【PMOの将来性】仕事内容と存在意義とは?キャリアパスを解説!

 

最終更新日:2024/07/31
作成日:2020/05/07

 

現在注目を集めるPMOとPMO人材。一部では「仕事が大変」「将来性が心配」との声もあります。本当のところはどうなのでしょうか?PMOの将来性が心配される理由と、PMOの存在意義や将来性、キャリアパスを解説します。気になるPMOの仕事内容や向いている人材の特徴なども見ていきましょう。 

 

 

目次

 

■PMOとは

 

■PMOの仕事内容

 

■PMOの職種
PMOアドミニストレータ
PMOエキスパート
PMOマネージャー

 

■PMOに必要なスキル

 

■PMO人材の将来性
IT人材への需要
高い年収水準
希少性の高さ
キャリアパスの多様性

 

■PMO人材のキャリアパス
プロジェクトマネージャー(PM)への昇進
社内スペシャリスト
ITコンサルタントへの転職
情報システム担当
ITベンダーの役員
フリーランスとして独立

 

■PMO人材になれば一生食うに困らない

 

■フリーランスのPMOになるには


■PMOは存在意義と将来性が見込める仕事!

 

 

PMOとは

PMOイメージ画像

 

PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)とは、「PM(プロジェクトマネージャー)」をバックアップ、サポートする部署・組織です。

PMOに参画し、プロジェクト成功を支援するコンサルタントをPMOコンサルタントと呼びます。PMが、社内の人間関係などに邪魔されず、意思決定とプロジェクト進行を行えるように、支援に回るPMOには外部からコンサルタントを招く企業が多いです。

 

PMOの仕事内容

PMO 仕事中

 

PMOの存在意義は、PMがプロジェクト進行しやすい環境を整えること、プロジェクトの品質・コストパフォーマンス向上などです。つまり、ITプロジェクトの補助や管理業務、リスクマネジメントが主な仕事ですが、プロジェクトの取りまとめと品質・能率の向上、進行管理と調整、コストマネジメントなどの経営戦略も期待されています。

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PMOの職種

MTG中のPMO

 

PMO内では、主とする業務によって、PMOコンサルタントの職種が分かれています。主な職種は次の通りです。

PMOアドミニストレータ

PMOアドミニストレータは、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)内で事務的な管理業務を担当します。具体的には、プロジェクトの進捗状況を把握し、必要なドキュメントの作成や更新、ミーティングのスケジューリング、議事録の作成などを行います。
 
プロジェクトメンバー間のコミュニケーションを円滑にするための調整役としても重要な役割を果たし、プロジェクトがスムーズに進行するための基盤を支える存在です。

PMOエキスパート

PMOエキスパートは、プロジェクトのクオリティ管理に特化した役割を担います。彼らはプロジェクトの品質保証プロセスを監視し、各工程が適切に実行されているかをチェックします。リスク管理や問題解決のためのアドバイスを提供し、プロジェクトが高い品質基準を維持するために必要なサポートを行います。
 
また、ベストプラクティスの導入や標準化を推進し、プロジェクトの成功に寄与する重要な役割を果たします。

PMOマネージャー

PMOマネージャーは、プロジェクト管理全般を担当し、プロジェクトの計画から実行、モニタリング、完了までの全過程を統括します。彼らはプロジェクトチームを指導し、リソースの配分、スケジュール管理、予算管理など、プロジェクトが目標通りに進むための戦略的な調整を行います。
 
プロジェクトの全体像を把握し、ステークホルダーとの連携を図りながら、プロジェクトの成功に向けたリーダーシップを発揮します。

 

 

 

PMOに必要なスキル

PMO スキルセット

 

どの職種でPMOに参画するかによって求められるスキルは異なります。たとえば、PMOアドミニストレータには、資料作成・進行管理・情報管理など事務能力やタイムマネジメント能力が必要とされます。

 

PMOエキスパートには、開発責任者としての知見と進捗管理力が求められます。PMOマネージャーは戦略の策定をはじめ、予算管理や人員管理など複数プロジェクトの統括などが期待されるため、豊富なPM・PMO経験や経営のセンスが求められます。

