【Salesforceエンジニアとは】将来性や年収は?業務内容や求められるスキルも解説

最終更新日:2024/08/28
作成日:2022/04/27

 

ここ数年Salesforce(セールスフォース)エンジニアの需要が高まっていますが、セールスフォース・ドットコム社のSalesforceは多くの業態で注目されているため、一過性のものではないといわれています。本記事では、Salesforceの将来性が高い理由や年収、具体的な業務内容、これから目指す方が身に付けたいスキルや資格などについて解説していきます。

 

 

目次

 

■Salesforceエンジニアとは

■Salesforceエンジニアの将来性が高い理由
(1)Salesforce自体の需要が高い
(2)エンジニアが活躍する場がある
(3)フリーランスの需要も高い
(4)グローバルに導入されている

■Salesforceエンジニアは「やめとけ」と言われている?その理由は?
(1)スキル習得の難しさ
(2)高度な専門性が要求される
(3)幅広い業務範囲
(4)継続的な学習の必要性
(5)高い責任と期待

■Salesforceエンジニアの年収

■Salesforceエンジニアの業務内容
(1)導入支援
(2)開発・機能追加
(3)運用・改善提案
(4)保守・点検

■Salesforceエンジニアに求められるスキル
(1)Apex・Java・C#などプログラミング言語の知識
(2)開発実績
(3)コミュニケーション能力
(4)クライアントの業務理解力
(5)継続的な学習意欲

■Salesforceエンジニアにおすすめの資格

■Salesforceエンジニアは高い需要と将来性に期待できる職種

 

 

 Salesforceエンジニアとは

Salesforce本社

 

Salesforceとは、セールスフォース・ドットコム社によって開発・提供されているクラウド型のビジネスアプリケーションシステムです。Salesforceエンジニアとは、Salesforceシステムの導入から運用、保守点検、導入後のコンサルなど幅広く携わる人材のことです。

 

Salesforceは実装したAI機能による高度な分析で、企業向けの営業支援やクライアント管理などを行なう世界的にもメジャーなツールです。そのため、Salesforceエンジニアという特定のツールに特化したエンジニアが存在し、また需要も高いのです。

 

システムはゼロから開発することこそ価値が高いと思われがちですが、ビジネスである以上「収益化」「業務効率化」「ニーズが大きい」などの費用対効果にこそ価値があります。

 

またSalesforceの特性から、スクラッチ開発(1からオリジナルのシステムを開発すること)とは異なるスキルが求められることも覚えておきたい重要なポイントです。Salesforceエンジニアは今後の需要も期待でき、将来性の高い仕事と言えます。

 

Salesforceエンジニアの将来性が高い理由

有能そうなエンジニア


なぜ、Salesforce(セールスフォース)エンジニアは需要があり、将来性が高いといわれているのでしょう。Salesforceエンジニアの将来性が見込まれている理由を解説していきます。

 

(1)Salesforce自体の需要が高い

セールスフォース・ドットコム社は、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く、CRM分野のクラウドコンピューターサービスツールの企業です。そのセールスフォース・ドットコム社の社名を冠した開発システム、「Salesforce」は世界中で既に多くの企業が採用しているメジャーなツールとなりました。

 

普及率が高く、結果も出しているので、今後の需要も期待できます。Salesforceの需要が高まるほど、Salesforceエンジニアが活躍する場も増えるため、Salesforceエンジニアには将来性があると見込まれています。

 

多くの企業にSalesforceが選ばれている理由として、「低コスト」と「業種を問わずに使用できること」があげられます。Salesforceは必要な機能を選択し、利用した分にのみ課金されるシステムです。クラウド管理ができるのでハードウェア不要です。

 

また、Salesforceは機能の豊富さから他業種に対応可能です。さまざまな業種で既に導入されているため、業界特有の問題を解決するためのノウハウが蓄積しています。

 

つまり、Salesforceは幅広い業種に対応していて、なおかつ企業ごとに特化したツールに機能選択できるソフトです。多くの企業が自社に合ったSalesforceを導入できます。また不要な機能を外した結果コストパフォーマンスが良くなるので、最終的には多くの企業が導入コスト以上の効果を得られています。

(2)エンジニアが活躍する場がある

Salesforceの機能は、企業の抱える問題など状況に応じて自由にカスタム可能です。その結果、コストの無駄を排しつつ、ユーザビリティも向上します。カスタムのためには、Salesforceについての専門知識やスキルを持ったエンジニアの存在が必要不可欠です。

 

つまりカスタム可能というSalesforceの特徴は、エンジニアの需要を高める一因となるのです。

(3)フリーランスの需要も高い

Salesforceエンジニアが特に必要とされるのはシステムを導入するときで、逆に言えば企業内に専任の人材を配置するケースは少ないです。そのためフレキシブルに動けるフリーランスの需要が高いといえるでしょう。

