インサイドセールス立ち上げのプロセスとおすすめのツール

作成日:2022/02/01

 

近年多くの企業が導入するインサイドセールス。部署の立ち上げ時やインサイドセールス部門の求人を出す際、どのようなプロセスを踏んで、どこに注力するのか整理しておく必要があります。インサイドセールス立ち上げのプロセスと、立ち上げから導入後も活用すべきツールについて紹介します。

 

 

目次

■インサイドセールスとは

■インサイドセールス立ち上げの5ステップ
(1)プロセスを整理し部署を決める
(2)人員を確保する
(3)顧客データをリスト化、KPIを設定する
(4)フィールドセールスと連携させる
(5)SFAやCRM・MAツールを活用して効率化する

■SFA・CRM・MAツールとは
(1)SFA:セールフォースオートメーション
(2)CRM:カスタマーリレーションマネージメント
(3)MA:マーケティングオートメーション

■円滑なインサイドセールス導入は立ち上げプロセスと営業ツールが重要

 

インサイドセールスとは

インサイドセールスのオフィス

 

インサイドセールスとは、電話やメールなど非接触型のコミニケションツールを使って、営業活動を行う営業手法と施策、担当部署を指します。従来の対面型の営業手法に比べ、無駄や負担を軽減させたり広域のターゲットにアプローチできたりと効率的な営業手法として多くの企業が導入しています。

 

インサイドセールス立ち上げ時の5プロセス

インサイドセールス立ち上げの5ステップ

 

インサイドセールスは、やみくもに導入すればいいというものではありません。立ち上げ時からの社内の密なコミュニケーションやスムーズな連携が「インサイドセールス導入を成功に導く鍵」となります。

 


プロセスを踏み、体制をしっかり固めてインサイドセールス立ち上げましょう。インサイドセールス立ち上げ時に必要な5角プロセスを順番に紹介します。

(1)マーケティング・営業プロセスを整理、部署を決める

インサイドセールスを導入する前に、自社のマーケティング・営業のプロセスを明確にします。マーケティングと営業が担当する業務の内、どの部分をインサイドセールスで担うのか、どのチームが分担するのか検討しましょう。

 

次にインサイドセールスを社内のどの部門が担当するかを決定します。「マーケティング部門」「営業部門」内でインサイドセールスチームを作る企業もありますし「インサイドセールス部門」だけで独立させる企業もあります。

 

マーケティングがインサイドセールスの担当部署となった場合、見込み客の獲得・イベント・セミナーといった施策と連動した活動がしやすくなります。営業部門が担当になれば、フィールドセールスの担当者との連携が密に取れるでしょう。

(2)人員を確保する

インサイドセールスチームを立ち上げる際、まず「アウトソーシングするのか」「自社のメンバーで構成するのか」を選びます

 

アウトソーシングで人材を確保する場合、メリットとして「人数の調整がしやすい」「設備投資や人員の育成に掛かる時間やコストを抑えられる」があげられるでしょう。また、ある程度インサイドセールス成功に必要なスキルやノウハウを持つ人材をそろえている企業に依頼することになります。短期間で確実な効果が期待できるでしょう。

 

デメリットとしては「自社にインサイドセールスのノウハウが蓄積できない」「手続きが煩雑化する可能性がある」「アウトソーシング先に商材の研修や最新情報の発信などで手間が掛かる」などがあります。

 

一方、社内でインサイドセールス人員を確保できれば「ノウハウを蓄積」「顧客の反応に対しての柔軟な対応」「迅速なトラブル対応」が期待できます。その代わり、人材教育にコストと時間、人的リソース」がかかり、「設備投資」も必要です。インサイドセールス部門のスタッフや立ち上げのノウハウを持つ人材募集のため、求人広告を出すなど、さらなるコストと時間がかかる場合もあります。

 

インサイドセールスを導入するなら双方のメリット・デメリットを天秤にかけ、より長期的に見てコストパフォーマンスが高い方を選択しましょう。

(3)顧客データをリスト化、KPIを設定する

インサイドセールス導入には、さまざまな価値がありますが、見込み客に継続的にアプローチし、顧客に育成することが大きな目的の一つであり、インサイドセールスを自社に定着させるための第一歩と言えます。

 

そのためには顧客データリストが必要です。リストには、顧客の個人情報や企業情報のほか、問い合わせ歴や過去の購入品、好みや時間の都合がつきやすい時間帯などきめ細やかな情報をそろえる必要があります。顧客リスト作成や情報のデータ化、顧客管理などは、顧客情報管理ソフトや専用の管理ツールを利用する企業が多いです。

 