 

しかし、どのPMOコンサルタントにも共通して必要とされるスキルがあります。それは、コミュニケーションスキルです。他のPMOコンサルタント・PM・プロジェクトメンバーとのコミュニケーションはもちろん、クライアント企業との交渉や進捗報告などもPMOの重要な任務です。

 

プロジェクトの品質を安定させ、スムーズに進行させるために、チームとメンバー一人ひとりのタスクやスケジュールを注視し、問題点があれば指摘、解決に導く力も求められます。

 

そのためには、リスクマネジメント能力や進捗管理力も必要ですが、なによりメンバーが相談しやすい雰囲気やヒアリング能力といった、優れたコミュニケーション能力を持つ人材がPMOコンサルタントに向いています。

 

 

PMO人材の将来性

PMOに必須の進行管理表

 

1つのプロジェクトには、PM・PL・エンジニア・ITコンサルタントなどさまざまな人材が参画します。なかでも、プロジェクト上流から、プロジェクトに関わる全ての情報と人材をまとめ、PMを支援するPMOコンサルタントのニーズは高いです。以下にその理由と特徴を説明します。

IT人材への需要

プロジェクトの多様化・複雑化に伴い、PMOへの需要が高まっています。特に、デジタルトランスフォーメーションやクラウド導入、サイバーセキュリティ対策などのITプロジェクトの増加により、PMOの役割がますます重要になっています。
 
企業はプロジェクトの成功率を高めるために、専門的な知識と経験を持つPMO人材を求めています。

高い年収水準

PMOの年収は一般的に高水準です。正社員の場合560〜900万円、フリーランスの場合1,000万円を超えることもあります。「賃金構造基本統計調査」によると、PM・PMOの平均年収は約871万円となっており、日本の平均年収443万円を大きく上回っています。
 
この数値は、PMOが企業のプロジェクト成功に直接貢献する重要な役割を果たしているため、その価値が高く評価されていることを示しています。

希少性の高さ

高度なPMO人材は希少で、市場価値が高いとされています。この希少性が高い年収の要因の一つとなっています。特に、複数の大規模プロジェクトを成功に導いた経験や、最新のプロジェクト管理手法に精通したスキルを持つ人材は非常に貴重であり、企業からの引き合いが多いです。

キャリアパスの多様性

PMOアドミニストレータからPMOエキスパート、PMOマネージャーへと昇進するキャリアパスがあります。また、コンサルティングファームのPMO部門トップや企業の顧問としての道も開かれています。
 
さらに、PMOとしての経験を活かし、戦略的なプロジェクトポートフォリオ管理や企業全体のプロジェクトガバナンスの向上に寄与するポジションに就くことも可能です。

 

 

PMO人材のキャリアパス

キャリアパス

 
PMOのキャリアパスには多様な選択肢があります。以下に代表的なキャリアプランを紹介します。

プロジェクトマネージャー(PM)への昇進

PMOとしての経験を積んだ後、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーになる道があります。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進捗管理やリスク管理のスキルが求められ、チームのリーダーシップを発揮してプロジェクトを成功に導く役割を担います。
 
さらに、予算管理やステークホルダーとのコミュニケーションも重要な要素となります。

社内スペシャリスト

PMO経験者は、特定の分野のスペシャリストとして社内で活躍することも可能です。例えば、ITシステムの導入や業務プロセスの最適化に特化し、企業内での効率化や生産性向上に寄与することができます。
 
このポジションでは、専門知識を深めつつ、他部門と連携して社内プロジェクトの成功を支援します。

ITコンサルタントへの転職

PMOのスキルセットを活かして、ITコンサルティング会社に転職することも一つのキャリアパスです。クライアント企業のプロジェクト管理を支援し、プロジェクトの計画立案や進行管理、リスクマネジメントなどのアドバイスを提供します。
 