 

Salesforceを導入したらSalesforceエンジニアの役目が終わりというわけではなく、導入後も保守・点検やコンサル業務などを請け負うことが可能です。

(4)グローバルに導入されている

Salesforceは世界中の企業で広く採用されているグローバルなプラットフォームです。多国籍企業や国際的な事業展開を行う企業にとって、Salesforceは標準的なCRMソリューションとなっています。
 
このグローバルな普及は、Salesforceエンジニアにとって大きな利点となります。まず、世界中どこでも通用するスキルセットを持つことができます。つまり、Salesforceエンジニアとしてのキャリアは国境を越えて通用し、国際的な就職や転職の機会を広げます。
 
また、グローバル企業との取引や、海外拠点とのデータ連携などにおいて、Salesforceの知識は非常に重要です。多言語対応や多通貨対応、各国の法規制に準拠したデータ管理など、グローバルビジネス特有の課題に対応できるSalesforceエンジニアの需要は高まっています。
 
さらに、Salesforceのグローバルな展開は、常に新しい機能や改善が行われることを意味します。世界中のユーザーからのフィードバックや要望を元に、Salesforceは進化し続けています。このことは、Salesforceエンジニアにとって、常に最新の技術やトレンドに触れ、スキルアップできる環境があることを示しています。
 
グローバルに導入されているという特性は、Salesforceエンジニアの将来性をさらに高めると同時に、国際的な視野を持ったIT人材としての成長機会を提供しています。

 

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Salesforceエンジニアは「やめとけ」と言われている?その理由は?

Salesforceエンジニアは「やめとけ」と言われている?その理由は?
 
ところで、Salesforceエンジニアは将来性の高い職種ではあるものの、一方で「やめとけ」と言われているネガティブな側面も否定できません。
 
Salesforceエンジニアが「やめとけ」と言われる主な理由には以下のようなものがあります。

(1)スキル習得の難しさ

Salesforceエンジニアになるためには、膨大な量のサービスと機能を習得する必要があります。Sales Cloud、Service Cloud、Experience Cloudなど、多岐にわたるサービスそれぞれに独自の特性があり、全てに精通することは容易ではありません。さらに、Apexというプログラミング言語の習得も求められます。Apexは他の言語とは異なる独特の文法や制約があり、マスターするまでに相当な時間と労力を要します。
 
加えて、ビジネスロジックの実装やデータモデリングなど、幅広い知識が必要となり、学習曲線は急峻です。

(2)高度な専門性が要求される

Salesforceシステムは極めて柔軟性が高く、高度にカスタマイズ可能です。そのため、単純なプログラミングスキルだけでは不十分で、Salesforceのアーキテクチャや内部の仕組みを深く理解する能力が欠かせません。
 
例えば、ガバナ制限やバルク処理の最適化など、Salesforce特有の概念や制約を理解し、それらを考慮しながら効率的なソリューションを設計する能力が求められます。また、セキュリティモデルやデータ共有の仕組みなど、複雑な概念を理解し適切に実装する必要があります。

(3)幅広い業務範囲

Salesforceエンジニアの仕事は、技術的な側面だけにとどまりません。システムの導入支援から開発、機能追加、保守運用まで、プロジェクトの全フェーズに関わることが多々あります。さらに、クライアント企業とのコミュニケーションやコンサルティングも重要な業務となります。技術的なスキルに加えて、ビジネス要件の理解、プロジェクト管理、クライアントとの折衝など、多様なソフトスキルも必要とされます。
 
技術者としての専門性と、コンサルタントとしての柔軟性の両立が求められる点が、多くのエンジニアにとって挑戦となるでしょう。

(4)継続的な学習の必要性

Salesforceプラットフォームは年に3回の大規模なアップデートが行われ、常に新機能や改善が追加されます。エンジニアは、これらの変更に遅れを取らないよう、継続的に学習を続ける必要があります。
 
具体的には、新機能の習得、既存の実装への影響の評価、最新のベストプラクティスの適用など、常に最新の知識を維持することが求められます。休日や時間外を使って学習せざるを得ない状況も多く、ワークライフバランスの維持が難しくなる場合があるのです。

(5)高い責任と期待

Salesforceは多くの企業にとって事業の中核を担う重要なシステムです。そのため、Salesforceエンジニアには非常に高い責任が課せられます。システムの安定稼働、セキュリティの確保、パフォーマンスの最適化など、多岐にわたる責任を負います。
 
また、クライアント企業からは、単なる技術的な実装だけでなく、ビジネス課題の解決や業務効率化の提案など、高度な期待が寄せられます。この高い期待に応え続けるプレッシャーは、多くのエンジニアにとってストレス要因となる可能性があるでしょう。

