BIエンジニアとは?仕事内容、年収、将来性や働き方について解説
作成日:2024/10/22
「BIエンジニアの将来性や需要はあるのか?」「フリーランスのBIエンジニアとして働くことは可能なのか?」という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- ・BIエンジニアとは?
- ・BIエンジニアの年収
- ・BIエンジニアの将来性
の順に解説します。
フリーランスのBIエンジニアを検討している・目指している方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
■BIエンジニアの仕事内容
ダッシュボードの設計と実装
データの収集・加工・分析
経営戦略などのサポート
ユーザーサポート
■BIエンジニアに必要なスキル
BIツールに関する知識
データベースに関する知識
統計・データ分析に関する知識
コミュニケーションスキル
ビジネスの知識・プレゼンテーションスキル
■BIエンジニアにおすすめの資格
Tableau認定資格
Power BI Data Analyst Associate
オラクルマスター
OSS-DB技術者認定試験
データベーススペシャリスト
統計検定
■BIエンジニアのキャリアパス
BIコンサルタント
ITコンサルタント
データサイエンティスト
データアナリスト
アナリティクスエンジニア
BIについて
BIとは、「ビジネス インテリジェンス」の頭文字を取った言葉です。ビジネスの意思決定に関するデータという意味で、企業や組織内に蓄積されたデータを活用して、新規事業の立ち上げ、事業拡大などを行うことを指します。
1980年代頃から、事業戦略にデータを活用する流れが生まれたと言われています。1990年代以降、コンピュータの高性能化やデータベースの誕生によって、データを有効活用できるシステム化とBIツールが開発されたことで、BIは企業活動に不可欠なものへとなりました。
BIツールの活用法
BIツールは、データの収集・整理・蓄積をしますが、マーケティングや売上分析など目的に合わせて蓄積されたデータの集計、抽出、分析を行い、数字やグラフなど可視化することで事業戦略などの提案・策定に活用します。
BIツールには、それぞれ役割があります。有効活用するには役割や特徴を理解して使い分けることが必要です。
主なBIツール
主なBIツールを4つ紹介します。
Tableau
Tableauは、Salesforceのグループ会社であるTableau社のBIツールです。ダッシュボードの豊富さとデータのビジュアル化と、初心者にも使いやすいのが特徴です。また、世界的にシェアが高いことでも有名なBIツールです。
Microsoft PowerBI
Microsoft社が提供するBIツールがMicrosoft PowerBIです。officeなどの同社製品とスムーズに連携できるため、使い勝手が良いのがMicrosoft PowerBIの特徴です。
Looker Studio
Looker Studioは、Google社のBIツールで基本的に無料で利用できます。直感的な操作が可能で専門知識がなくても扱いやすく、Google社が提供しているサービスと連携しやすいため、効率的に使用しやすいBIツールです。
Actionista!
Actionista!は、専門知識を持たないユーザーが使用することを想定しているため、Webブラウザで利用でき、プログラミングも不要と簡単に扱いやすいのが特徴です。
ライセンスが企業単位で付与されるので、1つのライセンスで社内全体で利用できるのもActionista!の特徴に挙げられます。
BIエンジニアとは?
BIエンジニアとは、ビジネスに活用するデータの分析、BIシステムの開発・設計を行うITエンジニアのことです。BIツールに関する知識・スキルに加えて、データを取り扱うため、データベースに関する知識・スキルも求められます。
BIは企業の事業戦略などの意思決定に活用するため、BIエンジニアは経営層に近い立ち位置で働きます。企業に提案を行うコンサルタントのような業務を行う場合もあります。
類似した職種との違い
ここからは、BIエンジニアと類似した職種を紹介します。
BIコンサルタント
BIツールを活用するという意味では、BIコンサルタントとBIエンジニアは同じですが、BIコンサルタントはクライアントの経営課題の解決が仕事です。BIコンサルタントは解決方法として最適なBIシステムの提案を行う企画担当で、BIエンジニアは開発担当と考えると分かりやすいかもしれません。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、機械学習や統計学を使ってデータ分析を行う専門家です。データのトレンドやパターンなどを見つけるのが仕事です。これに対して、データサイエンティストが分析したデータを活用しやすいシステムを構築するのが、BIエンジニアの仕事です。
データアナリスト
データアナリストは、データ分析の結果から経営戦略を策定します。そのため、データとビジネス両方の知見が求められます。
BIエンジニアはBIシステムの開発・設計を行い、データアナリストがデータを活用しやすい環境を整えるのが仕事です。
BIエンジニアの仕事内容
ダッシュボードの設計と実装
