フリーランスは後悔する?生活できない・増えすぎといわれる理由は?結婚できないって本当?コロナのせい?

作成日:2022/09/14

フリーランスになっても「仕事がない」「生活できない」といった理由から後悔する人は少なくありません。「フリーランスが増えすぎ」「コロナのせい」など、フリーランス人材が抱える後悔の原因やこのような末路を回避するための対策について紹介します。

 

目次

 

フリーランスとは?
(1)フリーランスという働き方
(2)個人事業主や自営業との違い

 

フリーランスに多い仕事
(1)クリエイティブ職
(2)Web関連職
(3)コンサルティング職
(4)マーケティング職
(5)エンジニア職

 

フリーランス人材が抱える後悔
(1)収入が不安定
(2)時間が不規則
(3)営業が苦手
(4)経理や保険手続きなどが面倒
(5)ローンやクレジットカード審査が不安

 

フリーランス人材が後悔に追い込まれる背景
(1)コロナ禍を原因とする不景気
(2)フリーランスが増えすぎ
(3)フリーランスでも逃れられない対人ストレス
(4)将来への不安
(5)孤独感と理想とのギャップ

 

フリーランス人材が後悔しないためにできること
(1)自己管理・体調管理の徹底
(2)理想のフリーランス人物像を明確に
(3)相談相手を見つける

 

フリーランスになる前にすべき準備とは?
(1)開業準備をしっかり行う
(2)結婚相手・家族から理解を得る
(3)クレジットカード・ローンの申請を済ませておく
(4)独立資金を貯める
(5)人脈や営業先の目星をつける
(6)副業や週末起業でフリーランスお試し期間を設ける
(7)経理・事務手続きはアウトソースも検討して

 

■フリーランスで後悔しないために保険・年金について知っておこう
(1)日本は国民皆保険制度
(2)労働災害には特別加入制度や民間保険で備える
(3)iDeCoや国民年金付加保険料がおすすめ

 

■フリーランスを後悔するかどうかの分かれ道は開業準備にあり

 

 

フリーランスとは?

フリーランス

 

「フリーランス」という言葉は、すでに世の中で浸透していますが、フリーランスの定義があやふやな人もいるでしょう。フリーランスの定義、個人事業主・自営業との違いについて説明します。

 

(1)フリーランスという働き方

フリーランスを簡単に説明すると「個人で仕事を請け負う働き方」のことです。

 

会社員との大きな違いは、フリーランスは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶ部分です。企業や団体との雇用契約がないため「労働基準法」などの法律が適用されません。

 

勤務時間や勤務場所などの面で自由度が高い半面、フリーランスには最低賃金や残業時間など、法律で定められたルールが適用外なのが注意点です。また、確定申告をはじめ、税金や保険(控除)などの手続きも自分で行う必要があります。

内閣府や中小企業庁では、フリーランスとは

①自身で事業等を営んでいる
②従業員を雇用していない
③実店舗を持たない
④農林漁業従事者ではない
※法人の経営者を含む

という条件を満たすものと定義づけています。

(2)個人事業主や自営業との違い

フリーランスは個人事業主と同義語と誤解されがちですが、フリーランスが働き方を表す単語なのに対し、個人事業主とは開業届を提出して、個人で何らかの事業を行う人や税務区分を指します。

 

フリーランスと意味が似た単語として、個人事業主のほかに自営業を思い浮かべる人もいるでしょう。自営業も自分で事業を営む人のことです。自営業とフリーランスの呼び分け方については、さまざまな見解がありますが、自営業は飲食店などの実店舗を持つ人を指すのが一般的です。

 

一方で、フリーランスは自営業のように時間や場所の制約がなく、在宅でリモートワークする人も多くいます。内閣府などもフリーランスとは「実店舗を持たない」と定義づけています。

出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2022」

出典:内閣官房 公正取引委員会 中小企業庁 厚生労働省  フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン

☆あわせて読みたい

『フリーランス人材の悩みとは?業務委託の雇用形態とメリットデメリットを解説』

『【フリーランス入門ガイド】定義や個人事業主との違いとは?増えすぎた理由は?おすすめの仕事や獲得方法とは? 』

『フリーコンサルタントは副業でも稼げる?単価・種類・注意点を解説!』

 

