【派遣PMOコンサルタント】フリーコンサルとの違いやメリット・デメリット!求められる理由や人材とは?
作成日:2022/05/27
PMOコンサルタントといえば、大手企業やIT企業、ITプロジェクトのPMOに特化したコンサルティングファームに所属するか、もしくはフリーランスになるのが一般的でした。しかし、最近は派遣会社でもPMOコンサルタントの求人が増えています。派遣契約のPMOコンサルタントの報酬や求められるスキル、メリット・デメリットなどについて解説します。
目次
■PMOコンサルタントを求めるIT業界の現状
(1)PMO設置によりITプロジェクト成功率が向上
(2)慢性的なPMO人材不足と大規模プロジェクトの増加
■派遣PMOコンサルタントのメリット・デメリット
(1)派遣PMOコンサルタントのメリット
(2)派遣PMOコンサルタントのデメリット
■派遣PMOコンサルタントに求められること
(1)求められる経験
(2)必要なスキル・資格
PMOコンサルタントとは?
本来、PMOというとプロジェクト管理をする部署や組織を意味しますが、ビジネスシーンや人材募集求人などでは、PMOといえばPMOコンサルタントを指す場合が多いです。PMOコンサルタントとは、PMOに参画しPMをバックアップし、プロジェクトを成功に導くコンサルタントのことです。
PMOコンサルタントの役割は、プロジェクトの取りまとめと品質・能率の向上、進行管理と調整などです。プロジェクトの補助や管理業務、リスクマネジメントが主な仕事ですが、ポジションによってはコストマネジメントやチーム内の人間関係の調整、経営戦略も期待されます。
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PMOコンサルタントを求めるIT業界の現状
PMの意思決定とプロジェクト進行支援のためにPMOコンサルタントをBPOする企業が多いです。企業が外部から招いてでもPMOを求める背景には、どのような実態があるのでしょうか。
(1)PMO設置によりITプロジェクト成功率が向上
誤解されがちですが、PMOはIT領域のプロジェクトのみに必要な組織ではなく、プロジェクトと名づけられた施策すべてが設置対象です。しかし、実際にはIT領域のシステム開発やツールの導入、最適化などのプロジェクトが多く、一般的にPMOコンサルタントの転職求人や案件情報は、IT業界やIT関連のものがほとんどです。
国内のITプロジェクトを対象にした調査では「PMOの台頭でITプロジェクト成功率が向上した」という結果が出ています。調査が始まった2003年当時の大規模ITプロジェクト成功率は26.7%、5年後の2008年に31.1%、PMOが一般化した2018年は52.8%と推移しています。
最終の調査でも依然、半数近くのプロジェクトが課題解決できないまま終了しています。とはいえ、PMOの後方支援がプロジェクト成功率を上げたといっても過言ではありません。実際に、PMOを設置したデベロッパーはプロジェクトの成功率を3年足らずで大きく向上させているという調査結果もあり、今後もPMO設置に意欲的な企業が増えるとみられています。
(2)慢性的なPMO人材不足と大規模プロジェクトの増加
PMO内でPM後方支援業務を担当するPMO人材は、いまだ供給が追いつきません。その一方、近年は大規模なITプロジェクトが増えています。このギャップを解決する手段として企業外部からPMOコンサルタントを招くのが一般化しています。
以前は自社内でITやPMO人材育成に力を入れる企業が多かったのですが、ITプロジェクトの規模や難易度によっては、企業内の知見の限界を超えるケースがあります。
大規模なシステム開発や中長期プロジェクトは、成功に対してよりシビアになるものです。そこで、リスクマネジメントとして外部のPMOコンサルタントが求められているのです。
PMOコンサルタントとして派遣会社登録はあり?
企業やPMOに特化したコンサルティングファームに所属したり、フリーランスとして独立したりするPMOコンサルタントが多い中、PMOコンサルタントの派遣求人が増えています。インターネット上で、IT関連の派遣求人は「つまらないものが多い」「やめとけ」と噂されていますが、派遣PMOコンサルタントの実情はどうなのでしょうか。
大手ベンダーやコンサルティングファーム出身者のフリーランスPMOコンサルタントの中には「自分の希望や興味に関係ないPMOに参画させられるのがつまらなくなった」という人が少なくありません。派遣会社に寄せられる求人案件は、面接や契約前に登録者と内容のすり合わせを行うので「一方的に指示されてPMOに参画した」といったジレンマは感じにくいかもしれません。
ただし、PMOコンサルタントとして個人事業主を目指すなら、登録するのは上流工程専門の案件を紹介できる派遣会社に絞りましょう。給与面や勤務時間、保険加入条件など、会社員時代の待遇とかけ離れていないか確認することも大切です。
派遣PMOコンサルタントのメリット・デメリット
派遣契約のPMOコンサルタント求人が最近増えてきたのは、求人への応募が一定数あるからとみて間違いないでしょう。では、PMOコンサルタントが派遣契約で働くのにはどのようなメリットがあるのでしょうか?また、同時に気になるデメリットについても紹介します。
(1)派遣PMOコンサルタントのメリット
派遣契約で就業すると、派遣会社の担当者が企業と就業者の間に立って双方の言い分や要望を取り持ちます。外部からPMOコンサルタントとして参画する場合、クライアント企業へ意見しづらい側面があります。派遣会社が間を取り持つことで意見しやすいというメリットがあります。
また、派遣会社は報酬や就業条件が契約内容と相違ないか、派遣社員がハラスメントにあっていないか、見極める役割も果たします。そのため、就業先で無理難題を押し付けられたり、いやな思いをしたりという心配も減るでしょう。
(2)派遣PMOコンサルタントのデメリット
現在、PMOコンサルタントは需要の高さから、かなり高い報酬が期待できます。特に独立したフリーランスのPMOコンサルタントの月額報酬は100万円を超える案件が少なくありません。しかし、派遣契約のPMOコンサルタントはフリーランスのコンサルタントより、報酬が低い傾向があります。
また、正社員のPMOコンサルタント職を退いたのは「自由な働き方がしたかったから」という人が多いでしょう。派遣会社で紹介されているPMOコンサルタント案件は稼働率が100%の求人が多く、正社員時代と同程度の勤務時間になる可能性が高いのはデメリットといえます。
派遣PMOコンサルタントとして向いている人は?
