広報・IRとは?それぞれの役割や求められる仕事内容を解説
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作成日:2025/02/12
広報・IRは、企業の持続的な成長と価値向上を支える活動です。本記事では、広報・IRの概要から、それぞれの役割・仕事内容・やりがい・求められる人材まで、具体的に解説していきます。
広報・IR業務に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■広報とIRの違い
情報発信先の違い
発信内容の違い
必要なスキル
■広報の仕事内容
プレスリリースとメディア対応
イベント企画・運営
ステークホルダーとのコミュニケーション戦略立案
社内報作成や社内向け情報発信
■IRの仕事内容
情報開示
株主・投資家との対話
IR資料の作成と公開
経営陣へのフィードバック
■広報・IRの仕事のやりがい
企業価値向上への貢献
社会とのつながり
多様なスキル開発
人間関係の構築
経営への貢献
■広報・IRの仕事に向いている人
優れたコミュニケーション能力を持つ人
文章力とライティングスキルに長けた人
幅広い興味と好奇心を持つ人
分析力と洞察力がある人
広報IRとは?
広報IRとは、企業が株主や投資家、メディア、一般公衆などのステークホルダーとコミュニケーションを図る活動全般を指します。単なる情報発信にとどまらず、企業の持続的な成長と企業価値向上のための重要な経営戦略の一つとして位置づけられています。効果的な広報IR活動により、市場との良好な関係を構築し、適切な企業評価につなげることが可能です。
企業の規模によって活動の範囲や重点は異なりますが、近年はデジタル技術の活用やESG情報の開示など、活動の幅が広がっています。
広報とIRの違い
広報とIRは、どちらも「企業価値を高める」ことが目的ですが、そのアプローチと対象が異なります。
情報発信先の違い
広報活動では、一般消費者やメディア関係者、社内従業員など幅広い層を対象に情報を発信していきます。
一方でIR活動では、株主や投資家、アナリストといった投資関連のステークホルダーを主な対象としており、より専門的な層とのコミュニケーションを重視しています。
発信内容の違い
広報活動における発信内容は、商品・サービス、企業活動、イベントなど、企業のブランドイメージ向上や認知度拡大を目的とした情報が中心です。
対してIR活動では、財務状況、経営戦略、事業計画など、投資判断に必要となる具体的な数値やビジョンに関する情報提供を行います。
必要なスキル
広報担当者には、様々なステークホルダーと良好な関係を築くため、コミュニケーション能力やメディア対応力が求められます。IRの担当者には、投資家との対話や企業価値の説明に不可欠な財務・経営の知識、数字を扱う能力が必須です。
広報の仕事内容
広報部門では、企業の取り組みや価値を社内外に適切に伝え、企業イメージの向上と良好な関係構築を図ります。主な業務は、以下の4つに分類されます。
- ・プレスリリースとメディア対応
- ・イベント企画・運営
- ・ステークホルダーとのコミュニケーション戦略立案
- ・社内報作成や社内向け情報発信
プレスリリースとメディア対応
企業の新商品やサービスのリリース、イベント開催などの情報を、プレスリリースという形でメディアに発信するのが、広報の主な仕事です。ほかには、メディアからの取材依頼に対応し、記者会見の準備や運営を行います。
日頃からメディアとの良好な関係を構築し、企業情報が適切に報道されるよう努めています。
イベント企画・運営
展示会や新商品発表会、地域貢献活動などを行う際は、企画から実施までを担当します。
各種イベントを通じて企業イメージの向上を図るとともに、一般消費者との直接的なコミュニケーションの機会を創出し、より深い理解と信頼関係の構築を目指します。
ステークホルダーとのコミュニケーション戦略立案
企業を取り巻く様々なステークホルダーとの効果的なコミュニケーション方法を検討し、戦略を立案することも、広報の仕事の一つです。
各ステークホルダーの特性や要望を考慮しながら、最適な情報発信方法やタイミングを計画し、実行に移します。
社内報作成や社内向け情報発信
従業員向けの社内報を企画・制作し、会社の方針や活動状況、部署間の取り組みなどを共有します。
社内のコミュニケーションを活性化させ、従業員のモチベーション向上や一体感の醸成に寄与する情報発信を行います。
IRの仕事内容
IR部門では、株主・投資家との建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指し、資本市場との良好な関係を構築します。具体的な業務内容として、以下の4つを紹介します。
- ・情報開示
- ・株主・投資家との対話
- ・IR資料の作成と公開
- ・経営陣へのフィードバック
情報開示
企業の財務情報および非財務情報を適時・適切に開示する役割を担います。金融商品取引法に基づく法定開示や、証券取引所が定める適時開示規則に従い、投資判断に必要な情報を正確かつ迅速に公開します。
株主・投資家との対話