 

フリーランスに多い仕事

さまざまな働き方の人が集う職場

 

2020年に内閣府が行った調査によると、フリーランス人口は460万人を超えるとされています。2年経った現在はさらに増えていると推測できます。

 

これほど多くのフリーランス人材が、活躍している職種はどのようなものが多いのでしょうか?一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した「フリーランス白書 2022」を参考に紹介します。

 

(1)クリエイティブ職


フリーランス白書で「主な収入源となっている職種」として紹介されている職業の第一位がクリエイティブ職です。デザイナーや執筆業、カメラマン・動画クリエイターなどが代表的な職種です。ヘアメイクやスタイリストなども、クリエイティブ職にカテゴライズできるでしょう。

(2)Web関連職


クリエイティブ職とかぶる職業もありますが、Web系の職種はフリーランス人材が多いです。具体的な職業を上げると、ライターや編集、Webディレクター・動画クリエイター・Webデザイナーなどがあげられます。コーダーやプログラマー・UIUXデザイナーといった職種も人気です。

(3)コンサルティング職


近年は、経営課題解決やIT・DXプロジェクトが急増した影響から、コンサルティング業界に追い風が吹いています。2025・2027年問題を前にSAP・ERPコンサルタント、大規模プロジェクトの急増からPMOコンサルタントなどのフリーランスは非常に需要が高いです。他にも、流通コストの負担増やECビジネスの発展により、スポット的に仕事を依頼できる経験豊富なフリーランスのSCMコンサルタントやECコンサルタントなどを求める企業も増えつつあります。

(4)マーケティング職


マーケティング職はWeb関連職・コンサルティング職にも関わる分野です。Webマーケティングや市場調査などを主とするマーケティング職の需要が伸びています。また、広報や人事など、企業の顔となる分野でもフリーランスのマーケターを求める企業が増えています。

(5)エンジニア職

多くの大型IT・DXプロジェクトが発足される現在、開発や運用を技術で支えるエンジニアも需要が高いです。ITコンサルタントやPMOコンサルタントに技術面でアドバイスできるような、リーダーや上流工程経験があるフリーランスエンジニアを求める企業が急増しています。

出典:内閣官房日本経済再生総合事務局 フリーランス実態調査結果

 

 

フリーランス人材が抱える後悔

フリーランス

 

フリーランスという働き方は多くの人にとって憧れるものではないでしょうか?しかし、ほとんどのフリーランス人材は、一度はフリーランスになったことを後悔する瞬間があるそうです。フリーランス人材が後悔しがちな事柄を紹介します。

 

(1)収入が不安定

企業や組織に所属する人は、毎日決められた仕事をこなしていれば、一定の年収が得られます。一方、フリーランスは、仕事の受注状況によって毎月の収入にばらつきが生じます。収入の不安定さを理由にフリーランスになったことを後悔する人は少なくありません。

 

先に紹介したフリーランス白書2022でも、アンケートの総回答の4割以上が収入にたいして「満足していない」「非常に満足していない」と回答しています。半数近いフリーランス人材が収入に不満を抱えているのです。

 

実は2020年度のフリーランス白書に比べると、収入に不満を感じる人の割合が増加していることからも「フリーランスの収入が不安定になってきている」といえるでしょう。フリーランス向けのエージェントの求人情報などでは高年収を謳うものが多いため、余計に現実とのギャップに不安を感じてしまうのかもしれません。

(2)労働時間が不規則

会社員などに比べるとフリーランスは、忙しい時期とそうでもない時期、によって、労働時間にバラつきがあるものです。案件の難易度やクライアントに求められる仕事の完成度によっても、1日のうちに仕事に費やす時間が増減するという人もいるでしょう。

 

仕事とプライベートの時間のバランスを自分でハンドリングできないというジレンマを感じる人も多いようです。また、あまり仕事がない時期には暇な時間が増え、焦りを感じる人もいます。

 

時期によって労働時間が不規則になることで、効率的なリズムが掴みづらく疲れを感じることもあるでしょう。労働時間が不規則だったり、クライアントの都合によって振り回されたりすることがストレスとなり、フリーランスになったことを後悔することもあり得ます。