 

Salesforceエンジニアの年収

年収アップのイメージ

 

弊社の案件情報を参考にすると、Salesforceの導入や運用支援ポジションの月額報酬は100%稼働と仮定して90万~150万円ほどが設定されています。しかも、ここ数か月の間に、100万円から130万円へと平均報酬提示額が大幅に増加していて、この動きはしばらく続くだろうといわれています。

 

年収で換算すると、1080万~1800万円という、かなりの高年収が期待できます。現状はまだ、Salesforce「エンジニア」というポジションの求人が多いですが、ゆくゆくはコンサルタントとしても活躍できることでしょう。その際に、満足できる年収を得られるようにSalesforceにまつわる知見と実績に加えて、経営についても学んでおけるとよいですね。

 

 

Salesforceエンジニアの業務内容

システムエンジニア

 

Salesforceエンジニアの業務内容は幅広く、実作業としてSalesforceを導入するだけでなく、コンサルタントとしての役割も兼ねる必要があります。企業側は、「Salesforceを導入することで自社にとって、どのようなメリットがあるのか」「導入するならどのような形がベストか」「そもそもSalesforceがどのようなものなのか」といった疑問を持ちがちです。


Salesforce導入が決定してからではなく「導入前の相談をしたい」「導入後もツール改善のための相談をしたい」などの声が上がるでしょう。Salesforceエンジニアは、ユーザーである企業担当者とコミュニケーションを取り、疑問を解消したうえで導入を実行する必要があるということです。

 

(1)導入支援

Salesforceを導入する際には、Salesforceの多様な機能のなかから、クライアント企業にとって必要なものを判断しなければなりません。そのためには、企業の課題やSalesforceの利用目的などを丁寧にヒアリングすることが重要です。

 

Salesforceを導入して終わりではなく、導入に伴う設定やテストの支援なども行ないます。クライアントとコミュニケーションを取ってクライアントの業務改善のためにSalesforceを導入するので、システムだけでなく顧客業務についても理解する必要があります。

 

たとえば、クライアントに対してSalesforceの機能を説明して企業の担当者に判断してもらうより、企業の担当者に改善したい業務などをヒアリングしたうえで、Salesforceエンジニア側が対応を判断するスタンスが望ましいでしょう。


もちろん、クライアントにSalesforceについて理解を深めてもらうことは重要ですが、なるべく丸投げしたいというクライアントニーズを汲み取ったうえでコンサルティングできるとSalesforceエンジニアとしての評価が高まるはずです。

(2)開発・機能追加

クライアント企業が必要とする機能がSalesforceに搭載されていない場合、Salesforce特有のプログラミング言語で開発することになります。また機能の追加だけでなく、不要なものをカットすることも、コストカットにつながるので重要なポイントです。

 

また、導入時に既存の機能をクライアント企業に合わせてカスタマイズすることもあります。Salesforceは拡張性の高さが魅力の一つですが、大幅なカスタマイズにはプログラミングが必須です。

 

Apexは聞きなじみがないかと思いますが、構文としてはJavaに似ています。必要に応じて、Salesforce以外のシステムとの連携作業を行うこともあります。たとえば、すでに企業側がシステムを導入している場合もあり、新たに導入するSalesforceと連携させて利便性を高めたいといった要望があります。


この場合、既存のシステムと連携させるスキルが必要です。Salesforceに追加したい機能によっては、プログラミングによって実装するよりも他のシステムとあわせて導入した方が効率的な場合もあります。

(3)運用・改善提案

Salesforceエンジニアの仕事は、Salesforceを「導入したら終わり」ではありません。システム運用開始後に起こるトラブルへの対応も求められます。実際に、Salesforceを導入した結果、クライアント企業の想定とズレが生じた場合はSalesforceエンジニアが対応する必要があります。

 

Salesforce導入後にはシステム稼働後の状況を分析し、よりよい活用のための改善策を提案します。事業環境に応じて適切なアドバイスを行なうことが必要であり、コンサルタントとしての側面もあります。


コンサルタントとしての業務は、Salesforce導入前、導入中、導入後すべてに発生します。多くの場合クライアントは問題、疑問、不安などを持っているので、これらを技術とコミュニケーションによって解決していきます。

(4)保守・点検

Salesforceエンジニアは、企業がSalesforceの導入後、使い方をレクチャーする必要があります。トラブルを未然に防ぐために適切なメンテナンスも重要な業務です。

 

Salesforceは、システムの性質上、企業が継続的に使用しているとデータが蓄積されていきます。他のシステムと連携させた場合、導入時から取り込んだデータを分析することも可能です。取り込んだデータや使用によって蓄積されたデータの管理も重要になるので、これもSalesforceエンジニアの業務範囲です。