経営幹部による決算説明会を定期的に開催し、経営戦略や業績動向について詳細な説明を行います。国内外の機関投資家との個別ミーティングを実施するほか、ロードショーや投資家向けカンファレンスに参加し、積極的な対話の機会を設けています。
IR資料の作成と公開
企業情報をわかりやすく伝えるため、WebサイトにおいてIR情報を体系的に掲載。グローバルな投資家との対話を促進するため、英語による情報発信も積極的に行い、情報格差の解消に努めています。
経営陣へのフィードバック
アナリストレポートの内容を分析し、その要点を経営陣に報告。投資家やアナリストから寄せられた意見や要望を集約するとともに、株価関連指標や株主情報を適切に管理し、経営判断に活用できる情報として提供します。
広報・IRの仕事のやりがい
広報・IRの仕事は、時にプレッシャーを感じる厳しいシーンもあります。しかし、企業と社会をつなぐ重要な役割を担い、大きな影響力を持つことができる点から、非常にやりがいのある職種といえます。
企業価値向上への貢献
企業や商材の知名度向上に直接的に関わり、その成果を実感できる機会が多くあります。広報活動を通じて、売上の増加やWebサイトの閲覧数上昇など、具体的な数値として成果が表れる際には、大きな達成感を得られます。
社会とのつながり
企業の声を世の中に届ける架け橋として、社会にポジティブな影響を与える役割を担います。発信した情報が多くの人々に届き、その反響を直接感じられることは、広報・IR担当者ならではの喜びといえるでしょう。
多様なスキル開発
日々の業務を通じて、コミュニケーション能力や柔軟性、創造性が自然と磨かれていきます。様々な場面で必要とされるスキルを習得できるため、どのような環境でも活躍できる、総合的な実力を身につけることが可能です。
人間関係の構築
メディア関係者や投資家など、社外の様々な人々と接する機会が豊富にあります。長期的な信頼関係を築きながら、互いに成長できるパートナーシップを育むことができる点も魅力です。
経営への貢献
常に経営者目線を持ちながら、会社全体を理解することが求められます。上場や売上拡大における重要な役割を担うなど、企業経営に大きな影響を与えることができ、その責任とやりがいを強く感じられる職種です。
広報・IRの仕事に向いている人
広報・IRの仕事は、企業と社会を結ぶ重要な架け橋として、様々なスキルと資質が求められます。特に、以下のような特徴を持つ人が活躍しやすい職種です。
- ・優れたコミュニケーション能力を持つ人
- ・文章力とライティングスキルに長けた人
- ・幅広い興味と好奇心を持つ人
- ・分析力と洞察力がある人
優れたコミュニケーション能力を持つ人
広報・IRは、メディア、投資家、一般消費者、社内の各部署など、様々なステークホルダーと関わります。
人によって立場や知識レベルが異なるため、相手の立場や状況を理解し、適切な表現で情報を伝達できる能力が必要です。
文章力とライティングスキルに長けた人
社内報やプレスリリース、Webサイトコンテンツ、投資家向け資料など、多様な文書を作成する機会が多くあります。目的や対象に応じて適切な表現を選び、正確かつ分かりやすい文章を書く能力が必要です。
また、企業のメッセージを効果的に伝えるための表現力も求められます。
幅広い興味と好奇心を持つ人
企業活動、業界動向、社会情勢など、様々な分野の情報に関心を持ち、積極的に情報収集できる姿勢が重要です。新しい取り組みや変化に対しても前向きに対応し、常に学ぶ姿勢を持って業務に取り組める人が適性を発揮できます。
分析力と洞察力がある人
広報・IRには、日々収集する多様な情報を的確に分析し、企業価値向上につながる広報戦略を立案しなければなりません。市場動向や競合他社の動きを読み解き、自社の強みを効果的にアピールできる洞察力が必要です。
また、得られた情報から課題を見出し、解決策を提案できる能力も重要です。
広報・IRに関するまとめ
広報・IR活動は、企業の持続的な成長と価値向上に不可欠な経営戦略の一つです。広報部門は一般消費者やメディアとの関係構築を通じて企業イメージの向上を図り、IR部門は投資家との対話を通じて企業価値の適正な評価を目指します。
両部門は異なるアプローチで企業価値向上に取り組みますが、どちらも高度なコミュニケーション能力と専門知識が必要です。プレスリリースの作成や決算説明会の実施、各種イベントの企画運営など、多岐にわたる業務を通じて、社内外のステークホルダーとの良好な関係を構築していきます。
近年では、デジタル技術の進展やESG情報開示の重要性の高まりにより、活動領域は更に拡大しています。
広報・IRの仕事は、時にプレッシャーのかかる場面もありますが、企業と社会をつなぐ重要な架け橋として大きなやりがいがあります。特に、自身の活動が企業価値の向上や社会との関係構築に直接的に貢献できる点は、この職種の大きな魅力といえるでしょう。
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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)