(3)営業が苦手

フリーランスになったら、仕事は与えられるものではなく、自ら獲得しにいく必要があります。そもそも営業活動は、人によって向き・不向きがあるものです。自分を売り込むのが苦手で営業活動に苦しむフリーランス人材は多いです。

 

現在、引く手あまたのフリーランス人材でも、ほとんどがこうした駆け出しの時期は経験しています。黙っていても仕事が来るような立場になるまでは、営業が苦痛でフリーランスになったことを後悔した経験があるようです。

(4)経理や保険手続きなどが面倒

独立・起業すると、会社員時代とは比べ物にならないほど、税金や保険についての知識が必要になります。会社員時代は、年に一度源泉徴収で調整されていた税金も、フリーランスは自分で確定申告して支払う義務が生じます。

 

保険や年金も、法人化するなどして社会保険組合に入らない限りは、国民健康保険と国民年金基金に加入するのが一般的です。フリーランスだと、厚生労働省が管轄する雇用保険には加入が認められず、労災も特別加入の手続きをとる必要があります。

 

税務や法務の知識の勉強、経理作業、手続きが苦手な人は少なくありません。また、毎年のように法律が改定されるため、自分から税金や保険について情報収集する必要もあります。こうしたバックオフィス的な作業が苦手な人は、フリーランスになったことを後悔しがちです。

(5)ローンやクレジットカード審査が不安

「フリーランスは、会社員のように労働基準法に守られていない不安定な職種なため、ローンやクレジットカードの審査に通りにくい」という話を聞いたことがあるでしょう。現在、こうした処遇が改善されてきてはいますが、この説を否定できない側面もあります。

 

実際に、ある程度安定した収入があってもローンやクレジットカードの審査に落ちた経験があるフリーランス人材もいるようです。高い買い物や自宅の購入・結婚といったライフステージのビッグイベントを前に、フリーランスという働き方に不安や後悔を感じる人もいます。

 

 

フリーランス人材が後悔に追い込まれる背景

きつそうなPMO

 

現在、多くのフリーランス人材が、働き方やフリーランスになった自身の選択を後悔する状況に追い込まれています。この背景にはどのような課題があるのでしょうか?

 

(1)コロナ禍を原因とする不景気

「フリーランス白書2022」では、日本国内で2020年初頭より始まったコロナ禍とフリーランスとの関連性について、かなり踏み込んだ報告がされています。

 

コロナ禍を起点とした仕事の増減について「フリーランス白書2021」(2020年12月回答)では「仕事が減った」と答えたフリーランスの割合は、半数を超えています。2021年12月に回答された2022年度版では、4割弱に減少しているものの「コロナ禍を原因として多くのフリーランスが仕事の受注に困難を抱えている」といえるでしょう。

 

特に、飲食業やレジャー・旅行業、さらにこうした業種に関連する執筆業・コンサルタント業などではダメージがあったと推察できます。100年に一度といわれる未曽有の事態に経済が振り回されている事実が浮き彫りになったといえます。

(2)フリーランスが増えすぎ

政府が働き方改革に本腰を入れだして数年が経ちました。多くの企業や組織で、副業が解禁され、多様な働き方に理解が進んだことなどからフリーランス人口も急激に増えました。

 

「フリーランス白書 2022」によると、アンケートの回答者1254人の1/4にあたるフリーランス人材が、「開業後の期間は2年以内である」と答えています。つまり、この2年の間にそれだけフリーランスとして活動し始めたということです。

 

こうしたフリーランス人口の急激な変化により、需要と供給のバランスが変化したといえるでしょう。一つの案件に対して、受注を希望するフリーランス人材の割合が増え、仕事を獲得する難易度が上がったと考えられます。営業が苦手な人や時流に乗ってフリーランスになった駆け出しの人材は、後悔に追い込まれやすい状況といえるかもしれません。

(3)フリーランスでも逃れられない対人ストレス

人間関係が原因で、会社を辞めてフリーランスになった人、検討する人もいるでしょう。しかし、フリーランスとはいえ「案件を獲得する」「継続して受注する」ためには、苦手な人と接したり、頭を下げたりする場面があるものです。人に会いたくないからフリーランスになったのに在宅の案件となかなかであえず、多くの人と対面で接さなければならないというフリーランス人材もいます。