また、クライアントの課題解決に向けた戦略的な提案を行い、企業の成長をサポートします。

情報システム担当

企業の情報システム部門で、IT戦略の策定や実行計画の立案を行うポジションに転職することも考えられます。企業全体のITインフラの最適化や、新しい技術の導入を推進し、情報システムの効率化とセキュリティの強化を図ります。
 
ITプロジェクトの管理だけでなく、長期的なIT戦略の実現にも関与します。

ITベンダーの役員

経験を積んだ後、ITベンダーの役員として、複数のプロジェクトを統括する立場に就くことも可能です。役員としては、会社全体のプロジェクトポートフォリオを管理し、戦略的な意思決定を行います。
 
また、ビジネスの成長を促進し、企業の競争力を高めるための長期的なビジョンを策定します。

フリーランスとして独立

PMOとしての豊富な経験を活かし、フリーランスとして独立する道もあります。フリーランスになることで、より自由な働き方や高収入を目指すことができます。自身のスケジュールを管理し、多様なプロジェクトに関与することで、スキルの幅を広げることが可能です。
 
また、特定の分野での専門知識を提供するコンサルタントとして、多くの企業と協力する機会が増えます。

 

 

 

PMO人材になれば一生食うに困らない

契約成立

 

「PMOはきつい」といわれる現状だからこそ、豊富なPMO参画経験やスキルがあるPMO人材は将来性が高く、一生食うに困らないといわれています。プロジェクト進行が大変だと根を上げてしまう人や「PMOだけはしない」「やりたくない」という人が多いため、現在進行形で活躍している人には新しいプロジェクトが舞い込みやすい側面があるでしょう。

 

また、人間は経験を積むことで、前の失敗を次に活かせるようになるものです。PMOコンサルタントとして実績がある人は、成功体験だけでなく失敗体験すらも評価され次の案件が見つかりやすいかもしれません。

 

さらに、プロジェクトの大小に限らず、一度走り出したプロジェクトは、数年間、運用・保守といった対応業務も生じます。現場で手を動かす、PLやエンジニア、事務方のスタッフだけでなく、プロジェクトを管理する人材が必要です。参画したプロジェクトの進行中は、上流から関わってきたPMO人材の仕事がなくなることはないといわれています。

 

 

フリーランスのPMOになるには

PMOの転職条件を眺める志望者

 

フリーランスとしてPMO人材を目指すなら、まず資格取得が早道です。PMPやPMOスペシャリスト認定資格などは、スキルや経験を立証するのに大変有効だとされています。ただし、こうしたPMO人材向けの資格は受験条件や難易度がかなり厳しいです。自分自身で勉強したり、興味のないプロジェクトでもチャンスがあれば参画して実績を作ったりといった努力が必要です。

 

また、セミナーなどに参加するのもおすすめです。資格取得に向けた勉強だけでなく人脈を作ることにもつながるでしょう。「フリーランスのPMOコンサルタントになれたら、自分で営業して自分の存在意義が生かせるプロジェクトにだけ参加したい」という人には非常に向いているといえます。

 

並行して、弊社、株式会社みらいワークスの「フリーコンサルタント.jp」のようなマッチングエージェントにも登録しましょう。現在のスキルと実績で参画可能な案件やポジションを紹介してくれるだけでなく「身に付けるとプラスになる資格やスキル」「現状の市場価値」などの相談も可能です。

 

 

PMOは存在意義と将来性が見込める仕事!

若手PMO達

 

「PMOが必要とされているのは現状だけ」と、将来性を不安視する声もあるようです。しかし、PMO設立が一般化した頃から大規模ITプロジェクト成功率が伸びたこと、大規模ITプロジェクトの数と人材が比例しないことなどから、今後もPMOの存在意義は評価され続けることでしょう。

 

PMOコンサルタントとしての実績やスキル・資格を有していることで、さまざまなキャリアパスを描けることも魅力です。IT人材の中でもきつい職種、やりたくないという声が上がるPMOだからこそチャレンジする価値があります。存在意義と将来性が高いPMOは、フリーランスとしてライフワークバランスを大切にしたい人には向いているといえるでしょう。

 

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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