すでに企業に所属しながらPMOコンサルタントとして活躍している人は、独立してフリーランスになっても、スムーズに案件を獲得できる可能性が高いです。しかし、PMOでの実績がさほどない人、PMOコンサルタント未経験の人には、フリーランスに向けた足掛かりとして実績作りが必要です。派遣会社から紹介されるPMO求人は実績作りに最適といえます。
また、どのような職種でもいえることですが、派遣社員は正社員に比べて、一線を引いて契約業務を遂行することが求められるものです。人材の調整やコスト管理などを担うPMOコンサルタントであっても同様です。「企業の方針に振り回されたくない」「しがらみにとらわれず自分の職務を全うしたい」という人は派遣契約のPMOコンサルタントは向いているかもしれません。
派遣PMOコンサルタントに求められること
派遣求人に通りやすく、評価されやすいPMOコンサルタントには、どのような特徴があるのでしょうか?一般的には、正社員より派遣社員のほうが転職しやすいといわれていますが、応募の際に強みとなる経験やスキルを紹介します。
(1)求められる経験
すでにPMOコンサルタントとしての就業経験がある人は派遣会社でも即戦力になりうる人材としてバックアップが受けられるでしょう。PMOコンサルタントは未経験という人だと、PMやPL、SEといった経験が評価されやすいです。こうした業種を経験していると現在プロジェクトに参画中のPMO人材と共通言語で話がしやすいからです。
特に、経営戦略やツール、システムの選定などプロジェクトの上流工程から関わった経験があれば、派遣登録時にしっかりアピールしましょう。
(2)必要なスキル・資格
どのような仕事でもコミュニケーション能力は重要視されます。特に、調整やバックアップ、課題解決などが任務のPMOコンサルタントにとって、コミュニケーション能力は必要なスキルです。一般的な社会性やマナーは契約時にチェックされるとみて間違いありません。
PMOコンサルタント未経験者であっても、PMPをはじめとしたITプロジェクト関連の資格を取得していると派遣会社や紹介先で高く評価されるでしょう。フリーランスPMOコンサルタントを見据えた派遣登録なら、独立の準備段階としてこうした難関資格取得を目指すのがおすすめです。
派遣PMOコンサルタント向け案件はつまらない?
派遣契約のPMOコンサルタント案件は、つまらないといわれることがあります。これについてはどのような案件であっても、人によって「つまらない」「楽しい」と意見が異なるものだと頭に置いておきましょう。
ただし、そもそもPMOコンサルタントは外部からの参画が多いですが、派遣契約だとさらに外堀から参画しているような錯覚に陥ることはありそうです。「チームを引っ張っていく立場というよりも後方支援に徹する」という覚悟が必要とされるでしょう。
派遣PMOコンサルタントの報酬とは?
派遣契約のPMOコンサルタントの報酬は基本的に時給計算が多いでしょう。時給の相場は2000円前後~4000円と、地域や企業によって幅があります。稼働率にもよりますが、月額報酬では30万~65万円程度、年収にすると300万円台後半~700万円台後半くらいです。
額面だけで見ると、正社員のPMOコンサルタントより少し低いくらいの年収ですが、ボーナスや成功報酬などが支払われることはないので不公平と感じるかもしれません。「前職から次の転職先が見つかるまで」「いずれフリーランスPMOとして独立するまで」と割り切る必要があるでしょう。
派遣PMOコンサルタントが注意すべきこととは?
派遣契約でPMOに参画する場合、プロジェクトの終了とともに契約が打ち切られるリスクは念頭に置きましょう。また、どれほど結果を残していても、クライアント企業に優秀な人材がそろえば、派遣社員は契約が更新されないリスクもあります。
契約の打ち切りや終了を迎えたとき、どのような気持ちで事実と対峙できるかが大切です。就業中、できる限りの努力を続けられた人は、フリーランスのPMOコンサルタントとして独立できるチャンスととらえられるとよいでしょう。
派遣PMOコンサルタントは独立に向けた実績作りに最適
派遣会社でもPMOコンサルタントの求人案件が増えた背景には、慢性的なPMO人材不足があります。派遣契約のPMOコンサルタントは、会社員より年収が若干低かったり、契約更新されないリスクがあったりしますが、実績作りにはおすすめです。
「次は決まっていないけど、転職したい」「PMOコンサルタントとして早めに独立できるよう準備したい」という人は派遣契約のPMOコンサルタントも視野に入れておきましょう。
(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)