 

また、足元を見られるような不快な出来事に直面することもあり得ます。仕事のクオリティや納期が理由で、耐え難い言葉を投げつけられることもあるかもしれません。

 

社会生活を営む以上、こうした人間関係を起因としたストレスから完全に離れるのは至難の業です。「フリーランスになったら対人関係で悩まなくてすむのでは?」といった期待がある分、対人問題で振り回されたとき大きな後悔を感じる人もいるでしょう。

(4)将来への不安

フリーランスは、基本的に年金は国民年金です。労働基準法で守られる立場ではないため、いつ仕事を失っても訴える機会が与えられないのが一般的です。厚生年金に比べて少ない年金受給額や仕事がなくなるかもしれない不安から「フリーランスの末路は悲惨」といった声があります。

 

将来に不安を覚え、会社を辞めてフリーランスになったことを「安易だった」と後悔する人もいるでしょう。

(5)孤独感と理想とのギャップ

フリーランスという働き方は、企業や組織に所属しているときより、自由度は高いものの孤独も感じやすいものです。コロナ禍の影響で、在宅での案件が増え、人と会うために外出する機会も減ったことも多くの人にとって孤独な状況を招いています。

 

また、フリーランスになる前は「フリーランスになったら仕事がたくさん来るだろう」と明るい未来を思い描いていた人もいるでしょう。実際には「フリーランス人材が増え、案件を取り合う」といった状況に身を置くフリーランスもいます。理想と現実とのギャップに苦しみ、相談相手もいないといった悩みを抱える人が少なくありません。

 

 

フリーランス人材が後悔しないためにできること

イキイキ働くフリーランス女性

 

フリーランスになった後、後悔に陥らないよう日ごろから実践できることがいくつかあります。現在、すでにフリーランスになったことを後悔している人でも意識することで、胸に重くのしかかる後悔を軽くできるかもしれません。

 

(1)自己管理・体調管理の徹底

フリーランスに大切なのは「自分自身が資本」という意識です。自己管理では「プライベートと仕事の時間配分を見直す」「やりたくないこと・面倒なことを先送りしない」「用事ややらなくてはならないことを毎日書き出す」などを実践しましょう。

 

体調管理では「睡眠時間の確保」「規則正しい生活」「栄養バランス」「適度な運動」なども大切です。こうした日々の積み重ねで、健康状態が維持できます。

 

掃除や洗濯といった一見仕事とは関係がない雑務も、生活や心の安定、健康には重要です。自己管理・体調管理がおろそかだと、体調不良で仕事に穴をあけてしまったり、ストレスを感じやすくなったりします。自己管理と体調管理は徹底しましょう。

(2)理想のフリーランス人物像を明確に

フリーランスになり、仕事に対する成果を自分ですべて管理するようになると他のフリーランスの状況や「会社員を辞めていなかったら」と想定した自分と現実を比べてしまうことがあるでしょう。

 

風向きがよい時は今の状況にあぐらをかいてしまったり、悪い状況だと過度に落ち込んでしまったりして、フリーランスになった目的や将来像を見失いがちです。そうならないためにも、理想のフリーランス像を明確にしましょう。

 

やりたい仕事・希望する収入額・休日の過ごし方などを紙に書き出してみるのもおすすめです。今の自分自身に足りないものや、満足できる部分がはっきりするかもしれません。そうなれば、人と自分の比較や「たら・れば」といった後悔が減るでしょう。

 

また、成功する人の多くが理想とする自分の輪郭をしっかり思い描いて取り組んだ経験があるそうです。「理想像=ゴール」を定めてスタートを切る、もしくは軌道修正することで理想の自分に近づいていけるでしょう。

(3)相談相手を見つける

悩みや不安はもちろん、税金や事務手続きなどを相談できる相手がいることで後悔が軽くなることもあります。パートナーや友人はもちろん、フリーランスのコミュニティに顔を出し、人脈を広げるのもおすすめです。税務署やお住まいの地域の法律相談などで、税務や法務に詳しい人に相談するのもいいでしょう。

 

ちなみに弊社みらいワークスが運営するフリーランス.jpなどのフリーランス専門のマッチングエージェントでは、登録人材に対して担当エージェントが独立まで伴走し、その後もさまざまな課題に対してアドバイスを行います。

 

一般的に、多くの人が自分の悩み事に対して「こんなことで悩んでいるのは自分だけかも」と考えがちです。しかし、実際には誰もが同じことで悩んだ経験があったり、その立場になるまで知らないことだったりします。どんなことでも相談できる人を見つけるより、心配や後悔を打ち明ける勇気が必要かもしれません。

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フリーランスになる前にすべき準備とは?