リスト化した顧客データを活用するときはKPIの設定も大切です。目標を達成するための度合いを測る指標であるKPIには「アポイント創出件数」「有効商談化件数/金額」「受注件数/金額」などを設定するのが一般的です。KPI効果測定は継続的に行いましょう

(4)フィールドセールスと連携させる

インサイドセールス導入は企業にとってプラスになることが多いです。しかし、インサイドセールスを導入したからと言って対面営業が必要ないかといえばそうではありません。対面営業にはインサイドセールスに比べ早期に顧客との関係性を構築できることや、確度や希望を直に感じられるなどのメリットがあります。両者を活用することで相乗効果が起こり、より高い生産性を上げられます

 

インサイドセールスと対面営業、いわゆるフィールドセールスの両者の活用方法とは、まずインサイドセールスで成約につながりそうな見込み客を発掘し、その上でフィールドセールス担当者が発掘した見込み客を訪問し信頼関係を構築、成約につなげる手法です。

 

インサイドセールスが幅広い見込み客にアプローチしリード獲得や顧客のヒアリングを行うことで、フィールドセールスが成約の可能性が高い訪問営業に集中できるのです。

(5)SFAやCRM・MAツールを活用して効率化する

インサイドセールスでは、見込み客へのアプローチや開拓が欠かせません。SFAやCRMツールを上手く活用すれば、より高い効果が期待できますMAツールを導入すれば、見込み客に対して継続的なアプローチが自動的にできるため、顧客育成の糸口となるでしょう。

 

SFAとは「Sales Force Automation」の略語で、営業活動の情報を蓄積し分析するツールのことです。CRMは「Customer Relationship Management」の略語で、顧客との関係構築のための情報を蓄積・管理・分析するツールを指します。

 

MAとは「Marketing Automation」の略語で見込み客のマーケティング活動で発生する大量の作業(顧客情報の一元化、ダイレクトメール送信など)を自動化し、効率を高める仕組みのことです。こうしたMAを実現するためのシステムをMAツールとよんでいます。 

 

 

SFA・CRM・MAツールとは

インサイドセールスチームをサポートする仕組み

 

インサイドセールス導入後は部署内で営業ツールや手法の略語が飛び交うことが予想されます。一つ一つを詳しく見ていきましょう。

(1)SFA:セールフォースオートメーション

SFAは、営業支援ツール、もしくは営業支援の手法、そのものです。「商談の開始から受注までの進捗状況を可視化し、そのための営業活動の管理をする」営業支援とそのためのツールと考えるとよいでしょう。

 

SFAツールの機能は多岐にわたります。顧客管理・案件管理・行動管理・売上予測・見積書作成・実績管理などです。予測と実績、それに伴う営業プロセスの集計や分析もできます。

(2)CRM:カスタマーリレーションマネージメント

CRMは「顧客との関係性を構築し結果につなげるための営業活動」を管理するツールです。CRMツールの機能は、購買データ・アンケートデータ・イベントの参加状況・趣味嗜好などの情報を蓄積させ、マーケティング活動に活かすためのものです。

 

また、顧客との関係性を構築して次の売り上げにつなげる営業手法をCRMと呼ぶのも一般的です。手法としてのCRMは古今東西「商い」の場では使い回されたもの、いわば「商売の基本」ともいえるでしょう。しかし、顧客の数や規模、住んでいる地域の範囲が大きくなればなるほど、人的リソースだけではカバーしきれなくなります。

 

そこでCRMツールを利用し、顧客の属性や購入歴などからどのようなアプローチが効果的な客層なのか、を分析・セグメント化し、フォローと継続的な提案をするのがインサイドセールスの役割です。

(3)MA:マーケティングオートメーション

MAツールは主に多くのターゲットに対して一斉アプローチするためのツールです。「顧客情報のデータベース」「見込み客のセグメント化」「見込み客からロイヤル顧客へ至る施策の自動化」「営業マーケティング施策の分析」といった役割も果たしています。

 

こうした役割を果たすために、MAツールには、主に5つの機能があります。「メールマーケティング機能」「キャンペーン管理機能」「ランディングページ作成機能」「リード情報の管理機能」「リードのスコアリング機能」です。

 

また、MAツール提供企業では、MAツールの導入支援や戦略立案、運用体制構築のサポートを行っています。また、ツール活用のためのトレーニングコースを実施している企業もあります。

 

 

円滑なインサイドセールス導入は立ち上げプロセスと営業ツールが重要

チーム力の高いインサイドセールス

 

インサイドセールスを立ち上げる際は部署の垣根を超えて社内で連携したり、時にはアウトソージングや営業ツール導入のために社外ともコミュニケーションを取る必要があります。手間やコスト、時間がかかる場合もありますが、インサイドセールスが業績アップにつながるよう、しっかりプロセスを踏んで円滑な導入につなげましょう。

 

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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