TableauやMicrosoft PowerBIなどのBIツールを使って、ダッシュボードの設計と実装を行います。ダッシュボードとは、BIツールでデータを可視化できるようにグラフなどを表示する画面のことです。関連する複数のデータを同時に表示するなど、データ分析の精度と効率がアップするように、ダッシュボードの設計と実装を通じてサポートします。
データの収集・加工・分析
データの収集・加工・分析は、BIエンジニアの重要な仕事です。
収集した状態のデータは分析には適していません。そのため、BIツールで分析に最適な状態にデータを加工して、データマートと呼ばれる加工が施されたデータを格納するデータベースに格納します。
必要なデータをデータマートから抽出して、BIツールで分析と可視化を行い、レポートとして出力するまでがBIエンジニアの仕事です。
経営戦略などのサポート
分析したデータを基に経営戦略などの提案やサポートを行います。また、クライアントの目的や課題に最適なBIシステムの導入に関するコンサルティングを行う場合もあります。
この2つを行うには経営戦略や課題などを正確に理解した上で、最適なBIシステムの設計・実装、または選定しなければいけないため、BIソリューションの他にビジネスに関する知見も身につける必要があります。
ユーザーサポート
BIツールは自由度の高さがメリットの1つです。目的に合わせてカスタマイズできますが、操作や運用方法が各ツールのマニュアルとは異なるので、BIエンジニアが教える必要があります。
ユーザーに正しい操作方法と効果的な活用法について教えるのも、BIエンジニアの重要な仕事です。
BIエンジニアの年収
BIエンジニアの年収を求人ボックスに掲載されている正社員・契約社員の求人から調べたところ、平均年収は約700万円でした。
フリーランスのBIエンジニアは経験・スキルによって異なりますが、月額70~100万円が相場のようです。年収に換算すると、約840~1,200万円と、フリーランスでも高収入が期待できます。
令和4年度における給与所得者の平均年収は、458万円です。BIエンジニアと給与所得者の平均年収を比較すると、BIエンジニアは高収入が期待できる職種であることが分かります。
BIエンジニアの年収が高いのは仕事の性質上、経営層に近い立ち位置で働くこと、フリーランスでは実務経験が必須とされることが多いため、高収入になりやすいようです。
参考:国税庁の令和4年度民間給与実態統計調査
BIエンジニアに必要なスキル
BIエンジニアには、さまざまなスキルが求められます。特に必要とされるスキルについて解説します。
BIツールに関する知識
BIエンジニアにとって、BIツールに関する知識とスキルは欠かすことができない重要なものです。さまざまな企業が提供するBIツールの特徴を理解することで、目的に合う最適なBIツールが選定できます。
すべてのBIツールの特徴を理解するのは難しいので、前述したTableauなどの世界的なシェアや認知度が高いBIツールを中心に特徴を理解しておきましょう。
データベースに関する知識
BIエンジニアは膨大なデータを取り扱うため、データベースの操作方法や構造に関する知識・スキルも身につけておく必要があります。
幅広い業務に対応できるようにデータベース言語のSQLに関する知識も必要です。データベースに関する知識・スキルが身につくと、スキルアップ・キャリアアップにもつながります。
統計・データ分析に関する知識
統計とデータ分析に関する知識もBIエンジニアには求められます。経営戦略など目的に合うデータを抽出して、分析するには統計とデータ分析の知識が不可欠なためです。
統計の知識を活かした高度な手法が使えると、データ分析の方法が増えるので成果につながる可能性が高い提案ができます。評価も高まるので、昇進・昇給にも有効な知識です。
コミュニケーションスキル
BIエンジニアは、経営層や複数の職種の人たちと協力しながら仕事をするため、コミュニケーションスキルも必要です。BIエンジニアは経営層に近い位置で提案する機会が多いので信頼関係を構築する、自分と相手の意見を正確に伝える・理解するためにもコミュニケーションスキルが重要です。
ビジネスの知識・プレゼンテーションスキル
経営戦略に最適なBIシステムを設計・実装するには、BIツールの知識・スキルの他にビジネスに関する知識も必要です。また、経営層へ提案する時にプレゼンテーションを行う機会が多々あります。
提案するBIシステムが最適であっても、説得力がない・分かりにくいプレゼンテーションでは経営層の理解を得られない恐れがあります。ビジネスの知識とプレゼンテーションスキルも、BIエンジニアにとって不可欠なスキルです。
BIエンジニアにおすすめの資格
BIエンジニアになるために必要な資格はありませんが、こちらで紹介する資格を取得すると、実務に必要な知識とスキルが証明できます。
ここでは、おすすめの資格を6つ紹介します。
Tableau認定資格
Tableau認定資格は、Salesforceのグループ会社であるTableau社のBIツールのスキルを認定する資格です。資格は3種類あり、プロフェッショナルに分類される2種類の資格は、実務に活かせる十分な知識とスキルが証明できます。
Tableau社のBIツールは世界シェア・認知度が高いため、Tableau認定資格を取得すると資格手当の対象となる可能性があり、転職でも評価されやすくなります。