副業コンサルタント

 

フリーランスとして独立前にしっかり準備することで、独立後の後悔を軽減させられるでしょう。自分の選択を後悔しないように、フリーランスになる前にすべき準備を紹介します。

 

(1)開業準備をしっかり行う

成功をつかむスタートラインとして、会社を辞めてしまう前に自分の事業計画を立てましょう。計画は簡単にはまとまらないものです。「どんな顧客がいてどんな仕事で収入を得るのか?」「毎月どのぐらいの収入を見込むのか?」などは、ざっくりと思い描いておきましょう。取り組むうちに現実的に足りないものや必要なスキル、フリーランスとして独立するのにかかる費用などが見えてきます。

 

また、個人事業主として事業を始める場合、開業届の提出が必要です。副業スタートのフリーランス活動でも年間20万円を超す収入がある場合は確定申告が必要になるため、開業届を提出し青色申告の手続きを取っておくのが賢明です。

 

法人を立ち上げて一人社長になる場合は、法人化の手続きも別途必要になります。また、年金や保険なども個人事業主と法人それぞれ仕組みが異なりますので、事前にチェックしておきたいところです。

(2)結婚相手・家族から理解を得る

フリーランスになる前にパートナーや夫・妻、家族など、身近な人には相談しておきましょう。「やめとけ」「現実は甘くない」など、耳にしたくない言葉を聞かされる可能性もあります。

 

しかし、後悔するような事態に陥ったとき、共に戦ってくれるはずの一番身近な存在から賛同を得られない人物が、自分の力で未来を切り開いていけるでしょうか?損得勘定の付き合いではない、信頼できる人物とこれから起こるかもしれないトラブルやその対応策についてもしっかり話し合い、理解を得てから独立するのがよいでしょう。

(3)クレジットカード・ローンの申請を済ませておく

クレジットカードや住宅ローンの申請は、会社を辞める前に済ませておくのが賢明です。一説には、フリーランスになってから1~3年は審査が通りにくいともいわれています。

 

現在、審査が簡単なクレジットカードやローンもありますが、余計な心配やトラブルを増やさないためにも開業準備の一つとして取り組みましょう。

(4)独立資金を貯める

独立する職種によって金額には差が出ますが、起業の際にはある程度の資金が必要となります。もし、取り立てて大きな経費のかからない事業であっても、起業後の生活費や税金の支払い等にお金が必要です。「開業資金+半年分の生活費」は貯蓄があると心強いでしょう。

 

開業資金については、金融機関からの融資や国や自治体の給付金をあてにしている人もいるかもしれません。しかし、返済義務のない創業助成金「地域創造的起業補助金」も自己資金をしっかり蓄えているかどうか、が審査要件の一つだとみられています。起業のために日頃から自己資金をしっかり貯めていれば、審査機関の心象がアップし、審査に通りやすいという話もあります。よい条件で融資が受けられる可能性も上がるでしょう。

(5)人脈をつくり営業先の目星をつける

フリーランス白書2022によると「仕事の獲得経路」について全体の3割以上が「人脈からの受注」と答えています。また「過去・現在の受注先」と答えた人も3割超えです。自分の人脈や現職や前職での取引先の中から顧客を見つけられるよう、アプローチしたり、フリーランスになる旨を伝えたりできるとよいでしょう。

 

また、フリーランスで主要事業としたい業種のコミュニティや、SNS経由で発注を受けたことがあるフリーランス人材も少なくありません。コミュニティやセミナーへの参加、仕事用のSNSアカウント作成なども営業手段となるでしょう。

