施する資格試験で、内部監査に関する資格の中では知名度が高いものの1つです。
CIAを名乗れるのは、試験合格に加えて実務経験を有するといったIIAが定める条件を満たした人のみです。
内部監査は経営の健全性を保ち、経営や業務改善のために必要な仕事です。CIA取得により、企業に必須の内部監査の観点から、コンサルティングが可能となるでしょう。
(2)弁理士
弁理士は知的財産にかかわる物事に対する専門家として、特許・商標・意匠・実用新案などの業務に携わる国家資格です。
知的財産関連の手続き申請代理が弁理士の主な仕事ですが、知的財産に関する豊富な知識を活用し、ビジネスの現場でコンサルタントとしても活躍できるでしょう(※11)。
(3)労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは、労働者が働く環境の安全・衛生に関するレベルの向上を目的として、労働環境のアセスメントや改善のためのアドバイスを実施することを主な業務としています。
国家資格の1つで、試験には「筆記」と「口述」の2種類があります。受験資格は誰にでもあるわけではなく、大学などで専門課程を履修している必要があります(※12)。
(4)DCプランナー
DCとは「Defined Contribution」の略で、「確定拠出年金」のことを指します。DCプランナーは、確定拠出年金を含む年金制度のプロフェッショナルとして、投資や生活設計を全般的にアシストしてくれる存在と言えるでしょう 。
DCプランナー試験には1級と2級が存在し、2級は受験資格がなく誰でも受験ができますが、1級は2級保持者であることが受験の条件となっています。どちらも試験は年に1回のみの実施なので、計画的に準備して受験するとよいでしょう(※13)。
(5)TOEIC
コンサルタントには必ずしも英語力が求められるわけではありませんが、英語力があることで活躍できる場は広がるでしょう。
TOEICは英語の能力を評価するテストの1つで、日本だけではなく世界中で活用されています。TOEICは合否ではなくスコアで英語力が評価され、知識や教養よりも実践的な英語のコミュニケーション力を測っている点に特徴があると言えるでしょう。
(6)英語検定
英語検定は「英検」の名で親しまれており、5級から始まり、最高難易度の1級までグレードが用意されています。
英検では「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4技能がバランスよく評価されます。TOEICと異なり合否があるため、合格点に達しなければその級をパスすることはできません。
(7)簿記
簿記とは商工会議所が実施する検定試験で、企業における日々のお金の出入りや商業活動を記録し、決算や報告書にまとめる能力を評価します。
簿記には5つのレベルがあり、最も難易度の高いものから「1級」「2級」「3級」「簿記初級」「原価計算初級」に分けられています。
簿記は企業の経理・会計だけではなく、個人の税務報告にも役立つスキルです。簿記の能力を有していることで、経営の側面からコンサルティングできる能力がアップするでしょう。
まとめ
コンサルタントに必要な資格の取得を目指そう
コンサルタントには高度な専門性と幅広い知識、正確な分析力やクライアントと関係性を築くための円滑なコミュニケーション能力など、高いスキルが求められます。
コンサルタントとしてのレベル向上やクライアントへのアピール材料として、資格の取得は有効な手段でしょう。しかし、闇雲に何でも資格を取れば良いというものでもありません。
コンサルタントとしてのキャリアパスを明確にしたうえで、自分に必要な資格取得を目指しましょう。
<参照>
※1:https://mba.globis.ac.jp/first/
※2:https://www.jcda-careerex.org/
※3:https://www.pmi-japan.org/pmp_license/
※4:https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/001_what_shindanshi.html
※5:https://www.jafp.or.jp/aim/fpshikaku/kind/
※6:https://www.sharosi-siken.or.jp/exam/howto.html
※7:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/abstract/abstract.html
※8:https://www.nichizeiren.or.jp/prospects/work/
※9:https://jicpa.or.jp/cpainfo/applicant/examination/
※10:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji115.html
※11:https://www.jpaa.or.jp/patent-attorney/
※12:https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikakueisei.htm
※13:https://www.kinzai.or.jp/dc
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)