 

 

Salesforceエンジニアに求められるスキル

笑顔のSalesforceエンジニア


Salesforceエンジニアを目指す方へ向けて、求められるスキルを解説します。

 

(1)Apex・Java・C#などプログラミング言語の知識

SalesforceエンジニアはSalesforceを企業の業務に合わせて改修したり既存のシステムと連携させたりするのでプログラミングスキルが必須とご説明しました。では具体的にどのようなプログラミング言語スキルが必要なのか、簡単に挙げます。Apexは、Salesforce特有のプログラミング言語で、セールスフォース・ドットコム社が提供しています。

 

Javaは、Apexに似た言語であるため習得しているとSalesforceに慣れやすいです。またApexよりもメジャーな言語です。プログラミング経験がなくても、Javaの名前を耳にしたことのある方が多いでしょう。


C#は、サーバー側で動作しデータベースを扱える言語で、Javaと同様にApexよりもメジャーです。プログラミン言語の性質上Apexと重複する部分があるので、Salesforceを扱う際にも役立ちます。

(2)開発実績

知識だけでなく、Apexを用いて実際にSalesforceのシステム開発した経験があると転職やフリーランスになる際に有利に働きます。知識よりも実務経験の方が評価され、また現場でも役立ちます。

そのため、可能であれば知識の習得よりも早めに現場に入って、現場経験を積むのがおすすめです。また、Apexを使いこなせる人材がまだ少ないため、重宝されます。

(3)コミュニケーション能力

Salesforceエンジニアはコンサルタントとしての側面もあるので、コミュニケーション能力も重要です。クライアント企業の意図をくみ取り、要望を正確に理解することで、必要な機能を実装していく必要があります。単に話を聞くだけでなく、潜在的な要望を引き出す質問力や、提案力も必要です。

(4)クライアントの業務理解力

Salesforceエンジニアにとって、クライアントの事業内容や業務フローを深く理解する能力は非常に重要です。単にシステムを構築するだけでなく、クライアントの業界特有の課題や要求を正確に把握し、それらに適したソリューションを提供することが求められます。クライアントの業務プロセスを理解することで、Salesforceの機能を最大限に活用し、効率的かつ効果的なカスタマイズが可能になります。
 
また、この理解力は、クライアントとの信頼関係構築にも大きく貢献し、長期的なパートナーシップを築く上で重要な要素となります。

(5)継続的な学習意欲

Salesforceは定期的にアップデートされ、新機能や改善が頻繁に行われるため、Salesforceエンジニアには常に最新の知識を学び続ける姿勢が不可欠です。技術の進化に追いつくだけでなく、新しい機能や best practices を積極的に取り入れることで、クライアントにより価値の高いソリューションを提供することができます。
 
Salesforceの認定資格の取得や、コミュニティイベントへの参加、オンラインリソースの活用など、様々な方法で継続的に学習することが重要です。

 

 

Salesforceエンジニアにおすすめの資格

資格勉強をするSalesforceエンジニア

 

大前提として、Salesforceエンジニアになるための必須資格はなく、求人の際に求められることも少ないです。ただし、業務に関連する資格を保有しておくことで、一定のスキルや知識をもっていることをアピールできます。結果的に、求人の条件に有利に働くことも期待できるでしょう。

 

具体的にSalesforceエンジニアを目指す人におすすめなのは、セールスフォース・ドットコム社が実施しているSalesforce認定資格です。Salesforce認定資格には以下のような特徴があります。

  • 管理者/CRMコンサルタント、開発者/アーキテクト、マーケター/コンサルタント向けに分類されている
  • それぞれに基本資格と上位資格がある
  • オンライン受験も可能


引用:資格一覧ーSalesforce

 

 

Salesforceエンジニアは高い需要と将来性に期待できる職種

Salesforceエンジニア業務風景

 

Salesforceエンジニアとは、セールスフォース・ドットコム社が開発したビジネスアプリケーションシステム「Salesforce」に特化したエンジニアです。Salesforceは、需要が高く今後も高い将来性が期待されているシステムで開発企業のセールスフォース・ドットコム社も今後も継続的な成長が見込まれています。

 

Salesforceエンジニアには、Salesforceを扱う技術力はもちろん、コンサルティングができるコミュニケーション能力も求められます。導入前・導入中・導入後、すべての段階で「クライアントの相談に乗る」「改善提案を行う」といった業務にも需要があります。単にSalesforceの導入だけではなく、ITの枠組みを抜けて企業の業務改善全般に仕事を拡大していくことも可能です。こうした事情からも、Salesforceエンジニアは今後に期待でき、目指す価値が高い職種といえるでしょう。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

 

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