(6)副業や週末起業でフリーランスお試し期間を設ける

会社を辞める前に、まずは主要事業としたい仕事を副業として請け負い、実績を作るのがおすすめです。スキルの向上やフリーランスになった際の人脈につながります。

 

収入を増やす手だてにもなるので、生活費は所属企業の給与、起業資金は副業での報酬をあてるなどするのもよいでしょう。副業での収入をこのように割り振ると経営者感覚も身につきます。

 

ただし、所属している企業が副業を禁止している場合は注意が必要です。特に、開発事業やコンサルティングなどの分野は情報漏洩を疑われる可能性があります。

 

副業は、副業専門サイトや「クラウドワークス」「ランサーズ」といったクラウドソーシングサービスのプラットフォームサイトで見つけられます。また、弊社、株式会社みらいワークスのフリーコンサルタント.jpのようなマッチングエージェントで稼働率が低い案件に応募するのも一つの手です。

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(7)経理・事務手続きはアウトソースも検討して

どうしても煩雑になる事務作業、苦手な税務や法務には外部に協力を仰ぐのも賢明な判断です。税理士事務所などに依頼するのが、一番楽で信頼できますが、それなりの経費が掛かります。

 

現在は、オンラインでさまざまな手続きが完結する経理ソフトが存在します。費用やサービスで比較検討して使いやすいものを探してみるのもよいでしょう。

 

 

フリーランスで後悔しないためには社会保障の知識が必要

開業届

 

本記事中でも、何度か触れていますが、フリーランスと会社員では受けられる社会保障制度が異なるため、ある程度の知識が必要です。将来、フリーランスになったことを後悔しないためにも、改めて一般的な社会保障についての知識やフリーランスに知っておいてほしい情報を紹介します。

 

(1)日本は国民皆保険制度

日本は国民皆保険制度です。よほどの理由がない限り、国民全員が社会保険や国民健康保険に加入しなければなりません。

 

フリーランスの多くが国民健康保険組合に加入しています。医療機関での医療費の支払い額に大きな差はありませんが、会社員と同じ収入でも厚生年金組合に比べて国民健康保険のほうが支払い額が高くなるケースがほとんどです。家族が扶養になれないなどのデメリットもあるため、保険制度がネックとなって会社員を辞められず副業でフリーランス活動をしている人もいます。

 

しかし、最近はフリーランスの組合やコミュニティが運営する社会保険に加入できるなどのサービスが増えてきました。それぞれのサービスに会員費や年収などの加入条件があるため、気になる人は調べてみるとよいでしょう。

(2)労働災害には特別加入制度や民間保険で備える

以前は、フリーランス人材は雇用保険にも加入が認められていませんでした。しかし、令和3年9月より、労働災害に対する特別加入が認められるようになりました。労働中の事故やケガに対しては、会社員や公務員などと同じく、保障が受けられるようになったのです。特に、ケガの心配がない職種でも仕事で移動中の事故などに備えて加入しておくのが得策でしょう。

 

また、フリーランス人材が急増した最近では、フリーランス向けの民間の保険なども充実しています。こちらもフリーランスのコミュニティなどから紹介を受けられるものもあります。一度調べておきましょう。

(3)iDeCoや国民年金付加保険料がおすすめ

社会保険と同じく、一般的にフリーランス人材は年金も厚生年金基金ではなく、国民年金基金に加入しなくてはなりません。将来に備えて国民年金の付加保険料を追加支払いし、年金に上乗せして受給をはかったり、フリーランスでもかけられる確定拠出年金IiDeCoなどで老後資金を増やしたりして備えましょう

出典:日本年金機構 付加保険料の納付のご案内

出典:厚生労働省 確定拠出年金制度の概要

 

 

フリーランスを後悔するかどうかの分かれ道は開業準備にあり

独立PMOの作業風景

 

昨今の社会情勢や政府の取り組みから「コロナ禍による不況」「フリーランスの増えすぎ」「後悔に苦しむフリーランスが多い」などは事実です。しかし、現実を知ってしっかり計画を立てたり、必要な知識を身に着けたりすることで影響を最小限にできるでしょう。

 

それには、フリーランスコミュニティへの参加や経験豊富なマッチングエージェントへの登録がおすすめです。

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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