Power BI Data Analyst Associate
Microsoft社が自社のBIツールであるPower BIに関する知識・スキルを証明するのが、Power BI Data Analyst Associateです。
Power BIはビジネスに必要とされる大量のデータの収集、保存、分析まで行えますが、プログラミングなしで取り扱うことができるので使い勝手の良さが特徴のBIツールです。
日本での知名度はあまり高くありませんが、Microsoft社が認定する資格であること、BIの重要度が高まっていることもあり、取得しておきたい資格です。
オラクルマスター
オラクルマスターは、オラクル社のオラクルデータベースに関する知識・スキルを証明できる資格で4つのレベルがあります。
オラクルデータベースはBIツールではありませんが、BIエンジニアにはデータベースの知識・スキルも必要です。
商用データベースの中でも、シェアが高いと言われるオラクルデータベースの知識とスキルが身につけば、大規模なプロジェクトに携われる可能性があり、キャリアアップにもつながります。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、特定非営利活動法人LPI-Japan事務局の認定資格です。近年、需要が高まっているPostgreSQLに関する知識・スキルが証明できます。
シルバーとゴールドの2つのレベルがあり、情報処理推進機構(IPA)のITSS(ITスキル標準)で、シルバーはレベル2の基本的な知識・技術、ゴールドはレベル3の応用的な知識・技術に該当します。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストは、IPAが認定する国家資格です。ITSS(ITスキル標準)で、最も難易度が高いレベル4に分類されます。
こちらも上記2つの資格と同じデータベースに関する資格で、データベースの企画、要件定義、開発、運用、保守までできる高度な人材であることが証明できます。高難易度の資格なので取得すれば、社内評価の向上、転職・独立時のアピール材料にも有効です。
統計検定
統計検定は、一般財団法人統計質保証推進協会が認定する検定です。BIエンジニアには欠かせないデータに関する知識が証明できます。
統計検定は10種類あります。データを正しく取り扱う基本的な知識を証明するには2級、データを応用できる知識の証明には準1級または1級の取得をおすすめします。
BIエンジニアの将来性
近年、多くの企業がビジネスチャンスの拡大などにデータを活用しており、データの重要性が高まっています。そのため、ビジネスに活用するデータの専門家であるBIエンジニアの需要も高まっています。BIツールやAIなどのIT技術は進化を続けているため、需要が高いBIエンジニアとなるには、実務経験の他に自発的に新たな知識・スキルを学ぶ意欲を持つ必要があります。
経験とスキルに自信があれば、フリーランスという働き方も選択できます。フリーランスのBIエンジニア向けの案件は、月額60万円以上の高単価な案件が多く、経験・スキル次第で月額100万円近い報酬も期待できます。
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BIエンジニアのキャリアパス
BIコンサルタント
BIコンサルタントはBIソリューションを活用して、クライアントの経営課題を解決へと導きます。BIエンジニアもコンサルティング業務を行う場合があるため、BIエンジニアの経験・スキルを活かして働けます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントもBIコンサルタントと同じく、クライアントの経営課題を解決するのが仕事です。ただし、ITコンサルタントはITに関する幅広い知見が求められます。ITコンサルタントは、BIエンジニア・BIコンサルタントよりも高収入が期待できます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは統計や機械学習を活用して、データ分析を行います。データサイエンティストも、BIエンジニアの経験・スキルを活かして働けます。統計と機械学習の知識・スキルが必須なので、統計検定などの資格取得を目指しましょう。
データアナリスト
データアナリストはビッグデータを分析して、その結果から経営戦略などの提案・アドバイスをします。データ分析はBIエンジニアの経験が活かせますが、経営戦略の提案にはビジネスやマーケティングの知識を身につける必要があります。
アナリティクスエンジニア
アナリティクスエンジニアは、BIエンジニアよりも高度なデータ分析ができる環境を整えるのが仕事です。エンジニアとしてのキャリアを築くなら、アナリティクスエンジニアがおすすめです。
まとめ
ビジネスチャンス拡大のためにデータを活用する企業の増加に伴い、BIエンジニアの需要も増加しています。データ活用の流れは今後も続いていくと予想されるため、BIエンジニアは需要・将来性ともに期待できる職種です。
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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)